2024年5月27日、株式会社幻冬舎本社ビルにて「アウトサイダー文学コンテスト」の授賞式が行われました。

「アウトサイダー文学コンテスト」は " 前人未踏の領域に挑む " と銘打ち開催された、幻冬舎ルネッサンス初の商業コンテストです。

 犯罪、サイコパス、特殊性癖など現実では罪に問われてしまうことも、想像の世界ではすべてが自由!と、創造の限界を超えた刺激的な創作作品を募集しました。

200以上の応募作品の中から、大賞に水谷恵子氏の「魂業石」、優秀賞に木村さつき氏「綻び糸を手繰り寄せ」と大西猛史氏「高校生SM」が選ばれました。受賞作品は、2024年冬に電子書籍として刊行予定です。

授賞式後、大賞受賞者である水谷恵子さんに、作品を書かれた経緯や今後の展望などをお聞きしました。

♦あらすじ

容姿端麗な雪子は、小さい頃から自分がほしいと思ったものは手に入れないと気が済まない性格で、そのためなら手段は厭わない。外面の良さでこれまで疑われることはなかったが、次なにかを欲せば、自分は身を滅ぼすのではないかという予感がしていた。
そしてある時、夫とテレビを見ていた時に知った「ダイヤモンド葬」に目を奪われた雪子は、ついに人を殺してダイヤモンドを作る計画を立てる……。

――アウトサイダー文学コンテスト大賞おめでとうございます。では、自己紹介からお願いいたします。お名前とご年齢を教えてください。

はい、水谷恵子です。年齢は37歳です。

――ご職業は何ですか?

公務員です。

――公務員というと小説に登場する雪子と同じですね。そういうところから着想を得られたのでしょうか?

はい、それはあるかもしれないですね。

――「ダイヤモンド葬」というテーマはとても興味深いですが、書くきっかけというのは何かあったのでしょうか?

「ダイヤモンド葬」については、以前何かのテレビ番組で見て知りました。面白いなと思っていて、普段から小説を書いているので、いつか題材にしたいと思っていました。今回このコンテストがいい機会となり、書き始めました。

――そうですか。このコンテストの存在を知ってから書き始めたということですね。

以前から少しずつ書いていた部分もありましたが、今回このコンテストのためにしっかりと形にしました。

――これまでにもいくつか作品を書かれていたというお話でしたが、よく書いていらっしゃるジャンルというのはありますか?

基本、ホラーが多いです。

――執筆している作品でお気に入りの作品とかはありますか?

いくつかありますが、今年はホラー系が本当に多くて(笑)。生霊が出てくる作品もあります。

――ホラーに興味を持ち始めたのはおいくつぐらいからですか?

小学校ぐらいの時からです。怖い本とかをよく読んでいました。

――ずっとそういうジャンルがお好きでいらっしゃるんですね。自分でお書きになり始めたのはいつ頃からですか?

子供の時にちょっとした絵本などは書いていましたが、本格的に小説と言われるようなものを書き始めたのは大体8年ぐらい前からです。

――タイトルの『魂業石』ですが、意味や込めた思いみたいなものはありますか?

ダイヤモンドの和名「金剛石(こんごうせき)」をタイトルに入れようと思っていました。ただそのままではありきたりなので、犠牲になった人の"魂"とそういうことをしている雪子の"業"とを合わせて『魂業石』にしました。

――作品の中で力を入れて書いたところはどういうところでしょうか?

殺人シーンです。いろんなバリエーションを出して、"ここまで残酷なことを人はできるのか"というところに力を入れました。

――ここに注目して読んでほしいというところはどこでしょうか?

雪子のセリフから"ちょっとこの人は普通の人とは感覚が違うんだな"というのを感じとってもらえたらと思います。

――殺人をなんとも思っていないような印象的なセリフが雪子は多いですよね。そういうセリフを書くにあたり、なにかサイコパスのことを勉強したりなどされたのでしょうか?

サイコパスに関する実用書を読んだり、こういうサイコパスがいたらどうだろう、などと想像しながら書きました。

――登場人物の雪子や優真、優一郎のモデルはいますか?

特にいないです。優一郎は、とりあえずハンサムで爽やかで優しそうな感じなんだけれども目が笑っていない人、というイメージはありました。

――オリジナルで作られたということですね。このコンテストをお知りになったとき最初にどういうふうに思われましたか?

とても面白い募集だなと思いました。こういう話は、書き手の人格が疑われるのではないかと心配になって書きづらいと思うんです。それをあえて作品の中でなら発想はなんでも自由と謳った上で、こういうテーマを選んだというのがとても面白いと思いました。

――影響を受けた書籍や作家さんなどはいらっしゃいますか?

貴志祐介さんの人間の醜いところなどを躊躇なく、かつ鮮明に書いているようにみえるところが面白いなと思います。

――受賞を知ったときにどう思われましたか?

なにかの間違いじゃないかと思いました。とりあえず妹に電話しました。

――妹さんはどんな反応をされましたか?

8年ぐらい書いていたので、いつかとるのではないかと思っていたと言われました。

――制作に関して意気込みやなにか楽しみにしていることはありますか?

最後の方はかなり急いで書いてしまったので、もう一山もってこられるぐらい盛り上げて面白くしたいかなと。

――それでは、今後の目標や次回作の構想などはありますか?

架空の都市を舞台にした作品で、そこに住む男の子の話を考えています。外から見ると理想の都市ですが、中に入ると違和感がある。そこが普通だと思っている子が、外部の人と出会って違和感に気づき出すという設定です。

――面白そうですね。そちらも期待しています。最後に、執筆を目指す方に向けて何かメッセージがあればお願いします。

大人になるとやっぱり無理だと諦めがちですが、もっと本気で取り組んでから諦めても遅くはないと思います。諦めずに続ければ、いつかは夢が叶うと信じてほしいです。

――貴重なお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。


水谷さんにお話を伺い、クライマックスに向けた展開にかける意気込みを強く感じました。どう着地するのか、今冬に刊行される電子書籍が待ち遠しいです。

GLOでは今後も情報発信を行っていきますので、皆様もぜひお楽しみに!