【前回の記事を読む】「出来損ないの死に損ない」——母から吐き捨てられた言葉は私の心に突き刺さった。いつしか私は自死を考えるようになり…その年の八月には富子に弟ができた。その子はミルクの飲み方や泣き方にしても恵子とはまったく違っていた。この子は幹男と名付けられ祖父の喜びようは大変なものだった。それを機に智子叔母は電気洗濯機を買った。当時は頭に電気という呼び名を付けたところが面白い。祖母の手間を考え…
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エッセイ『心に秘めたオパールは虹色の輝き』【第15回】丸山 珠輝
「杖を使わないと立つことも歩く事もできないから」私は目が見えないけど、彼女を気の毒に思った。さらに家の中では杖を使わず…
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冷たく寒い冬に耐えて、越えて、ぽっぽっぽぽわっと花を咲かす。——「あなたのためにわたしは咲いてるの」
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小説『大人の恋愛ピックアップ』【第81回】八十島 コト
性格は穏やかでおっとり――でも夜になると豹変する美里。10歳以上年下の彼女が可愛くてたまらず…
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小説『バツ恋総集編ピックアップ』【第4回】武 きき
「私、初めてです。こんなに気持ちがいいって…」――彼の顔を見るのが恥ずかしい。顔が赤くなっているのが自分でも分かった
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健康・暮らし・子育て『終の棲Ⅴ』【第9回】北沢 美代
「最期は本名で死を迎えたい」連続爆破事件を起こし、50年以上も逃亡してきた男は、“偽名”で「自分」を隠し続けていた。
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小説『迷いながら揺れ動く女のこころ[注目連載ピックアップ]』【第11回】松村 勝正
身体障害者の方と結婚するとはどういうことか、深く考えていなかった。戦国時代で例えると、本妻と側室が一つ屋根の下…
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小説『不可解な恋』【第21回】夜久 珠姫
「ほら、こことか」と痕をなぞる社長令嬢に震えた……「嘘言わないで!」と叫ばずにいられなかった
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俳句・短歌『風狂を生きる』【第8回】総君
【自由詩】春の自由律俳句「吞気印の浮雲流れて ふと旅の心」
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健康・暮らし・子育て『車イスの私がアメリカで医療ソーシャルワーカーになった理由[注目連載ピックアップ]』【第10回】上原 寛奈
「絶対に治してやる」2人の偉大なお医者さんは私の病気と将来に真剣に向き合い、試せる治療はすべて挑戦してきて下さった。
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小説『ゴールドライフオンライン人気記事ピックアップ』【第20回】齊藤 俊彦
トイレから出てきた彼に続いて出てきた彼女。私は二人が目配せしたほんの一瞬を見逃さなかった。彼にしてはトイレが長かったような…
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小説『ゴールドライフオンライン人気記事ピックアップ』【第19回】宿川 花梨
「息子が死にました。…いえ、私が殺しました」―生まれてきた子は化け物だった。目を閉じさせ「おやすみ」と言うと首を絞めて…
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小説『ジパングを探して!』【第11回】大和田 廣樹
「彼の息子と会えるなんて!」父をよく知っているというモンゴルの大学教授は僕に会いたいようで……
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小説『大人の恋愛ピックアップ』【第80回】水木 三甫
200万円の手切れ金を渡して最低の男と離婚――これで新しい人生を歩むことができる。希代美の未来は明るくなるはずだったが…
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ビジネス『製造業のDXを3Dで加速する』【第11回】鳥谷 浩志
日本人は"同調"と"協調"取り違えている。——協調とは力を合わせて事にあたること、同調とはある意見を持つ人と…
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小説『夜空の向日葵』【第5回】のがみなみ
引っ越してから10日。近くに住む80歳を超えた老女の家の前には、いつもゴミ袋が置かれていて通行の邪魔になっており…
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エッセイ『ぼんくら外交官の北朝鮮日記-2年間の「楽園」滞在見聞録-』【第11回】杉山 長
北朝鮮のクリスマス事情…大きな顎ひげを生やし赤い服を着た人物といえば、サンタクロースではなく…
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ビジネス『ロータリークラブに入ろう![注目連載ピックアップ]』【第3回】田中 久夫
「え、宗教? いや“大人の幼稚園”?」鐘が鳴った瞬間、会員全員が起立する会に41歳の新人が感じた違和感
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エッセイ『孤高の歩み—虚無から創造精神へ—』【第11回】梅崎 幸吉
「私は画家になる」自由への渇望—自分の好きな世界を創るために課した鉄の掟
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小説『大王の密使』【最終回】都丸 幸泰
「火を噴いたと言い伝えのある山がある。地の果てだ」——禁じられた北への旅路。しかし、彼らはそれでも進む
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小説『ライオンと鐘鳴らす魔道師[注目連載ピックアップ]』【第4回】NuMYasu
「終電過ぎたんじゃない? 泊まってく?…ベッド使っていいよ」彼女の家に泊めてもらった。翌朝、目が覚めると愛情いっぱいの…