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  1. 小説
    『高校生SM 』
    【新連載】
    大西 猛
    1位 1

    あの人は私を磔にして喜んでいた。私もそれをされて喜んでいた。初めて体を滅茶苦茶にされたときのように、体の奥底がさっきよりも熱くなった。

    さっきよりも空が暗くなったと思ったら雨が降ってきた。頬に、額に、冷たい雨の粒が落ちた。零下に近い空気で冷やされたその粒は今にも雪に変わりそうだった。私は自然と急ぎ足になった。その建物の前を通ったとき…
  2. エッセイ
    『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』
    【第7回】
    珠生 満ちる
    2位 2

    お願いです、ごはんをください「よく吠える子ね、お隣の子は全然吠えないのに」いまわたしがほしいのは、ごはんとお水です!

  3. 健康・暮らし・子育て
    『北の国のトイレ日記』
    【第4回】
    岡安 俊明
    3位 3

    トイレ中、隣の風呂場から“バタン”の音。一瞬の静寂のあと、1歳の息子が激しくせき込む泣き声と、妻のあわて声が…

    吹雪模様で母を迎えに行った帰り、クルマの中でけいたが父にほおずりをしてチュー。晩にはビールびんを両手で持ってコップに注いでくれた。さらに父のほほを両手ではさんで、細いやさしい声で「ぱっぱー」。そんな…
  4. エッセイ
    『運命に寄り添う、そして生きる[人気連載ピックアップ]』
    【第14回】
    輪月 舟
    4位 4

    「愛し合っているならセックスできるよね」と経験者の彼。デートのたびに勝負パンツを履いてみたが…

    いじめのターゲットが私以外の誰かに変わっていた。子どもは飽きっぽい。標的はどの子になったかすぐにわかった。彼女は他校不良女子から目を付けられる不良の代表。不思議なことに彼女とはなんだかウマがあい、余…
  5. エッセイ
    『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』
    【第2回】
    市川 友子
    5位 5

    急激に進行する病状。1時間前まで自力でベッドに移れていたのに、両腕はゴムのように手応えがなくなってしまった。

    整形外科では腱反射のテストをする、俗に言う脚気の検査だ。膝をトンカチのようなもので叩くと、意識していなくても足がピンッとはね上がる、はずだった。ところが私の足はピクッとも動かないではないか、これはシ…
  6. エッセイ
    『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』
    【第5回】
    珠生 満ちる
    6位 6

    「お隣の犬より小さくてかわいいわ!」おばあさん、ごはんとお水をください!わたしは今日なにも食べていません!

  7. エッセイ
    『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』
    【第6回】
    珠生 満ちる
    7位 7

    「こんなにくさい子さわれないわよ!」「きたないペットショップにいたからなあ…」きげんの悪い声が怖くて、おもらししてしまった。

  8. エッセイ
    『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』
    【第4回】
    珠生 満ちる
    8位 8

    わたしを買ってくれたおじいさん。でも、あまりわたしに興味がなさそう。暗くてむし暑い場所で、おなかがすいて、お水がのみたい。

  9. エッセイ
    『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』
    【第3回】
    珠生 満ちる
    9位 9

    わたしは小さな箱に入れられ、出荷された。死なない程度にエサも制限したから大きくはならないだろう。その方が、高値で売れる。

  10. エッセイ
    『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』
    【第8回】
    珠生 満ちる
    10位 10

    「あんまり食べさせると大きくなるらしいから、あげなくていいだろう」朝になってやっと、ほんの少しご飯をもらえた。

  11. エッセイ
    『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』
    【第9回】
    珠生 満ちる
    11位 11

    「こんなに吠えるなんて聞いてないよ」おじいさん、寒いです。ちゃんと乾かしてください。ごはんをください!遊んでください!

  12. エッセイ
    『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』
    【第2回】
    珠生 満ちる
    12位 12

    「1匹死んでないか?…もういい乳が出てないんだな」にんげんは、残された私をつかまえようと手を伸ばす。

  13. エッセイ
    『運命に寄り添う、そして生きる[人気連載ピックアップ]』
    【第16回】
    輪月 舟
    13位 13

    再会した彼は、交通事故に遭い、首から下が全く麻痺の状態に…。30年ぶりなのに、昨日会ったみたいに「よう、元気か?」と…

    けれど彼は私に構う余裕はなかった。彼は家業を継がず家を出て、アルバイトをしながらの大学生活。大学の授業、学習塾のバイト、党員活動、そして新しい夢を追うための準備もしていた。私が復学し、Kさんはホッと…
  14. エッセイ
    『運命に寄り添う、そして生きる[人気連載ピックアップ]』
    【第15回】
    輪月 舟
    14位 14

    遊びで妊娠。全身の血が引くのを感じた。しかも発覚時、彼とはとっくに別れていて連絡の取りようもなかった。

    歌が好きだったので、「うたごえ」の歌を先頭で歌った。「寝たきり老人をなくす」から「平等な社会を」「変革を」とエスカレートした。そうしてまた恋に落ちた。共産党事務所で出会ったKさん、まばゆい光を放って…
  15. エッセイ
    『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』
    【第10回】
    珠生 満ちる
    15位 15

    「あっこいつ、噛みついたな!…こら、こいつ!はなせ!」遊びに誘うと、おじいさんはわたしのおなかを蹴った。

  16. エッセイ
    『運命に寄り添う、そして生きる[人気連載ピックアップ]』
    【第17回】
    輪月 舟
    16位 16

    遠距離恋愛中の彼が浮気していた。私が彼に会うため夜勤している間に…バカみたい。もう男はなし、そう思った矢先…

    そんな質問に答えられるわけないのに夫に聞いた。「君だ」と言われるとでも思ったのか。でも、夫の答えは「どちらも選べない」という全くまっとうな答えだった。嫁に来た立場で、この経済状況で、大学を続けるなど…
  17. エッセイ
    『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ]』
    【新連載】
    珠生 満ちる
    17位 17

    「この犬が出産するのは何回目だっけ?…2匹か、少ないな」薄暗くせまい場所で、わたしたちは生まれた。でも、おにいちゃんはだんだん弱って…

  18. エッセイ
    『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし』
    【最終回】
    珠生 満ちる
    18位 18

    にんげんがこわくてたくさん吠えて嚙みついたら獣医に連れていかれ目と歯と声が…

  19. エッセイ
    『運命に寄り添う、そして生きる[人気連載ピックアップ]』
    【第18回】
    輪月 舟
    19位 19

    42歳の高齢妊娠。出生前診断を当然のように促されたが断った。「どんな子でも産みます。中絶は絶対にしません」

    大学という職場は、実際には権力争いが絶えない。特に、短大の大学化が急がれるギスギスした雰囲気の中、教育の質や教師の人間性よりも業績や権力者とのつながりが優先されていった。その中で、私も、新しくやって…
  20. 健康・暮らし・子育て
    『北の国のトイレ日記』
    【第3回】
    岡安 俊明
    20位 20

    一歳の息子は食べて、寝て、嬉しそう。一日たりとも同じ日はやってこない。

    夜はお月見と、けいたが回復してささやかな祝宴。けいた「かんたーい!」と、3人してコップを合わせる。缶ビールの空き缶を逆さにして、菜箸をつっこんでコマのように回して遊んでいる。夫婦で迎えた3回目、3人…