古典が苦手だった私が小倉百人一首に初めて興味が湧いたのは、恥ずかしながら、還暦を過ぎてからであった。まず縦書きのノートを買ってきて、たまたま細君が持っていた高校時代の教科書を参考にして勉強を始めた。学生に戻ったような気分がして、これが意外に楽しかったのである。和歌の意味や作者の人物像が分かると、俄然面白くなってきた。次は暗記に挑戦した。細君が小さなカードを作ってくれたので、いつもそれを持ち歩いて…
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