お知らせ 2024.04.24 幻くんの部屋 出版デビューを夢見て原稿を書いていると、どこからともなく現れるナゾの生物・幻(げん)くん。作家のたまごを応援して回っているが、好奇心旺盛で、気がつくと原稿そっちのけで遊んでしまうことも。
小説 『アントライユ』 【第3回】 鈴木 恋奈 彼の父親と私の母が不倫。親族双方殴り合いの大事件になった。だが、彼の母親は「慰謝料は要らないから」とだけ言って姿を消し… 【前回の記事を読む】彼にピアスが増えたら、私は自分の耳にも印をつけて、ニードルを取り出す…「痛い痛い!」それでも彼とお揃いがよかった私たちは新潟県の外れにある小さな町で育った。私は、ボロボロのアパートで生まれた。母親の稼ぎが少なく、泣く泣く住んでいた。幼少期に千春がそのアパートの隣の部屋に引っ越してきたのだ。千春の母親の後ろに隠れる彼の光る涙は私の心を潤した。今でも鮮明に思い出せる。彼の目は女の…
小説 『ハロー、わたし!』 【第10回】 澤 幸希 「あなたに任せます。その家で家族と笑って暮らせればそれでいいんです」40代夫婦から、古民家リノベーションを依頼され… 【前回の記事を読む】実は僕の親族の男性が次々に“雪”にまつわる死を迎えていた。それは“雪女”の呪いによるらしい。僕も例外ではないのでは……?「よかったら駅まで送らせてください。ご迷惑をかけたお詫びに」「でも……大丈夫ですか? 歩けます?」財布がコートのポケットにあることを確かめてから、僕は胸を張って言った。「なんのこれしき、どうってことありません。駅前にカフェがオープンしたでしょ? 熱いコーヒー…