【前回記事を読む】こみ上げてくるものに耐えられず、妻の寝ている自宅で、妻の姉と…気づくと身体に抱き着き、声をあげて泣いていた。静かに抱きしめ返してくる亜希子の背中をさすりながら、春彦は郁子とよく似た亜希子の温かさが二年の間にうらぶれた心をほぐしていくのを感じていた。あの日、同じように郁子を抱きしめられていたのなら、という思いと、もはや悲しみを共にする同士である亜希子が、どうしても春彦の脳裏で交錯…
エッセイ
『振り子の指す方へ[注目連載ピックアップ]』
【第17回】