⃝翌週の月曜日、光一と啓二は上野にある鶴亀堂本店ビルの社長室にいた。「はじめまして、葛城です。こっちがウェッブデザイナーの天野啓二です」「はじめまして。守屋(もりや)と申します」守屋龍太郎(りゅうたろう)。縦書きで大きく印字された名刺と本人をさりげなく見ながら光一は「若いな」と思った。いくつなんだろう。オレより年下か。仕立てのよさそうな三つ揃えのスーツを着ている。正統派の英国スタイルだ。うまく…
新着記事一覧
-
小説『シウカラ』【第5回】山田 光美
「父は、誰かに殺された」—!? その男は「絶対に外部には漏らさないように」と、警察に自殺と処理された父親の話を始め…
-
エッセイ『せっちゃんのアメリカ滞在日記 』【第5回】田渕 節子
映画『タワーリング・インフェルノ』の撮影現場になったビルに勤める人の奥さんになれたらな…が実現!?
-
ビジネス『THE BUILDING BLOCKS ビルディングブロック式セールスイネーブルメント 営業パフォーマンスを劇的に変える実践的戦略 』【第5回】猪瀬 竜馬
急増するセールスイネーブルメント職種に就く人々。定義不能の職業が営業には必要不可欠?
-
小説『司法崩壊! ~刑務所が足りない!起訴できない!~』【第10回】利根川 尊徳
「三名以上採用させろ!」自動車業界内で二社以上と同条件で採用者を確保する事、と法務省矯正局長名で通知があり…
-
小説『感染症を題材とした小説の世界』【第5回】松下 美高
『復活の日』/小松左京 「感染小説」としての概要とあらすじ、著者の私的感想を述べる
-
小説『聖なる川のほとりで』【第8回】飯島 恭広
インドの手荒な洗礼を受け気を落としていると、ガンジス川で祈りを捧げる少女と出会った。
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第6回】市川 友子
「殺される、やめて、死んでもいい」幻覚と現実の区別がつかず、癇癪を起こし手を拘束された。
-
小説『空に、祝ぎ歌』【第27回】中條 てい
「なんなのこれ」「車両通行許可証さ。そう書いてあるだろ」「だから、なんのって聞いてるのよ!」熱心な彼女の目的は一体…
-
エッセイ『知らぬが佛と知ってる佛』【第8回】丹澤 章八
闘病中の私を「沢山の人を助けたんだから」と励ます妻。だが私は地獄に落ちるだろう—産婦人科医だった頃、優生保護法のもと…
-
エッセイ『迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]』【第12回】野沢 りん
「彼女を愛人として認めてほしい」夫からの信じられないお願い。夫は私の父が亡くなった日にも彼女と夕食を食べに行っていた。
-
小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第3回】中條 てい
二百年もの間、誰に知られることもなくひっそり隠れていたギガロッシュの村。ある日突然、この村に八十騎もの兵がやってきて…
-
小説『忍者風魔 ~戦国時代を生きた風魔小太郎~』【第11回】鏡本 ひろき
上杉軍と武田軍、血で血を洗う死闘。狂気に満ちた戦人たちが何度槍で刺されようとも這い上がる姿は地獄絵図そのものだった。
-
小説『ミネルヴァの梟』【第11回】御田 観月
妻の本音「いつも神経がピリピリした中での生活は辛かった」―朝早くから夜遅くまで仕事中心。家庭を顧みることにも限界があった
-
小説『白川郷―聖なるものの村―』【第22回】遊座 はるか
彼は、やはり死んでいた。妻を亡くし、あとを追って死んだというのだ。彼の家に行ってみると、そこには何もなく…
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第7回】松本 竹馬
くすぶった中二病心を「クローズ」が焚きつける。大学をまとめる一軍は二つもいらない! なんかケンカしてーなー...
-
小説『司法崩壊! ~刑務所が足りない!起訴できない!~』【第9回】利根川 尊徳
かつて「期間工」と呼ばれた仕事はロボット化とEV車化により減少。社会貢献活動の一環として刑務所の模範囚採用を提案するが…
-
小説『第三のオンナ、』【第22回】椎名 雅史
いじめに遭っていた亡き姉は、孤独だった。だからあの子にも筆舌し難い寂しさを…彼女の悪評をネットに広めるか、それとも…
-
小説『海のように深く、大地のように温かい』【第7回】天馬 ときわ
家族が営む鮮魚店。週末の宴会場は満員御礼の大忙し。厨房では、4歳の娘までもが大切な労働力!
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第5回】市川 友子
手足は動かないが、ほとんどの人が生き延びている。年間10万人に1人の難病に、少しだけ光を見出す。
-
小説『空に、祝ぎ歌』【第26回】中條 てい
俺は少年が好きなのか?ちがう!そんなはずはない…若い女たちの顔を思い浮かべようとしたが、現れた顔は、やっぱり彼だった。