アイザックが、松浦洋行の方角に目を止めた。「おい、雪舟、あれを見ろ」雪舟は、その方角に顔を向けた。エドゥゲーフも、その方向を見た。キタイスカヤの雪舟達がいるのと反対側、松浦洋行の手前のところで、二人の男が何やら口論しているのが見えた。二人のうち、向こう側にいるのは、年配の小柄な中国人の御者、こちらに背を向けているのは、日本人の十四、五歳の少年のようだった。次の瞬間、その少年が、御者の顔を殴りつけ…
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小説『北満のシリウス』【第16回】鎌田 一正
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小説『海渡るフォルトゥーナ』【最終回】鷹嶋 ちた
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実用『仕事で悩む若者は適応障害なのか[注目連載ピックアップ]』【最終回】野坂 きみ子
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小説『いつか海の見える街へ』【第18回】須賀 渚
「ここに私のお墓を買ったの」――外出許可を取った彼女に頼まれて静岡へ。目的地の公園には、海を見渡せるベンチがあって…
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エッセイ『運命に寄り添う、そして生きる[人気連載ピックアップ]』【第16回】輪月 舟
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小説『約束のアンブレラ』【第11回】由野 寿和
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小説『カラスと少年 ―愛しき11種の動物とのふれあい物語-』【最終回】飯塚 舜介
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小説『赤い大河』【第14回】塚本 正巳
「それより、どうしてこんなところで働いてるの?」素直な疑問だった。彼女にとっては大切な場所を軽んじてしまった。
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小説『オレンジ病棟』【最終回】朝丘 大介
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エッセイ『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』【第5回】珠生 満ちる
「お隣の犬より小さくてかわいいわ!」おばあさん、ごはんとお水をください!わたしは今日なにも食べていません!
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評論『人生の法則』【最終回】岩崎 勇,四海 雅子
変化の著しい現代に求められる「三断力」とは?
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小説『今のこのままの日本でいいのか』【第4回】一粒 野麦
たまたまオルグに出向いていた父親に見初められた母。初々しいシュピレヒコールの姿が印象的だったようで…
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実用『海外百ヵ国以上一人旅で考えた事・実践 文庫増補改訂版』【第4回】高木 真
江戸時代、旅行は原則禁止。なのに大きな「参りブーム(=神社・仏閣参りを口実にした、物見遊山の観光旅行)」は何回かあった
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小説『兎角儚きこの世は』【第4回】白井 忠彦
「年貢を納めるのはお前達の義務だ。できないというのは国に反旗を翻すのと同じだ」そう言うと、棒で農民達を容赦なく叩き付け…
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実用『仕事で悩む若者は適応障害なのか[注目連載ピックアップ]』【第18回】野坂 きみ子
何年もこの仕事をしてきたのに、新人と同じ評価を受ける屈辱。単に運とタイミングで、自分より能力が劣る者が正社員…労働に病むことに。
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健康・暮らし・子育て『北の国のトイレ日記』【第4回】岡安 俊明
トイレ中、隣の風呂場から“バタン”の音。一瞬の静寂のあと、1歳の息子が激しくせき込む泣き声と、妻のあわて声が…
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エッセイ『運命に寄り添う、そして生きる[人気連載ピックアップ]』【第15回】輪月 舟
遊びで妊娠。全身の血が引くのを感じた。しかも発覚時、彼とはとっくに別れていて連絡の取りようもなかった。
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小説『約束のアンブレラ』【第10回】由野 寿和
卒業制作の条件は一つだけ――大学のシンボルツリー「紫藤の木」を描くこと。被害者女性が描いた卒業制作には…