それでも現実と向き合う、大人たちへおすすめの恋愛小説

若く真っすぐな恋と違い、人生経験を重ねた大人同士の恋愛は不信にまみれ、複雑で繊細。得たものや失ったものもたくさんあるからこそ生まれる、特別な難しさがあります。一方で、入り組んだ感情のやりとりの先にある喜びや愛の尊さは、豊かで滋味深いもの。

本記事では、編集部が厳選した切ない現実に揺さぶられる大人の恋愛小説15選をご紹介します。どれも無料で試し読みができるので、自分に合った1冊ときっと出会えるはず。恋愛はもう諦めた方にも、今まさに揺れている方にも、「愛」と向き合うすべての大人におすすめしたい作品ばかりです。

PART1: 錯覚と執着に溺れる大人の恋愛小説——その恋は本物だったか?【無料試し読みあり】

人は大人になると、感情を整理し、恋愛にも節度や理性を求めるようになります。相手にのめり込みすぎず、自分を見失わずにいられること。クールに現実を捉える視点は、成熟した関係に必要です。しかし、ときにその境界が揺らぐ瞬間があります。「これは恋だ」と信じていた想いが、実は執着だったのかもしれない——。生まれてしまった想いは、やがて引き返せないところまで膨らみ、自分でも気づかぬうちに苦しみに変わっていく。その心の揺らぎを描いた3冊をご紹介します。

大人の恋愛小説おすすめ①——24歳セラピスト×57歳主婦の止まらない恋と執着の沼

紹介書籍の書影『東京フェイクLove♡』川田 レイ・著
 

Amazon 『東京フェイクLove♡』川田 レイ・著

■首都圏郊外で暮らす平凡な50代主婦・真由子。そんな彼女が出会ったのは、女性専用マッサージ店で施術を行う24歳のセラピスト・流星だった。 施術の延長だったはずのやりとりは次第にエスカレートし、ホテルへの出張マッサージをリクエスト。やがて2人は男女の関係に発展していく。

しかし、流星の応援スレッドに真由子が個人的な書き込みを繰り返したことで、関係は突然終わりを迎える。
営業妨害と判断した流星にNG客として切り捨てられ、個人的な感情のやりとりが行われていたLINEもブロック。彼との接点は完全に断たれてしまう。
それでも流星を諦めきれない真由子は、偽名での再予約という禁じられた手段に手を出してしまい...。

——『個人でお金を支払うので、それでデートとか、お客とセラピストとして会うのは出来ませんか?』(第21回より)

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「なぜ私をNG客にしたの?」執着の沼にはまった、大人の恋愛の行方は...
 

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57歳、専業主婦。レス生活に耐えられず、イケメンマッサージ店に癒しを求め…

大人の恋愛小説おすすめ②——国際ロマンス詐欺に心を捧げた、72歳独居女性の切ない愛

 

Amazon 『愛の対価―the dance of blind love―』テルヨ・フロンベルク・著 

72歳、孤独な独居女性・テルヨのもとに届いたのは、Facebook上の1件の友達リクエスト。差出人は、シリアに駐在する米軍の軍医・ウイルソン。明るい栗色の髪と碧色の瞳を持つ彼は、やさしい言葉と切実な訴えでテルヨの心に入り込んでいった。
「シリアで死にたくない」「任務が終わるまでに僕は殺されるかもしれない」
 次々に届く、ウイルソンからのメッセージ。そしてついには明確なリクエスト——「荷物を日本に送りたい、君の家に」。

 戸惑いながらも住所を伝えると、82万円の運送料の請求書が届く。
 シリアでは銀行が使えないから立て替えてほしいという彼の懇願に、テルヨは応じてしまう。
通過許可費、治療費、ホテル代……その後も次々と送金を求められる日々。 銀行の担当者が詐欺を疑い警告しても、テルヨの気持ちは揺るがない。
騙されていると、どこかで分かっていながら...。

——「この不思議な物語は狐がお膳立てして、わたしを踊らせているの……? 踊ってやるよ〜」(第13回より)

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「神が僕と引き合わせた」大人の恋愛は、耳障りのいい言葉に支配され...
 

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「騙されていてもいい。」私は愛を買った。金銭の振り込みという形で。

大人の恋愛小説おすすめ③——女子高生がのめり込んだ、歪んだ大人の恋と支配の記憶

紹介書籍の書影『高校生SM』大西 猛・著
 

Amazon 『高校生SM』大西 猛・著 

■進学校に通う女子高生の私が恋をしたのは、さえない中年の教師だった。 猫背で低身長、生徒と視線を合わせることを恐れているかのような目は、いつも焦点が定まらない。前の席の女子が「キモい」とささやくようなその存在に、私はなぜか目を奪われた。

誰にも知られず、気づかれず、じわじわと関係は近づいていく。「触れられたかった」「壊されたかった」——まだ誰にも心も身体も許したことのなかった私は、彼にすべてを捧げていく。
まだ子どもであるはずの少女が踏み込んだ、あまりに湿った、重たく、ひとりよがりな大人の恋。

——あの人の体に触れたら、心にまで触れられる気がした。緊張感のない、弛緩しきった肉体は、無警戒な心そのものだった。(第11回より)

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 歪んでゆく、大人の恋愛「あの人の体に、髪に、唇に触れたいと思った。」

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先生と大人の恋をして、たくさんいじめてもらった。

PART2: 一夜から動き出す恋愛小説——大人の恋に順番はあるのか?【無料試し読みあり】

「順番を守るのが大人の恋愛」——そんなふうに、自分の気持ちより理性や常識を優先してはいないでしょうか。誰かを想う気持ちに、決まった順序や段取りなんて本当はないのかもしれません。一線を越えるのが先か、心が追いつくのが先か——揺れる想いが交錯するその一夜には、大人だからこそ感じる切なさと覚悟があります。そんな順番では測れない恋のかたちを描いた3冊をご紹介します。 

大人の恋愛小説おすすめ④——「先に抱いてほしいの」一夜に全てを託した、大人同士の静かな別れ

紹介書籍の書影『いつか海の見える街へ』須賀 渚・著
 

Amazon いつか海の見える街へ須賀 渚・著

■小さな居酒屋「およし」を切り盛りする女将・よし子と、常連客で単身赴任中のサラリーマン・孝介。互いに惹かれ合いながらも一線を越えられずにいた二人に、突然の別れが訪れる。
店を畳み、東京を離れることになった夜、彼女が孝介に告げた言葉は「先に抱いてほしいの、話はそれから」だった。

一方、孝介の妻・美智子も園芸講習で出会った男性に心を開き始めている。病気、別れ、そして夫婦のすれ違い——限られた時間の中で交わされる言葉の重み、誰かを愛することの切なさを描いた大人の恋愛小説。ただの不倫では終わらない、人生の岐路に立つ男女の心の軌跡が、静かな余韻とともに胸に深く刺さる珠玉の作品。
 

——「大丈夫なのか、こんなに激しくやって」「ほらね、先に話したら、抱いてくれなかったでしょ」(第12回より)

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 「ねえ、もう一回して」彼女の中に入れるのか、子宮癌だと分かった体の中に

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互いに想いはありながら、大人の関係を避けてきた2人の恋の行方は...

大人の恋愛小説おすすめ⑤——プラトニック不倫に耐えられず...夜に誘うと、まさかのEDで...

紹介書籍の書影『人妻キデ』山本 キデ・著
 

Amazon 人妻キデ山本 キデ・著

■48歳の人妻が赤裸々に語る、大人の複雑な恋愛関係。前夫は結婚式翌夜から完全な「子作りED」に陥り、現夫は17歳年上の職場上司。不倫を経て結ばれたものの、真正包茎による勃起不全だった。長いプラトニックな期間を経て、「やがて我慢しきれなくなったあたしから、ホテルに誘った」決断の夜...その時彼の顔に一瞬、怯えのような表情が走ったことに気づき...。

「この世で子供を欲しがらぬ女はいない」と婦人科医に断言され、義理の小姑からは親類勢ぞろいの場で「どーして、子供ができないの?あなたに何か欠陥があるの?」と公開処刑される屈辱を味わう。夫2人揃ってのEDという「高額宝くじの当選よりももっと確率が低い」運命に翻弄されながら、ついに彼女が選択する道とは…。
 

——この世にプラトニック不倫だなんて、そんな矛盾あり得る?(第2回より)

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 プラトニック不倫に我慢ならず、私からホテルに誘うと

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2人の夫がED…大人の恋を求めて出会い系サイトへ

大人の恋愛小説おすすめ⑥——終活中に最後の恋を…限られた時間の中で動き出す大人の恋

紹介書籍の書影『終恋 —SHUREN—』高生 椰子・著
 

Amazon 終恋 —SHUREN—』高生 椰子・著 

■娘を亡くし、独り身で「終活」を進めていた志津恵のもとに届いた一通のメッセージ。送り主は45年前の初恋の相手・徹也だった。まっすぐに愛してくれた高校時代の恋人との記憶が蘇る。雪降るクリスマスイブの初めてのキス、茶道部の部室で内側から鍵をかけた初体験、交換日記で紡いだ甘い日々―。

再会したふたりは、失われた時を取り戻すように頻繁にメールを交わし始める。しかし徹也には妻子があった。それでも抑えきれない想い。「いやらしい意味ではなくて、懐かしい温かさを感じたいんだ。」「下腹と、垂れた貧乳。こんな体とてもお見せ出来るものではありません。」そんな60代ならではの本音と駆け引きを経て、ついに志津恵は徹也を誘う。
 

——彼はプロセスを重んじてくれたのか、それとも彼も心配していたのか、ただ二人とも次回逢う時はきっと抱き合うことを確信していた。(第12回より)

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 「あなたが言う終活って何?」「こうしたい」と短いキスをされた

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初恋から45年、61歳の終活中に芽生えた大人の恋愛の行方

PART3:禁じられた大人の恋を描いた小説—— 立場や年齢を超えて惹かれ合う【無料試し読みあり】

「抗いがたく、惹かれてしまう」——立場も年齢も常識も、本来なら越えてはいけないはずの境界線。それを越えたときに芽生える感情は、単なる背徳ではなく、抑えきれない生きている実感なのかもしれません。社会の目、家族の存在、年齢差、過去の痛み——さまざまな制約を抱えながらも、恋に落ちてしまった大人たち。彼らの恋は正しさでは測れないけれど、確かに切実で、どこまでも人間的です。禁じられた恋のなかに光る、大人の愛のリアルを描いた3冊をご紹介します。

大人の恋愛小説おすすめ⑦——「大人」を前提に付き合うという理解でいいですか?年齢差と立場を超えた禁断の関係

紹介書籍の書影『愛しき女性たちへ』白金 かおる・著
 

Amazon 愛しき女性たちへ白金 かおる・著 

■夫のモラハラ、愛人の束縛、孤独な日常、様々な過去をもつ登場人物の「愛のかたち」を描いた大人の恋愛ロマン。

出会い系サイト「ハニーパパ」で知り合った34歳の理佳子。高級ブランドショップで働く美しい彼女は、60代男性との付き合いを希望していた。初デートで銀座の天ぷら屋を訪れた秀司は、20代の若い頃から年配の男に囲われ、愛人として育てられてきたという理佳子の過去に驚く。「大人を前提にお付き合いするという理解でいいですか?」都度3万円の条件で始まった関係だったが、横浜のホテルで初めて身体を合わせた理佳子の反応は、まるで白けた雰囲気だった...。数日後、理佳子は再びパパ活サイトで別の男性を募集。「私が常に素敵な男性との出会いを求めていることをお察し頂けて何よりです」とメッセージが届く。
過去にはパパに束縛され、毎日の行動報告を強いられていた理佳子。自由を手に入れた今、複数の男性と割り切った関係を楽しんでいるという。
 

——男性が糖尿病を患い、少しずつセックスが出来なくなってくると、理佳子を束縛し始めたのだ。男は自分のセックスに自信が無くなると嫉妬深くなり、女性の異性関係に妄想を抱くようになるのだろうか。(第24回より)

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 親子ほどの年齢差パパ活。セックスNGになった途端、束縛が始まり..

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 妻との日常は幸せだった。ただ、何かが足りない。

大人の恋愛小説おすすめ⑧——「もう恋なんてしない」アラフィフに訪れた、年下からのまっすぐな愛

紹介書籍の書影『あら、50歳独身いいかも!』武 きき・著
 

Amazon あら、50歳独身いいかも!武 きき・著  

■アラフィフという年齢は、人生の多くを手に入れたように見えて、静かな時間にふと孤独感が押し寄せる。職場も生活も整っているはずなのに、心の深い部分で何かが満たされない。「今さら恋愛など」と、自ら可能性を断ち切ってしまう──主人公・美樹もそんな女性の一人だった。
49歳、独身のキャリア女性。仕事では信頼される存在でありながら、日々の疲れは行きつけのバーでひっそりと癒していた。愛とは無縁の日常を受け入れかけていたある夜、バーの常連客・涼真が彼女の心に真っ直ぐ飛び込んでくる。

10歳年下の彼が見せる真摯な眼差し。戸惑い、不安を覚えながらも、美樹の内側で止まっていた恋心が、ゆっくりと息づき始める。
年齢も立場も超えて響き合う想いが、諦めかけていた人生に、再び希望の光を差し込む——そんな静かな軌跡を描いた、大人の恋愛物語。

——キスで唇をふさがれる。うわぁ~、とろけそう。こんなキス、怖い、怖い。終電間に合わず……泊まる事になった。(第3回より)

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 帰ろうとすると「ダメだ。もう僕の物だ」――キスで唇をふさがれ終電も間に合わずそのまま…

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大人の恋愛は10歳差を越えられるか?年下の彼に突然交際を申し込まれ...

大人の恋愛小説おすすめ⑨——絶望の果てに手を出してしまったのは、妻の姉だった

紹介書籍の書影『振り子の指す方へ』山口ゆり子・著
 

Amazon 振り子の指す方へ山口 ゆり子・著 

■流産という残酷な現実が、理想的な夫婦の絆を音もなく蝕んでいく。心を病んだ妻・郁子を支えようとする夫・春彦だったが、献身の果てに彼がすがったのは郁子の実の姉・亜希子だった。

「このままでは、きっと取り返しのつかないことになる」——頭ではわかっていても、二年間の重い沈黙に疲れ果てた春彦の身体は勝手に動いていた。亜希子もまた、肢体を艶めかしく絡ませその激しい衝動を喜々として受け止める。ソファーの軋む音が、時に郁子の心の叫びのようにも思えた。そこに重くのしかかる自らの罪深さを感じつつも、むしろその悲劇的な響きに同調させるように激しく交わった。

そのとき、春彦の肩越しに亜希子の目に飛び込んできたのは、二階への階段に続く扉の影から、その様子を無表情に眺める郁子の姿だった——。人間の弱さと欲望の果てに待つ、取り返しのつかない選択を描いた、心をえぐるような純愛劇。
 

——もうそこが何処であるのか、自分たちが何者であるのか、そんなことなどどうでもいいほどの行為は二人の本来の姿をさらけ出し、ただの獣として登りつめた先の絶頂をリビングに響き渡らせていた。(第17回より)

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 妻の姉をソファーまで抱きかかえ、そっと服をはぎとった

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 抗いがたい潤んだ瞳で魅了され...妻は社宅のアイドルだった。

PART4: 大人の恋愛観を揺さぶる小説たち——「結婚=愛」じゃない? 【無料試し読みあり】

人生の節目として語られがちな「結婚」は、愛のゴールなのでしょうか。大人になれば、恋愛は自然と結婚に結びつく——そう思っていたはずなのに、いざその場に立つと迷いや違和感が生まれることもあります。愛のかたちと結婚の意味。そのズレに悩むのは、現実を知る大人たちです。今回は、そんな「結婚」をめぐる揺らぎを描いた3冊をご紹介します。

大人の恋愛小説おすすめ⑩——外面の良い夫が苦しい…結婚後に揺れる心と大人の愛

 

Amazon カサンドラ症候群からの脱却Happy Navigator 那美・著  

■妊娠中の浮気を問いただすと、「父親になる自信がないのに、お前が子どもを欲しがったから」——夫にずっと感じていた、説明のつかない違和感は家族になってもずっと重なっていった。
子どもへの無関心、自分の都合ばかり優先する態度。それでも外面だけは良く、近所では「優しい旦那さん」で通っていた。

夫との生活は、自分の我慢が足りない、もっとこの人を理解しなければと、自分を責め続ける日々だった。そして同時に、この気持ちをわかってくれる人などどこにもいない——そんな孤独感にも襲われていた。

ある日、ネットで目にした「アスペルガー症候群」「カサンドラ症候群」という言葉が、これまでの違和感のすべてを解消することに。
誰にも理解されなかった心の痛みに名前がついたとき、ようやく自分の人生を取り戻す準備を始めた。
 

——私たちの結婚生活って何だったのだろうと思わず笑えました。ウソみたいな幕切れでした。(第16回より)

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大人の恋愛、その後の結婚。夫が異星人だと気づいてしまったら?
 

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妊娠4ヵ月目で同僚と肉体関係に。夫の裏切りを問いただすと...

大人の恋愛小説おすすめ⑪—— “この人ならば”と決めたのに...モラハラ浮気夫との結婚

紹介書籍の書影『夫 失格』時亘 一肇・著
 

Amazon 夫 失格時亘 一肇・著  

■夫の母を引き取っての介護生活。会社役員としての重責を担う夫は家事・育児・介護に無関心で、妻の献身に感謝すらしない。浮気の兆候、逆ギレ、「俺は犬か!俺はゴミか!」と意味不明に怒鳴り散らされ、舌打ちの回数を数えながら車で送迎する日々――。それでも「家政婦」としての務めに徹してきた妻は、ある日、心の限界を超える。

家族という幻想のなかで傷つきながらも、母として、妻として、ひとりの「女性」として自分を見つめ直していく過程を描いた、切実なリアルと共感に満ちた物語。
 「結婚=愛」という前提が崩れるとき、女は何を選ぶのか。

——彼の母親を介護し続けてこられたのは、自分は孝雄の妻ではなく、家政婦なのだと思うようにしたからだ。(第4回より)

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 大人の恋愛、その後の結婚。私は家政婦なのだと思い込むように

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 「おふくろをいじめるのはやめてくれ!」不倫三昧モラハラ夫と決別の30ヵ月

大人の恋愛小説おすすめ⑫——信じていた妻に裏切られ…愛≠結婚に気づいた

紹介書籍の書影『不倫された側』及川 夢・著
 

Amazon 不倫された側及川 夢・著  

■美しい妻・享子、4人の子供に囲まれ、銀婚式を迎えた男・小川俊勝は、誰もが羨む幸せな夫だった——ある“違和感”に気づくまでは。妻の浮気を疑い、GPSで追跡、アパートへの奇襲、警察の事情聴取、家裁での面会拒否と、平凡だった日常が次々と崩壊していく。愛した人を信じたい、でも真実を知ってしまった。そのとき男はどう生きるのか。

結婚と愛は同義なのか?
大人だからこそ直面する、愛と現実のすれ違い。読後、あなたの“恋愛”の定義が揺らぐかもしれない。

——そりゃそうだ、老いらくの恋とまでは言わないが47歳、今まで苦労してきた子育てにも目途が付き、そこに現れた人生最後の恋。(第13回より)

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 子育てを終えた妻は、人生最後の大人の恋愛をするため..

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 「ママ最近、モテ期が来たかも」...美人妻の正体を知った日

PART5: 心に深く刺さる大人の恋愛小説——“愛”とは何かを静かに問う【無料試し読みあり】

「愛とは何か」——私たちは大人になっても、この問いに明確な答えを見つけられずにいます。若い頃の恋愛とは違う複雑さや深さを知った今だからこそ、愛の本質を見極めることの難しさを痛感するのかもしれません。そんな大人の恋愛が抱える永遠のテーマに真摯に向き合い、自分だけの答えを探る手がかりを与えてくれる3冊をご紹介します。

大人の恋愛小説おすすめ⑬——選んだ愛に迷いが生まれたとき、29歳の心は揺れる

紹介書籍の書影『29歳、右折の週』言田 みさこ・著
 

Amazon 『29歳、右折の週』言田 みさこ・著 

■「あんたはあいつを愛しているの?」——高校を卒業して11年。女子高時代の友人・理緒子の冷ややかな問いかけに、あさみは言葉を詰まらせる。プレイボーイの越前を諦め、誠実な山川との結婚を決めたあさみ。
だが、理緒子が山川に“いたずら”を仕掛けたことで、胸に留めていたた迷いが顔を出す。「悲しく悔しかったのは、理緒子の辛辣ないたずらに対してではなく、山川の人の好さと鈍感さに対してだった。」

——母の助言、信じるべき優しさ、約束された穏やかな未来。山川への愛が“激しい恋”ではなく、“穏やかで育つもの”であることを説く理緒子。それでも心は揺れる。
憧れと軽蔑が入り混じる、無二の友人との再会から、29歳の幸福な人生は波乱に巻き込まれていく。

——うわべだけのように見えるかもしれない、あんたにはまだ。でも、おなかの底から善良で純粋なの。彼に夢中で恋してる、というわけではないけれど、でもあたしは彼のことが大好きなの。(第10回より)

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 大人の恋愛は妥協なのか?「あいつを愛しているの?」と冷たく問われ...

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「あたしが見て判断してあげる」婚約者を妥協で選んだと言われ...

大人の恋愛小説おすすめ⑭——抱かれずに愛された記憶が、ずっと私を生かした

 

Amazon 高見 純代・著 

■神戸・元町にある喫茶店「ココ」。店内にはベートーヴェンの『運命』が流れていた。それは、人生を変えるほどの激しい愛のはじまりだった。「君を大事にしたいんだ」。そう言って、どうしても抱こうとはしなかった神矢。代わりに自分の裸体を絵に描くよう頼んだ登世子。画家とモデルとして苦しいまでに濃密でプラトニックな時間を貫く二人。

突然去った神矢のことが忘れられず、年を重ねた登世子の元に一通の手紙が届く――それは彼が横浜のホスピスで亡くなったという知らせだった。
 

——私達は、共に両親の愛を享受できなかった。しかし、だからこそ、かりそめの愛には関心がなく、本物の真実の愛を求めている。(第21回より)

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 大人の恋愛だった。何か彼への愛を証明できる行動をしたかった

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私を抱かずに愛した男——運命を変えた静かな恋のはじまり

大人の恋愛小説おすすめ⑮——愛した夫に触れられることを汚らわしく感じるように...

紹介書籍の書影『不倫の何がいけないの?』安本丹・著
 

Amazon 『不倫の何がいけないの?』安本 丹・著

■自分が不倫をしているんだという自覚はほとんどなかった。
恋人時代と変わらぬ愛情を注ぎ続ける夫を得たはずの彼女の胸に、一人の客との邂逅が激震をもたらす。——だがその甘美な恋が、夫の体温すら“気色悪い”と感じるほどに彼女を変えていく。

肌と肌の触れ合いから始まる想い、言葉では説明しきれない衝動、そして満たされていく心。家庭内で味わう疎外感と、秘められた恋に見出す慰めとの間で、彼女の感情は次第に混乱を深めていく。分別では押さえきれない背徳の恋心をリアルに描いた、切なく危うい大人の恋愛小説。

——私自身も自分がまさか不倫をしているんだという自覚はほとんどなかった。(第25回より)

👉編集部おすすめシーンを読む
その恋が不倫だとは思わなかった。あまりに幸せな、大人の恋愛だった。
 

👉小説を最初から読む
出会ってしまえば、それは運命だ。人妻が激しく求めた、真実の大人の愛

まとめ:揺れる心に寄り添う、大人の恋愛小説と出会うために

大人の恋愛は、時に理屈では説明できない想いに満ちています。
結婚や家庭、過去の傷や立場の違い——さまざまな事情が絡み合うからこそ、気持ちを貫くことは簡単ではありません。けれど、だからこそ、ふとした瞬間に芽生えるときめきや再生の光は、若い頃の恋とは違った深さと尊さを持っています。

大人の恋愛は、時に理屈では説明できない想いに満ちています。
結婚や家庭、過去の傷や立場の違い——さまざまな事情が絡み合うからこそ、気持ちを貫くことは簡単ではありません。けれど、だからこそ、ふとした瞬間に芽生えるときめきや再生の光は、若い頃の恋とは違った深さと尊さを持っています。

今回ご紹介した15冊は、そんな揺れる心にそっと寄り添ってくれる物語ばかりです。
どれも無料で試し読みができますので、「気になる」と感じた作品があれば、ぜひ気軽にゴールドライフオンラインを訪れてみてください。ゴールドライフオンライン(「GLO」)は、あらゆるジャンルの書籍から内容を一部抜粋、記事にして配信しているメディアです。
パソコン、スマートフォン、タブレットからアクセス可能で、掲載されている記事はすべて無料でお読みいただけます。

作品を通じて、誰かを想うことの切なさ、美しさ、そして力強さに、きっと出会えるはずです。

書籍情報【大人の恋愛小説15選】

①『東京フェイクLove♡
著者:川田 レイ

②『愛の対価―the dance of blind love―
著者:テルヨ・フロンベルク

③『高校生SM
著者:大西 猛

④『いつか海の見える街へ
著者:須賀 渚

⑤『人妻キデ
著者:山本 キデ

⑥『終恋
著者:高生 椰子

⑦『愛しき女性たちへ
著者:白金 かおる

⑧『あら、50歳独身いいかも!
著者:武 きき

⑨『振り子の指す方へ
著者:山口 ゆり子

⑩『カサンドラ症候群からの脱却
著者:Happy Navigator 那美

⑪『夫 失格
著者:時亘  一肇

⑫『不倫された側
著者:及川  夢

⑬『29歳、右折の週
著者:言田 みさこ

⑭『
著者:高見 純代

⑮『不倫の何がいけないの?
著者:安本 丹