エッセイ 『親子すごろく』 【第3回】 朝丘 大介 認知症の母は、愛犬を玄関のドアノブにつないだことを忘れ、テレビに夢中になっていた。その間に愛犬の首には… 【前回の記事を読む】父は肺がん、母は認知症。2人を介護する僕には脳の障がいがあって、医師からは就職はまだ早いと言われている。そんな小説も以前飼っていた犬が死んでから書けなくなった。ほんの二か月前まではミルティという大人しいシェルティーがいたが、ミルティは死んだ。それも腑(ふ)に落ちない死にかたで。月に一度、東京の医大病院へ通院する日だった。ミルティを母に預けて病院へ行った。父はがん研に入院してい…
小説 『大人の恋愛ピックアップ』 【第174回】 水沢 むつき 男のくせに女に買われるやらしい仕事…ホテルの部屋が空くのを待ちながら、客の手に触れ、「学校の先生ってネイルいいんだ?」 【前回の記事を読む】炭酸に弱いのに、お客様の前でジンジャーエールを飲んでしまった。しかも、気持ちが緩んでいて…僕は宣材写真にモザイクを入れている。理由は身バレ防止のため。兼業ということもあるが、親兄弟に、自分がセラピストとして女性用風俗店で働いていることは話していない。親元からは離れて一人で暮らしている。お正月は実家で姉夫婦と親と世間が過ごしているような普通の年末年始を過ごしていた。ただ一つ、女…