【前回記事を読む】「女の子ひとり抱えられねぇのか」――火事の中、孫を見つけた祖父。しかし老いた体はすでに限界で……(なんとか……なるかもしれねぇ)酸素が薄く、鈍る思考の中で良三は震える腕をどうにか動かした。手にするは命綱とも言える防塵マスク。良三はそれを外して若菜の口元に当てがった。これ以上少しでも煙を吸わないように隙間をなくすべく、すっかり薄くなった己の胸板に大切な孫娘の顔を押し付けることも忘…
新着記事一覧
-
小説『差出人は知れず』【第36回】黒瀬 裕貴
「せめて、若菜だけは…」火の手が迫る中、防塵マスクを外して孫娘の口元へ…祖父が守りたかった娘は、その後——
-
エッセイ『ひとり語りのリカバリー』【第7回】大瀧 夏箕
病気を抱えて生きてきた人生を、なかったことにしたくなかった…私が“自分への聞き書き”を始めたきっかけは、父との会話の中で……
-
エッセイ『終の棲Ⅵ』【第7回】北沢 美代
東京大空襲、疎開、同棲、子育て…10回目の引越で辿り着いた場所は、老人ホームだった——そこは、次がない“終の棲”で……
-
エッセイ『Re:start[注目連載ピックアップ]』【第8回】森 亜美
信号無視の車が猛スピードでぶつかってきて、私は車ごと炎上…結婚式の写真は撮れず、指輪すらはめられなくなった。
-
エッセイ『素晴らしき出会い』【第7回】久保田 亘
追悼会で飾られていた名誉教授の功績一覧…そこには、自分と恩師の共著論文があった。その時、脳裏によみがえった言葉は……
-
評論『ラスコーリニコフ 苦悩の正体』【第7回】岩澤 聡史
豪雨の野外コンサートで観客もバンドもずぶ濡れに――それでも誰も帰らなかった理由を聞いた瞬間、『罪と罰』の謎が突然解けて……
-
小説『不可解な恋[人気連載ピックアップ]』【第26回】夜久 珠姫
目が覚めると、彼氏がベッドに縛られていた…傍で女が笑ってる。彼の悲痛な声もお構いなしに、女は彼の服を脱がし体にキスし始めた
-
小説『超能力探偵 河原賽子』【第83回】春山 大樹
「何これ……」空から降りてきた戦車のような巨大機体…上部の操縦席には、前歯のない男の“頭部だけ”が収まり、こちらを見て笑っていて……
-
小説『千年の密約』【第7回】藤基 寛
誕生日に死ぬと告げられた女子大生は、京都の寺へ――探していたのは、冥界へ行く方法で……
-
ビジネス『調達の最適解』【第7回】田中 俊英
ERP導入で止まる企業、調達改革まで進む企業…明暗を分けるのは「BPRとの両面アプローチ」だった
-
エッセイ『歩き遍路 ほろり巡礼』【第17回】加藤 美香
色気はなくても、女の身。野宿はできない…足を引きずって泣きながら歩きだすと、「さっき歩いたよな…ここ」
-
小説『who am I』【第7回】千戸 嶺
「教育費」を連呼する母に追い詰められ、3ヶ月間「母がいない場所」へ逃げ込んだ…その結果、転校先でいじめられない為の生存戦略を手に入れた。
-
小説『JANOBO 幻想のジパング』【第7回】田中 恒行
「日本語や技能はどうでもいい。10人欲しい」理事長が示した“採用基準”…しかし20人の外国人実習生を前に、先輩は一切迷わず即決した
-
小説『ホームランとフォーマルハウト』【第13回】福原 道人
「お父さんはいないよ。妹もそう。ママは1人」…惑星の知識を誰に教わったのか聞くと、少年は急に小声になった。だがその答えはどこか変で…
-
エッセイ『夢翔る!——至誠天通、曲折の果てに——』【最終回】元 哲倫
1970年代、軍歌が流れる寮生活に馴染めなかった…ある日、生徒全員を講堂に集めた校長は、興奮状態で話し続け、突然泣き崩れた
-
歴史・地理『巡礼の道・フランチジェナ街道』【最終回】廣田 司
美食の街・ヴィテルボでオススメの中世料理レストラン──かつて貧しい農民のタンパク源だった料理が非常に美味。
-
エッセイ『Re:start[注目連載ピックアップ]』【第7回】森 亜美
2度目の出産で、忙しい夫が「立ち合いたい」と言ってくれた。だが陣痛中に寝てしまい、産まれそうになった時…
-
小説『イエスタデイを少しだけ』【最終回】惣才 翼
すれ違いざま、酔っ払いが胸を触ってきた。挙句「残念、Aカップ」と大声で笑われて…その瞬間、そいつの後ろ首を力任せに…
-
エッセイ『作家と住空間』【第8回】三木 奎吾
芥川龍之介の手紙に残る「敬啓」という見慣れない文頭語…いまの辞書には見つからないその1語に、近代日本語の“魂魄”が宿っていて……
-
小説『不可解な恋[人気連載ピックアップ]』【第25回】夜久 珠姫
プロポーズの瞬間、「いやあぁああ!」──叫ぶ女に指輪を奪われた。女は自分の薬指に嵌めて「ほら、ぴったり」と…