【前回の記事を読む】再婚してからずっと夫には借金があった。ボーナスも貯金も使い果たされ、ついに、私が父の遺産で買った家も競売にかけられそうに…

新しい生活と子供たち

自宅から3軒先に学習塾があったので、次男が入塾して週に2回通うようになった。塾から帰る頃には、ちょうど仕事から帰る頃だった。

ある日、帰宅するとまだ帰っていなかった。塾へ電話をすると、「20分ほど前に帰った」とのこと。3軒隣の塾からそんなに時間がかかるはずはないと、慌てて外へ探しに出た。

もう暗いのに、いつも遊ぶ公園に行ってみた。もちろん誰もいない。が、底知れぬ不安で胸がいっぱいになった。

「お母さーん、たすけて~」か細い声が聞こえた気がして、夢中で探し回った。名前を呼びながら公園の隅々までトイレも一つひとつドアを開けて確かめた。

慌てていたのでノックもせずに勢いよく開けていった。最後のドアを開けた時に男の人の声が「ぎゃ~!!」っと。こっちもつられて「きゃー! す、すみませ~ん」と開けたドアをものすごい勢いで「バタン!」と閉めた。

不安なまま家に帰った。まだ携帯を持っていなかったわたしは家の電話から長男の携帯に「どうしよう?」と相談するつもりでかけてみた。

「えっ? それなら今一緒にいるよ!」との返事が……。

「えっ?! どうして?」わなわなと身体の力が抜けた。と同時に「良かった~」と、不安が消えて安堵した。

長男が交際していた彼女と会う前に、一度家に帰った時にちょうど塾から帰った次男を誘い、一緒にご飯を食べに行ったとのこと。

「それなら早く家に電話してよー」と。「ごめん。ごめん」と笑いながら言われたが、今のようにスマホが普及していれば簡単に連絡が取れて、このようなこともなかったかもしれない。

≪この時の女性(ひと)が中2の孫のママである≫

専門学校に通う長女は週に何回か駅前のとんかつ屋さんでバイトを始めた。子供たちと何回か食べに行ったが、美味しいとんかつだった。

末の子が小学校高学年になると、親の身体の負担はグーンと楽になる。これからは受験の心配などがあるが、ひとまずホッとできる年齢になった。が、就職するまでもうひと踏ん張りしないとな。ふぅ!