エッセイ 『炎の職人』 【新連載】 桂 敏明 大学を中退し、親の金で生きていた22歳…ある日、新聞の「3行広告」に釣られて電話を掛けてしまった。「今から来られますか?」と呼び出され… 二十二歳の時、偶然目にした新聞広告に導かれてバイオリン職人を目指し、文京区にある弦楽器専門店で十年余りの修業後、独立し杉並区西荻窪に自分の工房を開きました。幸いお客様や弟子にも恵まれ、今まで職人として工房を続けることができています。六十六歳になって心臓の手術を受け、直後に脳梗塞を発症し、障がい者となった時、これまでバイオリンと共に歩んできた年月を、改めて自分の言葉で振り返ってみたい――そう思った…
小説 『超能力探偵 河原賽子』 【第78回】 春山 大樹 神社の地下20階から、黒焦げの遺体が10数体見つかった…宮司は行方不明。全焼した社務所の下に広がる“巨大施設”の正体は…… 【前回の記事を読む】首から上だけで生きている男…失った五体の部分にはテーブル、生首にはビニールチューブで血液が送られていて…「おまえ、本当に大丈夫なのか?」小川は取調室の椅子に座っている鍬下の周りを小さな万歳をするように両手を掲げながらぐるぐる回って、彼の体を頭から爪先までじろじろ見回しながら言った。「もう全然平気です。座ってください」鍬下が苦笑いしながら言ったので、小川はようやく席に着いたが、…