第2章 講演会で新構想を発表する
経済構造が行き詰まった経緯
経済構造が行き詰まった経緯について考えてみよう。
生命のある人間にとって必要な物は、空気、水、食物、衣類、住み家、清潔、労働、学問、遊び、休みだが、最初の空気と最後の休み以外は物質の必需品、通貨で購入することができる。
この通貨の基準となるのが、今は金(ゴールド)であって現在の通貨、紙幣分の金は存在しないため、紙幣が大量に流通している。このことも経済構造が行き詰まった原因のひとつと言える。
物と物の交換に支障が生じ、人々の生活に悪影響を及ぼす紙幣が適度に印刷されれば、庶民の経済生活が潤うが、流通紙幣が多いと通貨紙幣の価値が下がりインフレーションになる。
逆に少なすぎると通貨紙幣の価値が上がってデフレーションになり、物価バランスが崩れて流通に支障をきたし、生産と消費のバランスまでも悪影響を及ぼすことになる。
デフレーションとは、たとえばチョコレートが100円で買えたのが60円で手に入る状態のことを言う。
チョコレート会社は生産した商品が安くなることで、収入が減り、経営が行き詰まってしまう。そうなるとリストラや賃金カットとなるだろう。従業員は収入が減り、物が買えない状態になる。このような景気が悪くなる悪循環が、デフレスパイラルである。
現在、先進国の中でも日本だけがデフレーションで消費税も上がり、非正規社員は増え、少子高齢社会に突入。国(政府)の債務(借金)は増える一方である。このような状態で日本はどうなるのだろうか?