少しカーブになっている路地を、住宅五、六軒も進んだだろうか。ふたりは、二股に分かれている場所に行きついた。その二股の道の突き当りの場所に、木造の小屋のような祠(ほこら)がある。祠の扉を開けて中を覗くと、小さなお地蔵様が鎮座していた。「住宅の中に、今時こういうお地蔵さんがあるって珍しいよね」「そうねぇ」真琴も父親の実家の集落のことながら、知らなかった様子だ。「供えてあるお花がまだ新しいよ。お参りす…
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