「右近関(うこんぜき)、大丈夫でしたか?」問いかけられて意識が戻る。どうやら数秒眠っていたようだ。「はい、大丈夫です」と返事をする。実際、少し強めに踏んだブレーキではなく、雷子(らいこ)の声で目が覚めたのだ。睡眠は十分取っているつもりだが、眠りが浅くなっているのかと右近は思った。女相撲本場所の三月場所千秋楽の前日、桜田(さくらだ)部屋の四人(大関右近、妹弟子の雷子、桜田部屋女将、部屋唯一の男であ…
新着記事一覧
-
小説『女力士右近』【新連載】関 勝利
かつてないほど注目を集める女相撲。小柄ながら関取となった彼女はまともに相撲で勝負せず...
-
評論『自然災害と大移住――前代未聞の防災プラン[注目連載ピックアップ]』【第22回】児井 正臣
消費税はヨーロッパ各国レベルの15~20%へ。高負担高福祉に向かわざるを得ないだろう。
-
小説『迷いながら揺れ動く女のこころ[人気連載ピックアップ]』【第10回】松村 勝正
年の近い男女がお風呂場で入浴介助!? 「姉弟みたいな関係で、異性を感じたことはない」と言われたが、子供じゃないんだから…
-
小説『ツワブキの咲く場所』【第13回】雨宮 福一
「遊びに、行くのですか?」教会へ行くのって、そんなものなのか。キリスト教から想起するのは、かつて関わったカルト教団。
-
エッセイ『はないろ、きみと』【新連載】いろは
「障害部門はわがまま」と言う同業者は少なくはない。施設の職員が好むのは「もの分かりがいい」利用者だ。管理しやすいから。
-
小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第11回】三上 ミカン
彼氏と彼氏の妹とその妹の彼氏の4人で炎天下のなかマンションの屋上でバーベキュー。この夏一番の思い出となった
-
評論『司馬遼太郎 啐啄の記』【第6回】辻本 康夫
「凡夫とはわれわれのことやな」司馬遼太郎が心に残した芦名先生の教えとは? たった二編の随筆に残されたある教師の姿
-
エッセイ『良子という女[注目連載ピックアップ]』【第30回】野村 よし
姉は「みんなが私をボケとる言うとること、私はちゃんと知っとるでよ」と言う。私は姉がボケてもさほど辛くはなかった。なぜなら…
-
俳句・短歌『青鈴』【新連載】蒼 のり子
【句集】思い立ったが吉日、縛られるものなし。今まで作った俳句をリュックに詰め込んで「空飛んで 東京の春 歩きけり」
-
エッセイ『保健師魂は眠らない[注目連載ピックアップ]』【第11回】真秀場 弥生
呼吸は体の不調の根源?「体の右半分に呼吸を取り入れて...」と先生が摩訶不思議なことをいうバランス体操のレッスンに参加すると......
-
絵本・漫画『わたしのはなし』【新連載】rita
【絵本】美しい切り絵で読む、みんなが知っている有名なおはなしの、もうひとつのおはなし。
-
ビジネス『大企業×事業創造の神髄』【新連載】前出 貴則
なぜ大企業は、新たな事業創造において失敗を繰り返すのか? ―「大企業にしか狙えない領域」を選べていないから。
-
絵本・漫画『漫画 渦巻いて 三河牧野一族の波瀾<古白編>』【第6回】岩瀬 崇典
春の夜は静かだ。宴も終わり忠家と忠高は月明かりを背に牧野家の墓標に手を合わせた
-
ビジネス『「もう時効?」昭和から平成の”限界的金融界”裏話』【新連載】赤土 留太
【昭和平成 “金融界” 実録】「法に触れなければ何をしても良い」と新規業務開発に配属された私は、金融危機只中の英国の銀行から…
-
小説『眠れる森の復讐鬼』【第28回】春山 大樹
「不審死した二人と元同級生である看護師について、警察が関連を調べています。」…非常にまずい。これではまるで彼女が犯人だ
-
評論『自然災害と大移住――前代未聞の防災プラン[注目連載ピックアップ]』【第21回】児井 正臣
自然災害に対して脆弱な日本。根本的な解決方法は、その場所から離れること、つまり逃げるしかない。
-
ビジネス『改訂版 未来の医師を救う 医療事故調査制度とは何か』【新連載】小田原 良治
きっかけは一人の医師の逮捕だった。当時の正直な感想は「これでは手術などできなくなる」。――医療事故調査制度創設までの軌跡。
-
小説『迷いながら揺れ動く女のこころ[人気連載ピックアップ]』【第9回】松村 勝正
主人とのことを話すと、「ご主人との間に隙間があるよね。その隙間の一部は、家政婦さんが埋めているということよ」と言われ…
-
小説『ツワブキの咲く場所』【第12回】雨宮 福一
キリスト教。何か一つのことを信じる場。宗教。私にとって、どれ一つとっても、避けたい存在だ。
-
実用『相談対応、私はこうしています』【新連載】佐藤 健太
27年間、医療、福祉、精神保健、教育など多岐にわたる分野で心理職として勤務。自分なりの相談対応スタイルを確立