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小説
『あした会社がなくなっても』
【第9回】
桐生 稔

左遷されたその日に1本の電話——「本部長からです。」その内容は、怒りで受話器を壊しそうになるような…

【前回の記事を読む】入社して2か月で、静岡・富士支店へ左遷。本社に呼び出された理由は――職場の人間関係を壊したことだった。(こんなに近くで富士山を見たのは、人生で初めてだ……)桐谷は富士駅に降り立ち、目の前にそびえる富士山を見て、思わず息を呑んだ。その大きさは想像をはるかに超えている。遠くから見る存在だったはずの富士山が、まるで目の前に突きつけられたように、圧倒的な存在感で立ちはだかっていた。(…

人気小説連載記事

小説
『壺を抱いたネコニャ』
【第5回】
柊 あると

「近づくと逃げるんだもの」彼の上目遣いの表情が悲しげで、罪悪感が込み上げた。悪気がないことを伝えると彼は…

【前回の記事を読む】男としては弱すぎる雰囲気の彼から目が離せなかった。彼が近づいてきただけで、顔が真っ赤になって、汗が胸の谷間を…私は再び更衣室に駆け込んだ。全身汗びっしょりだった。結局下着から全部着替えて、再び同じ場所を通ると、トーヤが今度は初めから私を見つめていた。ああ、ついに三回分の着替えを着尽くしてしまうわ。私は天を仰いだ。「僕ね、怖くないよ。落ち着いてよ。そんなに緊張しないでください。…

ランキング

  1. 小説
    『泥の中で咲け[文庫改訂版](人気連載ピックアップ)』
    【第6回】
    松谷 美善
    1位 1

    母さんが死んだ。葬式はできず、骨壺に入れられて戻ってきた母。父からは「かかったお金はお前が働いて返せ」と請求書を渡され…

    【前回の記事を読む】もう、手の施しようがないと言われた母。離婚した父を頼ったが、面倒臭そうな反応をされ…。そしてたった四日で母さんは死んだ葬式は出せなかった。直葬を行い、母さんは骨壺に入れられて戻っ…
  2. 小説
    『夫 失格[注目連載ピックアップ]』
    【最終回】
    時亘 一肇
    2位 2

    遂に家出を決行。夫が帰るギリギリで娘とペットを連れて何とか車に乗り込んだ。やっとの思い出宿泊先に着くと、夫から大量の着信が…

    【前回記事を読む】夫が2階に上がるたびに走る緊張感。少しずつ、少しずつ、荷物を運び出し、夫から離れる準備を進める…絶対に悟られてはいけない今日家を出る。夫が出勤するのを、いつもよりも遅いと感じながら…
  3. 小説
    『春のピエタ』
    【第2回】
    村田 歩
    3位 3

    「おかあさんが自殺したの!」しばらくの沈黙のあと、いつ、と押し殺した声がした

    達生は優子に、赤ん坊がいるのだからいったん家に帰るように勧めた。優子は素直に従うことにした。兄の劉生に連絡を入れたのかという娘の問いに、達生はまだだと首を振った。「奥が片づいたら連絡を入れるから」あ…
  4. 小説
    『愛され未亡人の、湯けむり恋物語』
    【最終回】
    月川 みのり
    4位 4

    あの時と同じ露天風呂…でもあの時よりもずっと深く、愛しあった。「もう1回だけ」と囁かれ、湯けむりのなか重なりあって…

    【前回記事を読む】潰れかけの旅館を救ったのは、女将の”ある投稿”だった。3万人に見られて「泣きました」の声が殺到…旅館を救った意外なものとは?年が明けた。旅館の前の雪を掻きながら、よし子は白い息を吐…
  5. 小説
    『泥の中で咲け[文庫改訂版](人気連載ピックアップ)』
    【第4回】
    松谷 美善
    5位 5

    ある日突然「お母さんが職場で倒れて救急搬送され、命の危険もある」と電話がかかってきて…

    【前回の記事を読む】修学旅行欠席で返してもらったお金は八万円。その内半分程度である物を買ってもらい…地方都市の公立の小中学校の教師は、みんなの前であからさまに、生徒の家の事情をポロっと口に出し、下手…

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    【防災リスク管理 入門】防災担当者や経営者にもおすすめの、消防設備士のための実践読本。実務に役立つ知識やノウハウを解説

    「2位じゃダメなんですか」2009年、政権交代した民主党によって実施された〝事業仕分け〟。自民党政権下での予算の無駄を洗い出す中で、世界一を目指していたスーパーコンピューター(スパコン)の開発計画に…
  2. 小説
    『壺を抱いたネコニャ』
    【第5回】
    柊 あると
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    「近づくと逃げるんだもの」彼の上目遣いの表情が悲しげで、罪悪感が込み上げた。悪気がないことを伝えると彼は…

    【前回の記事を読む】男としては弱すぎる雰囲気の彼から目が離せなかった。彼が近づいてきただけで、顔が真っ赤になって、汗が胸の谷間を…私は再び更衣室に駆け込んだ。全身汗びっしょりだった。結局下着から全部…
  3. 小説
    『泥の中で咲け[文庫改訂版](注目連載ピックアップ)』
    【第9回】
    松谷 美善
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    ふと外を見ると、車からよろよろと歩く女性を男が家に引き入れ、得体の知れない液体を飲ませていた。

    【前回記事を読む】母の死後、中卒で入った会社から突然「明日から来なくていい」…さらに社宅に帰ると「3日以内に出て行ってくれ」と言われ…荷物といっても、布団代わりの寝袋と、服と下着が二、三枚、タオル数…
  4. 小説
    『一括切除』
    【新連載】
    菊池 大輔
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    「俺が見つけたのに、なんでだよっ!!」主任教授は"ある時期"から、内視鏡の症例を独占するようになった。その真意とは…

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  5. エッセイ
    『好きでないことだけで生きて行く』
    【新連載】
    宗九
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    大学院の除籍、うつ病、信頼の喪失…36年間自分を見失い続けた僕がドキッとした本のタイトルが…

    正確にはいつからか、断言できないが、恐らく大学院を除籍になったあたりから、ずっと自分を見失っていた、と言えなくもない。しかし、それは24歳の頃だから、それから60歳過ぎるまで、つまり、36年間、自分…

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