初婚でのつまずき
予定日までに入退院を繰り返し、何とか出産できたが、出産直後に産褥弛緩(両手両腕が震えだして自分の意思では止めることができずに震えがどんどん大きくなっていき、このまま死ぬのではないかと怖くなった)がきて、分娩台で黒い布を顔に被され(照明や光がいっさい駄目らしい)分娩室の電気も消されて5時間ほどそのままの状態だった。
のちに、この時母子ともに命が助かったことは奇跡的だったと産科の医師から言われた。同室の患者さんたちも、産まれたのに病室に戻らないから何かあった!と悪い方向に考えてしまったと言っていた。
このことが腎不全(腎臓の機能が低下する状態のこと)のきっかけとなった。
産後3か月ほど後に腎生検(腎臓の組織を背中から針を刺して採取する検査)を受けて、腎臓の機能(子宮体)が半分以上壊れていて、それはもう治らないと担当医から言われた。
腎生検とは、数ある検査の中でもリスクの高い大きな検査だった。背中から針を刺して腎臓の組織を採るので、当時は検査後は絶対安静で寝返りもダメと言われた。今はどうなのだろうか? 医療の変化は大きく進歩しているだろうか。
この後人工透析に至るまでの28年以上、内科の受診を受けながら薬の服用と塩分制限が続いた。お陰様でこの時生まれた長男は元気に育ち現在46歳になったことが救いだ。
「産褥弛緩があって、産後1か月は入院して安静にしてもらいたいがベッドに余裕がないので退院してからも十分に安静を保つように!」と医師から夫が言われて、6日間で退院になってしまった。