【腎臓病の悪化】

月1回の腎臓の定期検診もずっと続いていた。血圧の薬を飲んでいても高い状態が続き、うまくコントロールができていなかった。

次男の高校入試が終わり中学校の卒業式の朝、起きて鏡に映った自分の顔が、誰⁉ と思うほど垂れ下がって変形していた。昨夜は何事もなかったのに、一晩でこんなになるなんて。

時間もないのでそのまま卒業式に行くと、担任の先生からも誰だか分からないと言われて、かなりショックだった。

この日から、腎臓病との戦いは一段と強まった。

腎臓は、身体に必要な栄養素と不必要な老廃物を分けて、必要な栄養素は血液中に戻し、不要な老廃物は尿として体外へ出す働きをしている臓器なので、腎不全になると血液中に老廃物も入ってしまう。血液透析は、血液中からこの老廃物と余分な水分を取り除く腎臓の代わりの働きをしている。

まず通院していた個人病院から処方された利尿剤を飲むと、垂れた顔が元に戻った。

良かった!!と思いきや、数日が経つと利尿剤も効かなくなり、また浮腫みに襲われ顔も垂れてきた。

出産の時に入退院をしていた総合病院で診察をしてもらい、また腎生検を受けることになった。

運悪くこの検査で失敗をされて検査用の針が腎臓内の太い血管を突き破り水腎症になり、腎臓から出た血液が膀胱に行き、固まりになった血液で膀胱が塞がって尿が出なくなって、下腹がカエルのお腹のように膨れ上がった、まさしく漫画に出てくるカエルの膨れ上がったお腹だった。

血液は体内で血管から出るとスライムのように固まりになるらしい。その固まりが膀胱を塞いでしまって尿が出なくなったのだ。それは言葉で表せないほどの苦しさで、さすがにこの時は死ぬかと思った。

このことで弱っていた腎臓にさらなるダメージが強く加わってしまった。いわゆる検査ミスがあった。検査ミスがなくても透析にはなっていたと思うが、時期は早まったかもしれない。

こればかりは何とも言えないことだが人間のすることに絶対はなく、医療だけではなくどんな仕事も、「人はミスをするものだ!」から入るとミスを事前に防げるようになる。と金融機関の障がい者雇用の非常勤で働いたときに教わった。

この検査のミスがきっかけで、念のためにする多種の医療検査は極力避けるようになってしまった。 

何ともなかったものが検査をしてミスされたことによって病気になってしまうこともあるかもしれないという恐怖だった。

確率は非常に低いかもしれないが、例え1万人にひとりだったとしても、そのひとりになってしまう可能性はある訳で、これは大きな医療ミスをされたものでなければ分からないかもしれない。

 

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