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  1. エッセイ
    『振り子の指す方へ』
    【第19回】
    山口 ゆり子
    1位 1

    何故、妹の夫に体を許してしまったのだろう。もう誰のことも好きになれないはずの私は、ただあなたとの日々を想って…

    そう声に出して言いかけて、漠然とした思いがそれを聞くことを躊躇わせた。あの日、気が付くと二人はいつも一緒にいた。あの日、亜希子が『これは面白い!』と思うと、悟もすぐ隣で笑っていた。あの日『う~ん』と…
  2. 小説
    『娘からの相続および愛人と息子の相続の結末[人気連載ピックアップ]』
    【第10回】
    川井 れもん
    2位 2

    娘の葬儀代は1円も払わない、と宣言する元夫。それに加え、娘が生前に一生懸命貯めた命のお金を相続させろと言ってきて...

    次の日から雄二と2人で、市役所に提出する書類の整理や墓に納骨をするなど、予想以上にやらなければいけない事が多かった。そのためここ数日、私は身体に激しい痛みを感じて我慢できなくなっては休憩して、回復し…
  3. エッセイ
    『良子という女[注目連載ピックアップ]』
    【第6回】
    野村 よし
    3位 3

    「お母さんが嘔吐を繰り返してる。いま救急車出発した」娘からのメール。私は結婚式の帰りの新幹線の中で、酒を呑んだし、雨だし…

    【前回の記事を読む】私は2階で酒を吞んで熟睡。妻は1階和室で寝たのだと思う。妻に異常はまったくなかった。なのに深夜、「お父さん、お父さん」と…雨が降り続いていた。母親を東邦大学病院へ送ってから、あい…
  4. 小説
    『お嬢様の崩壊』
    【新連載】
    いけだ えいこ
    4位 4

    銀行員の夫は給料五十万円のうち生活費を八万円しか渡してくれずついに…

    しずかは、自分がお嬢様だと思ったことはなかった。でも、最近になってやっぱり自分は周りと少し違うのかもしれないと感じていた。子どものころ住んでいた都内の家には部屋が十四ぐらいあったし、門から玄関までの…
  5. エッセイ
    『記憶の旅に栞紐を挿み[人気連載ピックアップ]』
    【第2回】
    村瀬 俊幸
    5位 5

    「何だか足がおかしい。力が抜けて足の感覚がなくなっていくような気がする」急変する家族のかたち

    【前回の記事を読む】伊那谷に移住して5年目の冬。病気で下半身に障害が残った妻とともに生きる私は幸いその日、自宅にいました。「足に力が入らなくって何だか嫌な気分だけど、ちょっと休めばきっと治るよ」妻は…
  6. エッセイ
    『良子という女[注目連載ピックアップ]』
    【第5回】
    野村 よし
    6位 6

    私は2階で酒を吞んで熟睡。妻は1階和室で寝たのだと思う。妻に異常はまったくなかった。なのに深夜、「お父さん、お父さん」と…

    【前回の記事を読む】取締役支店長が飛んで来て「私の権限で即刻1億円の融資をします。ご心配掛けました」!? まさか借金する側が頭を下げられるとは…9月4日の深夜、あい子が、「お母さんを病院へ連れて行っ…
  7. エッセイ
    『振り子の指す方へ』
    【第18回】
    山口 ゆり子
    7位 7

    堪らず見開いた視界に、亜希子が先ほどまで身体を預け快楽を貪りあっていた男はいなかった…

    郁子に対しても、両親に対しても、亜希子はずっと頼りになるお姉ちゃんを演じ続けてきた。母佐知子はそんな亜希子を信頼してか、郁子のことは亜希子に任せきりだし、寝たきりの父邦夫は甘ったれの郁子が独占してい…
  8. エッセイ
    『振り子の指す方へ』
    【第17回】
    山口 ゆり子
    8位 8

    あの日、同じように妻を抱きしめていたのなら…。泣いている義姉をソファーに横たえ、そして…

    静かに抱きしめ返してくる亜希子の背中をさすりながら、春彦は郁子とよく似た亜希子の温かさが二年の間にうらぶれた心をほぐしていくのを感じていた。あの日、同じように郁子を抱きしめられていたのなら、という思…
  9. 小説
    『お嬢様の崩壊[人気連載ピックアップ]』
    【第10回】
    いけだ えいこ
    9位 9

    家族がまだ寝ているうちに、荷物を持って玄関を出た。今までにない解放感で叫び出しそうだった。何年もの間、家族にしばられて…

    【前回記事を読む】家ではいつも不機嫌な夫。子どもの塾にお金がかかるようになっても、夫は余分なお金をくれなかった。言っても無駄だった。それにしずかも社会に出たかった。とはいえ、スーパーのレジやファミレ…
  10. 小説
    『お嬢様の崩壊[人気連載ピックアップ]』
    【第9回】
    いけだ えいこ
    10位 10

    家ではいつも不機嫌な夫。子どもの塾にお金がかかるようになっても、夫は余分なお金をくれなかった。言っても無駄だった。

    【前回記事を読む】子どもたちも夫も、私に向かって笑ってくれなかった。家の中に笑顔がなかった。いつも笑って歌う彼の姿だけが心をほぐしてくれたそんなときに、今の夫を紹介された。彼はなんの変哲もない普通の…
  11. エッセイ
    『良子という女[注目連載ピックアップ]』
    【第4回】
    野村 よし
    11位 11

    取締役支店長が飛んで来て「私の権限で即刻1億円の融資をします。ご心配掛けました」!? まさか借金する側が頭を下げられるとは…

    【前回の記事を読む】妻は美人でない。しかし、きれいな女だ。年を経るにつれ、この女への愛おしさが深まる。この女に先立たれたら、私は、どうしよう。娘が強烈に印象に残っているという私の二つの姿、その一つは…
  12. エッセイ
    『記憶の旅に栞紐を挿み[人気連載ピックアップ]』
    【第3回】
    村瀬 俊幸
    12位 12

    緊急入院から3週間後転院するため福祉タクシーに。車椅子に全身固定されワイヤーで車の中へ引き上げられる妻

    【前回の記事を読む】「何だか足がおかしい。力が抜けて足の感覚がなくなっていくような気がする」急変する家族のかたち救急指定病院で妻は緊急入院から3週間にわたって急性期治療を受けました。そして引き続き在…
  13. 小説
    『薄紅色のいのちを抱いて』
    【第4回】
    野元 正
    13位 13

    あの日、しだれ桜がしきりに散り降る晩、とうとう夫は帰ってこなかった…よりによってその日は結婚記念日だった

    【前回の記事を読む】私は猫の死に憧れていた――死期を悟ったら、どこだか知らない所へでも行って人知れず消えようか…とおもったりもする母屋の近くにある苗畑には、悠輔が新種の桜の誕生を願って植えた最後の接…
  14. エッセイ
    『良子という女[注目連載ピックアップ]』
    【第7回】
    野村 よし
    14位 14

    「あなた、私は幸せでした」…妻は状況を直感していたのだ。私は言葉を返すことができず、妻から離れた。

    【前回の記事を読む】「お母さんが嘔吐を繰り返してる。いま救急車出発した」娘からのメール。私は結婚式の帰りの新幹線の中で、酒を呑んだし、雨だし…私の心臓は躍りだした。先生はAという御自分の名札を見せた…
  15. 小説
    『愛しき女性たちへ[人気連載ピックアップ]』
    【第5回】
    白金 かおる
    15位 15

    マッチングアプリで出会った男性と初めてのデート。食事が終わったタイミングで「じゃあ行こうか。部屋を取ってある」と言われ…

    【前回の記事を読む】会う前に女性も男性を選べるというのが気に入って登録した「ハニーパパ」。良さそうな三人の男と会ってみたら…仕事のこととか好きな食べ物の話などをしながら食事をし、デザートとコーヒーを…
  16. エッセイ
    『良子という女[注目連載ピックアップ]』
    【新連載】
    野村 よし
    16位 16

    口から食べられなくなったら、そこで終わりにしてくれ。「胃ろう」など、もっての外だ。余分な治療は一切するな。

    私はあと数カ月で70を迎える。最近身近な者が続いて倒れ、私も「死に方」を考えるようになった。だがこれは難しい。こっちの都合が加味できないからである。特に体の自由が利かぬ形での死は、私にとって恐怖であ…
  17. 小説
    『お嬢様の崩壊[人気連載ピックアップ]』
    【第4回】
    いけだ えいこ
    17位 17

    病院で「入院が必要なレベル」と言われて帰った私に、「お昼は何?」と聞く夫。疲れた。

    【前回記事を読む】同級生のほとんどが腰かけで有名企業に就職し数年で寿退社。新築祝いを贈るばかりで自分に返ってくる見込みもなく…翌朝、混んだ地下鉄に乗ってつり革につかまり窓を見ると、疲れ果てた中年女が…
  18. 小説
    『愛しき女性たちへ[人気連載ピックアップ]』
    【第6回】
    白金 かおる
    18位 18

    「おねだりしてもいいですか?」銀座のクラブのお気に入りの女性から、そう耳元でささやかれ…

    【前回の記事を読む】マッチングアプリで出会った男性と初めてのデート。食事が終わったタイミングで「じゃあ行こうか。部屋を取ってある」と言われ…「おねだりしてもいいですか?」珍しく幸恵が耳元でささやいた…
  19. エッセイ
    『記憶の旅に栞紐を挿み[人気連載ピックアップ]』
    【第4回】
    村瀬 俊幸
    19位 19

    まさか妻が車椅子生活になるなんて予想できなかった。住み慣れたアパートでも、暮らせないことはないだろうが…

    【前回の記事を読む】緊急入院から3週間後転院するため福祉タクシーに。車椅子に全身固定されワイヤーで車の中へ引き上げられる妻数日後、岐阜駅前の旅行会社の店頭に並んでいたパンフレットスタンドに目が留まり…
  20. エッセイ
    『記憶の旅に栞紐を挿み[人気連載ピックアップ]』
    【新連載】
    村瀬 俊幸
    20位 20

    伊那谷に移住して5年目の冬。病気で下半身に障害が残った妻とともに生きる

    『墓を作るなら本を残せ』その言葉がずっと心に引っかかっていました。出版社のオンライン説明会でその言葉を聞いた時から、これまで想像もしていなかった世界が少しずつ開かれていくような感覚がありました。そこ…