【前回の記事を読む】大島桜の葉を摘みながら、ふと、手を休めて青い空を見上げると目に光が飛び込んできて…意識を失い、視界は突如闇に包まれた保育園で誰かに言われているのかもしれない。麻美は、夕子を唯一安心して高飛車にものが言える人とおもっているのだろうか。しかし、言葉に麻美なりの心配が込められているようにおもえた。「そやし、もう歳やさかい……ウチに来たらええんや」「いやや、ウチはここが終の棲家とおも…
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エッセイ『最高のセカンドライフは海外転職で』【第22回】宮永 保文
インドネシアを代表する観光地「ブロモ山」。流れている雲は滝の水が落ちるように下に吸い込まれていく不思議な光景に釘付けに
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俳句・短歌『神さまの隣』【第8回】桜井 莉麻
『神さまの隣』より詩五篇「足の指先に そっと赤を落とすと 鮮やかな赤は ひんやりとわたしの足先を包む てらてらと輝く わたしの背伸びした足先」
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エッセイ『59才 失くした物と得た物[人気連載ピックアップ]』【第2回】有村 月
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エッセイ『記憶の旅に栞紐を挿み[人気連載ピックアップ]』【第9回】村瀬 俊幸
「どうしてこんな病気になってしまったんだろう…情けなくってしょうがない。生きていっていいのかしら。」妻の独り言が聞こえ…
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小説『薄紅色のいのちを抱いて』【第6回】野元 正
大島桜の葉を摘みながら、ふと、手を休めて青い空を見上げると目に光が飛び込んできて…意識を失い、視界は突如闇に包まれた
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エッセイ『南半球の三日月』【最終回】久富 みちよ
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家に帰ると生乾き臭。クチャクチャのままの部屋干し、湯呑みも生ごみもそのまま…。夫に文句を言いたいのを我慢して、お土産を渡す
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エッセイ『振り子の指す方へ[人気連載ピックアップ]』【第16回】山口 ゆり子
気が付けば、妻の姉に抱き着き声をあげて泣いていた。…妻が流産し幼児退行して2年。こみあげてくるものを耐えられなかったんだ