もちろん一樹は疑いながらも心の奥底ではいつも、俺の勘違いであってくれと願っていたはずだ。疑うより信じることを大切にする、それが一樹だ。だからいつも直球で聞くのではなく、誘導しているかのように私から告白するよううまく促され、私は援助交際の事実を話した。もちろん、もうこれですべて終わりだという覚悟だった。けれど、なぜか一樹は私を見捨てなかった。親の愛情に飢えているから、そういう行動をとってしまうと判…
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