エッセイ 『心に咲いた向日葵』 【新連載】 丸山 珠輝 父と母はいとこ同士だった。そして生まれた私には、両眼の眼球がなかった。そんな私のことを、親族や両親は… 心身ともに疲れ果てた丸山珠輝は、不思議な夢で目覚めた。場所はどこなのか全く分からない。ただ大勢の人がいるようだが、目の見えないのは珠輝一人らしい。そこは階段の中程らしく、珠輝はかかとから足のつま先までしかない狭い場所に立っていて、両手に薄い布を持ち、真珠をとてつもなく大きくしたような、表面がすべすべした巨大な玉を懸命に磨いていた。さらにそこから五メートルほど離れている所に何人もの人々が群れていて…
小説 『ヒミツのレクイエム[注目連載ピックアップ]』 【第8回】 氷満 圭一郎 小説を書くためには精神を若返らせなくてはならない!? 強制的に若返りを図るための荒療治とは… 【前回の記事を読む】食事の用意をしていた母は「今頃起きてきたんかい? いいご身分だねえ」と嫌味を言う。いいぞ、二十二年前の日記と同じだ2 七月三十一日挑戦開始ふるさとの町をこうして自転車で走ることなど、学生の時以来かもしれない。変哲もない地方都市の風景である。図書館にたどり着くには、田園も、巨大自動車工場の脇道も、排ガスの匂い立つ県道も通っていく。かったるいママチャリで、真夏の真昼間にとろとろ走…