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エッセイ『迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]』【第7回】野沢 りん7
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一世一代の悪霊退散の儀式。今まで代々と長男を守り、時には呪ってきた「ふみ」さんは計画通りに現れた...!!
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エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第2回】市川 友子11
急激に進行する病状。1時間前まで自力でベッドに移れていたのに、両腕はゴムのように手応えがなくなってしまった。
整形外科では腱反射のテストをする、俗に言う脚気の検査だ。膝をトンカチのようなもので叩くと、意識していなくても足がピンッとはね上がる、はずだった。ところが私の足はピクッとも動かないではないか、これはシ… -
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『ふみ』さんの霊が代々我が家系の長男を守り続けている...?! そして父から『ふみ』さんのルールが伝えられる...
ところが良いことは長くは続かなかった。注意はしていたものの、七五三のお宮参りを終えてホッとしていたなか、弘大はちょうどその冬世間に蔓延していた麻疹(はしか)にかかり高熱を出した。ふみは自分の方が丈夫… -
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第3回】市川 友子15
脳から手足へ伝達する神経が機能しなくなる。手足に始まり、喉の筋肉も動かなくなり、しだいに呼吸困難になっていった。
【26日】入院した翌日から検査や治療が始まった。私の場合、進行が早いのが幸いしてか、ギランバレー症候群と早々に診断された。ひと月かけて筋肉が衰えていくのだが、またゆっくりと戻っていく。原因は解明され… -
エッセイ『迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]』【第8回】野沢 りん16
子宮全摘の手術後、ひとりでいると不安が襲ってくる。部屋の中をうろうろする。手に包丁を持ち、疲れ果てるまで歩いた。
子宮全摘 3手術は嫌だけど、面倒な生活や仕事から逃げられると思うと楽しみになった。六人部屋で手術する人ばかりで、情報交換もバッチリ。部屋の入り口から順番に、トコロテンのように毎日一人手術室に押し出さ… -
エッセイ『迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]』【第5回】野沢 りん17
義母の納棺は素晴らしかった。「もう少し若ければつけてみたい」と言っていた紅をさし、楽しみにしていた着物をお棺にかけた。
声のかけ方駐車場の前で工事。作業員に「右折して出たいが大丈夫ですか」。すると「おかあさん、大丈夫ですよ」と返事。はぁー、私あなたを産んだ覚えないけど。奥さんでもないし、他人からオバサンはもっとイヤだ… -
小説『魂のいるところ』【新連載】しおん18
伯父の葬儀の日に出会った端正な顔立ちをした青年。「綺麗な顔だなぁ……」そう思った
伯父の葬儀の日、伯母や親戚達はすすり泣いているのに、私は悲しめないでいた。突然の訃報に、伯母も心の準備がなっておらず、それもそのはず五十三歳で亡くなるなんて早すぎる。良い部下にも恵まれて仕事も順調、… -
小説『心ふたつ』【第19回】高田 知明19
幼い間見えていた「おばちゃん」の正体を父は語りだす。父はアルバムの中からセピア色の白黒写真を指差して...
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小説『宮本武蔵と忍びの者』【第7回】石崎 翔輝20
くノ一は必ず女として男を籠絡する技を身につける。仲のいい娘が、老忍たちを相手に仕込まれる姿を見てきた。
いま薬華庵の小者たちは、甲賀の里の望月家との連絡に当たっていた。太一 (たいち)、十蔵 (じゅうぞう)、初音(はつね)といった十代の半ばを過ぎた歳の甲賀の忍びである。甲賀は、織田信長が本能寺で明智光…
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エッセイ『朝陽を待ちわびて』【新連載】桜木 光一1
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小説『心ふたつ』【第13回】高田 知明2
想い人との結婚は出来ぬと諦めた。しかし婚姻の場に現れた綿帽子で顔を隠したその女性の正体は...!!
日が西の空に傾き始めた暮れ六つ時、佐吉は、紋付羽織と袴姿に着替えさせられた。腰には先祖伝来の、宮下藩の殿様から拝領したという脇差を挟んだ。その姿で大広間に向かうと、部屋も庭も既に来客であふれかえって… -
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小説『同じ名前の鳥が鳴く』【第10回】なつきめい5
見てはいけない写真だった。今まで見たことのない母の姿がパソコンの「ゴミ箱」の中に
その日の夜、私はダンスの練習に音源とそれを編集することが必要であると両親に伝え、ノートパソコンを買い与えてもらうことに成功した。そしてその翌日の放課後、前の日の練習に行かなかったことを詫びるのと同時… -
小説『心ふたつ』【第17回】高田 知明6
家族みんなで食事をするとき「おばちゃん」はいつも俺の横にいた。「おばちゃん」はただじっと俺を見ているだけだった...
「そしたら皆さん、和讃(わさん)やりましょか」そう言って、黒い着物を着た親戚のおばさんたち三人が祭壇前の最前列に陣取り、その中央の一人が、「唱え奉る三宝御和讃にー」と口火を切ると、三人が声を合わせて… -
小説『心ふたつ』【第12回】高田 知明7
「おまえは自分の力で嫁を決めることができる」婚姻は今夜と決めておきながら父親は不思議なことを言い...
「さて、わしらのご先祖様の出世話はこれくらいにして、中村家当主に代々課されている秘事について話すとしよう」「秘事?」「中村家は、始祖である上田八郎太の時代から、ある能力を身につけているという『噂話』… -
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小説『心ふたつ』【第19回】高田 知明9
幼い間見えていた「おばちゃん」の正体を父は語りだす。父はアルバムの中からセピア色の白黒写真を指差して...
俺のそばにいてくれた「おばちゃん」の姿は、そのときまでずっと変わらなかった。今思えば二十歳過ぎくらいの清楚な女性だった。俺が物心つく前から、ずっとその年齢で俺に接してくれていたのだ。だからこそ、あん… -
小説『心ふたつ』【第15回】高田 知明10
「うわっ……」面を上げた彼女には...顔がなかった。目も口もない顔は俺を見つめているようで、そうでもないようで...
先ほど、花嫁の手をとって介添えしてきた女性が再び現れて、花嫁の手をとって立ち上がらせた。廊下に出て右に曲がったということは、離れに向かうのだろう。それから三十分ほどして、脇坂さんの発声で、拍手と「し… -
小説『心ふたつ』【第16回】高田 知明11
「舞子さんを俺の妻として迎えたいと思います」突然の告白で断られるかもしれなかった。そして涙を浮かべた彼女の返事は...
道は次第に平坦になり、村のメインストリートに合流する。メインストリートといっても、直線の県道の両脇に二百メートルほどに亘って繁華街が続いているだけの、小さな宿場町といったところだろうか。もう店を開け… -
エッセイ『あなただけが消えた世界』【第2回】上島 薫12
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小説『心ふたつ』【第14回】高田 知明13
自分のお嫁さんが誰かも分からないまま披露宴は進んでいく。花嫁の顔を覗き見ようとしたがやはり綿帽子で見えなかった...
「ねえ、お爺ちゃん。体の具合でも悪いの?」俺は、聞いていいかどうか、ためらいつつも無理に質問した。「いいや。どこもなんともない。元気そのものだ」「それじゃあ、どうして俺の跡継ぎのことをそんなに急ぐの… -
小説『心ふたつ』【第22回】高田 知明14
『邪魔をするなと言ったではないか』ふみさんのルールを破った曽祖父の長男はあらゆる流行り病にかかり亡くなってしまった...
「それから、ふたつ目。こちらがもっと重要だ。橋口家直系長男のおまえには、おそらく今でも『ふみ』さんの姿が見えるだろう。だが、いるのがわかっても決して目を合わせてはいけないし、懐かしく思っても話しかけ… -
エッセイ『カサンドラ症候群からの脱却[人気連載ピックアップ]』【第15回】Happy Navigator 那美15
夫との関係修復にハイキングを提案。大荷物を抱えて無言の登山、無言の野外調理をするハメに。
このことがあって、私は夫を問いただし、なぜ子どもたちが大変な時期に、こんなバカげたことを必死でやっているのかを尋ねたのですが、本人はキョトンとしています。なぜ妻がこんなにも怒っているのかが理解できな… -
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『ふみ』さんの呪いを断ち切るために、生まれたばかりの長男を危険に晒すかもしれない"奥の手"を使う他なかった...
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小説『心ふたつ』【第9回】高田 知明17
額の生え際あたりには鬼の角のようにきれいに左右対称のこぶが確かにあった。これが父にはなくて祖父にあった印...?
父、幸一はこの村で高校まで暮らしていたが、都会に憧れ東京の国立大学を受験した。跡継ぎの印がなかったために、父が東京に出ることに祖父は反対しなかった。しかし、祖父は父の頭にあの印が出てきたら、すぐにこ… -
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小説『シュバルツ・ヴァルト』【第5回】萬野 行子20
高いところから転がり落ちて、病院に担ぎ込まれた兄。「念のため、今晩一晩泊まっていって下さい」と話した医師は…
「外国での競技会にもITAという国際検査機関から、IDCOと呼ばれる人たちが派遣されてくるのよ。国内の大会でももちろんだけど、世界選手権のような大きな大会では、公平公正な競技会であることが必須でしょ…