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  1. 小説
    『29歳、右折の週』
    【第4回】
    言田 みさこ
    1位 1

    淫乱な女は14、15歳で既に男を錯乱させる光を持つと言う。15歳の理緒子に対して、7つ上の兄は「男の目」になっていた。

    「せっかくの誕生日なんだから、そうね、あさみの未来でも占ってあげようかな。さて ……と。じゃーね、あさみは生涯に何人、子供を産むか」手の中からカードを一枚取り出し、中央に置いて表に返した。ダイヤの7…
  2. エッセイ
    『あなただけが消えた世界』
    【第12回】
    上島 薫
    2位 2

    彼に援助交際の事実を話した。これですべて終わりだと思った。だが、彼から「別れよう」という言葉はなく…

    もちろん一樹は疑いながらも心の奥底ではいつも、俺の勘違いであってくれと願っていたはずだ。疑うより信じることを大切にする、それが一樹だ。だからいつも直球で聞くのではなく、誘導しているかのように私から告…
  3. 評論
    『ストップthe熟年離婚[人気連載ピックアップ]』
    【第13回】
    清水 一郎
    3位 3

    性格と寿命に関して行われた80年にわたる研究結果によると、長生きできたのは、陽気、明るい、冒険好き、社交的な人などではなく…

    一般に誰とも話をしない孤独に陥れば、生活が不規則になり、飲酒量や喫煙量が増え、運動不足になり肥満などに陥りそうです。その上に、孤独が飲み過ぎや喫煙と同等か、運動不足や肥満以上に早死にするリスクがある…
  4. 小説
    『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[人気連載ピックアップ]』
    【新連載】
    武 さき
    4位 4

    ホテルの出口から見知らぬ女と一緒に出てくる夫を目撃してしまう。悔しさがこみ上げる。許せない。裏切られた。離婚しよう。

    「ねぇ、すみません。カフェオレのお代わり下さい」今、ドーナツ屋さんで大好きなホットカフェオレを飲みながら主人との生活や子供達そして三週間前の事を思い返している。あの時、あの時間にあそこを通らなければ…
  5. エッセイ
    『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』
    【第25回】
    武 さき
    5位 5

    「やり直したい。帰って来たの、あなたの所へ…」夫が抱き合っていた女性は元カノだった。びっくりしていたら、夫と目が合って…

    三か月後、TI会当日、近藤さんのホテルで二時待ち合わせ。時間通り四組会員集合。「今日の会の予定はブティックで奥様達は好きな物を好きなだけお買い物をしてください。その間、男子会します。女子会が始まった…
  6. エッセイ
    『記憶の旅に栞紐を挿み』
    【第2回】
    村瀬 俊幸
    6位 6

    「何だか足がおかしい。力が抜けて足の感覚がなくなっていくような気がする」急変する家族のかたち

    私は幸いその日、自宅にいました。「足に力が入らなくって何だか嫌な気分だけど、ちょっと休めばきっと治るよ」妻は気丈にそう言い残して2階の寝室に向かいました。階段を上がるのがきつそうでした。「手を貸そう…
  7. 小説
    『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』
    【第20回】
    武 さき
    7位 7

    「結婚を前提に付き合ってくれないか?」"あげまん"女性のおまじないにより人生を共に過ごせる理想の女性が見つかった...!

    今日は今井夫婦が宿泊予定だ。夜は十四階のラウンジで飲む約束だ。ゆりワールドが聞けると思うと楽しみだ。早目に仕事を切り上げよう、秘書の横田に、「十九時に十四階のラウンジを予約してほしい。僕と今井夫婦と…
  8. 小説
    『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』
    【第21回】
    武 さき
    8位 8

    私は十年前に亡くなった彼の妻にそっくりらしい。子ども達を呼んで「今までよく頑張りました」と声をかけてあげると...

    近藤さんの結婚式も終わり、俊さんが、「来週、京都に行かないか」「何か用事が有るの?」「君の着物が欲しい」「えっ、どういう事?」「僕が、ゆりに着物を買ってあげたい。僕が買った着物に袖を通してほしい。僕…
  9. エッセイ
    『あなただけが消えた世界』
    【第11回】
    上島 薫
    9位 9

    援助交際を始めた。彼氏に不満があるわけでもなく、特に理由はなかった。その人とホテルに入り、終わると彼氏のアパートに帰った

    一樹も車に乗り、私の実家に行って話をした。そしてその時、父は「学校はもう行かなくていい。一樹くんと暮らしなさい」とだけ言った。家出してしまうほど追い詰められているなら学校へ行かなくてよい、というだけ…
  10. 小説
    『小窓の王』
    【第19回】
    原 岳
    10位 10

    「△非常通報:剱岳で滑落事故発生。少なくとも一人は生存している模様。これから二名で可能な限り救助活動を行う。」

    鬼島はロープを捌き終えると「懸垂下降するからロープをセットしろ」と川田に告げ、ザックの中から無線機を取り出した。川田はハーネスからロープを外し、そのロープの一端をスリングの紐の輪に通し、もう一本のロ…
  11. エッセイ
    『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』
    【第22回】
    武 さき
    11位 11

    彼は妻を亡くしてから10年の間に、美人やグラマーな女性とたくさん…「でも、済んだらベッドを離れたんじゃないですか?」

    「井上呉服屋さんまでお送りして」と秘書に。「今井さん、ありがとうございました。呉服屋さんまで送ります。ぜひ、お夕食は一緒に取りたいです。よろしいですか」「喜んでご一緒いたします」呉服屋へ向かう車中で…
  12. エッセイ
    『あなただけが消えた世界』
    【第10回】
    上島 薫
    12位 12

    (帰りたくない。帰れない。もう学校にも行けない。もう嫌だ、限界だ。)すがるような気持ちで彼氏の家へ行ったのに…

    過去のトラウマというのは不思議なもので、年月が経とうとも、頭で整理ができていても、同じ状況や人物でなくとも、心というのは正直、そんなこととはまったく関係なく勝手にトラウマである出来事に直結してくるの…
  13. 小説
    『小窓の王』
    【第18回】
    原 岳
    13位 13

    一瞬の烈風、雪面を掻きむしる音と悲鳴。雪煙とともに池ノ谷めがけて滑り落ちていく男二人。「鬼島さん!やつら落ちましたよ!」

    川田は自分のザックから取り出したロープを解き、ロープの一端を自分のハーネスに結び、他方を鬼島に手渡した。鬼島も同じように自分のロープを解き、一端を自分のハーネスに結び、他端を川田に手渡した。鬼島と川…
  14. エッセイ
    『あなただけが消えた世界』
    【第13回】
    上島 薫
    14位 14

    「それは性被害といえるのか?」…兄の友達にされたこと、10年間隠してきたあの日の出来事を、遂にすべて両親に話した。だが…

    母とは違い、自立した女性になりたいとずっと思っていた。それからいろいろ調べ、大学に入学するには中卒では無理なので、高校卒業と同じ扱いにもなり得る、高卒認定試験を受けるための勉強を始めた。私の場合、8…
  15. エッセイ
    『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』
    【第26回】
    武 さき
    15位 15

    元カノに触った手で触れてほしくなくて、私は夫を振り払ってしまった。その夜、帰宅後ドアを閉めると同時に夫が激しく…

    私は納得したが……あの人を触った手で私に触れてほしくない。私って嫉妬している?「私の俊さんに触らないで」って……。会場に入って、五組のご夫婦が席に着いていた。挨拶をして私を紹介した。席に着いてしばら…
  16. エッセイ
    『朝陽を待ちわびて』
    【新連載】
    桜木 光一
    16位 16

    父の通夜に現れなかった妻。自宅階段の手すりに白い紐が結ばれていて…

    妻の命を守るためにご尽力頂いた皆様に感謝申し上げます。医療機関の皆様には特にお礼申し上げます。自傷行為者の介添人として私自身も入院させて頂いたことは、妻の励みになりました。心から感謝します。私が疲弊…
  17. エッセイ
    『あなただけが消えた世界』
    【第9回】
    上島 薫
    17位 17

    フラッシュバック。彼はあの人じゃないし、あの日触られたところでもないのに、どうして…好きなのに、震えと恐怖が止まらない。

    好きという感情は、必然的に〈嫌われたくない〉という感情が生まれてくる。家でも、長い期間人形のように過ごしてきたはずなのに、一樹と一緒にいるとき、特に出掛けてウィンドウショッピングをしたりしている中で…
  18. 小説
    『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』
    【第16回】
    武 さき
    18位 18

    姉たちとの温泉旅行を終え一人になった瞬間「あの、すみません少しいいですか」変な人が声をかけてきて...

    翌週、今日は姉達と日帰りで温泉観光地へ。温泉入ってお土産を買った。四時頃帰る予定。俊さんは朝から会議で夜は懇親会でお夕飯がいらないので、姉達と出掛ける事にした。四人揃って出かけるのは久しぶり。十時に…
  19. エッセイ
    『あなただけが消えた世界』
    【第4回】
    上島 薫
    19位 19

    兄の友達が、また私の部屋に来た。その日彼は、私のベッドに腰掛けて…激しい鼓動と恐怖。頭は真っ白だった。ちょうどその時…

    ノックをされると緊張と恐怖で身体がこわばってしまう。でも、特に用はなく「彼氏はできた?」なんて、他愛もない世間話をし、兄の部屋へ戻っていくパターンが多かったけれど、あの日は、世間話のような会話をしな…
  20. 小説
    『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』
    【第19回】
    武 さき
    20位 20

    妻のファンクラブ発足?! 新婚社長は妻のおかげで毎日が幸せですとのろけ話も飛び出す。

    その週末、企業会があって僕たちのグループも例年通り、招待があり参加した。「山本社長、ご参加頂きありがとうございます」毎年企業の代表が参加する親睦会だ。「私共本社より紹介、ありがとうございます」「石川…