小説 『信長様と猿』 【第5回】 ヤマダ ハジメ 内通者をあえて泳がせる――書簡を何通か並べた信長は、笑いながら藤吉郎に問うた。「猿、この書状、どれが本物かわかるか?…」 儂は、草履取りの雑用係から日頃の忠義と実績が認められ武士の足軽に取り立てられた後、桶狭間の合戦に於いては、足軽組頭として出陣していたな。その頃の信長様との会話を想い出すとこんな秘話があったわ。「殿、桶狭間の戦ですが、拙者も組頭として参加しておりました。勝てる相手とは思えないほど兵の差がありもうした。確か今川勢1万2000に対し織田勢はわずか3000あまり。どうして勝てたのか、未だにわかりません。…
小説 『ヘルメスの遺児』 【第16回】 小林 正仁 「お兄ちゃん…もう逃げたい」両親と死に別れ、妹と2人で入った施設…妹は職員に“色々”されていたらしい。知った時にはもう… 【前回記事を読む】暴対課の女性刑事が語る「行方不明事件等に関与し、処理まで請け負っている」という組織。芸能事務所との“繋がり”は…刑事課に戻って来た俺は暴対課でのいきさつを刑事課長に話した。刑事課長は笑って「ハハハ。そうか暴対課が動いてくれるか!なるほど、死体処理の手際が良かったのは極竜会だからであって、極竜会が関わっているから暴対課も腰を上げたわけだ。小林! 今回の一件は刑事課と鑑識課だけでは…