【前回の記事を読む】私を真っ直ぐ見つめる彼の目は死を恐れてはいなかった。私の頭の中も心臓も黙ってくれなくて大きく視界を揺らした…「あ」思わず声が漏れて、千春を抱きしめた。力を込めたら崩れて、壊れてしまいそうな体を必死に優しく抱きしめた。辛い悲しみに打ち拉がれた心を、彼の服を強く握って皺を作ることで誤魔化した。辛い。息が止まりそうな程苦しい。でも私は、ずっと言えなかったことを口にした。言いたくても…
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小説『アントライユ』【最終回】鈴木 恋奈
彼に触れる時は心臓に悪い程緊張した。なのに写真だとこうも簡単に触れることができるなんて…
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小説『アントライユ』【第10回】鈴木 恋奈
私を真っ直ぐ見つめる彼の目は死を恐れてはいなかった。私の頭の中も心臓も黙ってくれなくて大きく視界を揺らした…
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小説『アントライユ』【第9回】鈴木 恋奈
私達の親が死んだ。二人の葬式は酷いものだった――嬉しくて咽び泣いているかのような雨にずぶ濡れになった私と彼は…
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小説『アントライユ』【第8回】鈴木 恋奈
「癌なんだ…5年くらい前から」突然そう打ち明けた彼。混乱する私を前に、彼は腰を抑えて膝から崩れ落ち…
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健康・暮らし・子育て『がんを自分らしく生ききる』【最終回】村川 康子
「主治医や病院を変えたい」という理由のセカンドオピニオンは間違い!? 正しい認識は、“診療”ではなく“相談”であって…
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小説『アントライユ』【第7回】鈴木 恋奈
彼はタバコが嫌いだ。お父さんを思い出すから――腕にはタバコを押しつけた火傷跡があって、隠す様に夏でも長袖を着ている
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小説『アントライユ』【第6回】鈴木 恋奈
「私たち、恋人に見えてるのかな」――“恋人岬”の鐘を鳴らす二人。恋人でもセフレでも友達でも家族でもない。二人の関係は…
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小説『アントライユ』【第5回】鈴木 恋奈
風に靡く彼の金髪がキラキラしてまるでアニメに出てくる美青年のよう…「海が見える駅」は私たちのお気に入りだった
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小説『アントライユ』【第4回】鈴木 恋奈
折角着た服はゆっくり脱がされ、力無く床に落ち互いの瞳に溺れた――私たちは溶ける様にベッドに沈んだ
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小説『アントライユ』【第3回】鈴木 恋奈
彼の父親と私の母が不倫。親族双方殴り合いの大事件になった。だが、彼の母親は「慰謝料は要らないから」とだけ言って姿を消し…
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小説『アントライユ』【第2回】鈴木 恋奈
彼にピアスが増えたら、私は自分の耳にも印をつけて、ニードルを取り出す…「痛い痛い!」それでも彼とお揃いがよかった
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小説『アントライユ』【新連載】鈴木 恋奈
たしか、彼が冷たくなったのは四年くらい前から――都合の良いセフレだと思っているのだろうか…
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小説『千恵と僕の約束[人気連載ピックアップ]』【最終回】成田 たろう
帰国の前日、「また、いつか来ようね」――生きる希望を持ってほしい。しかし、「ママが倒れた、救急車で病院に運ばれた」
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小説『千恵と僕の約束[人気連載ピックアップ]』【第20回】成田 たろう
夫婦二人で香港・マカオ旅行へ――できることは何でもしよう、できないと言わないようにしよう!
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小説『千恵と僕の約束[人気連載ピックアップ]』【第19回】成田 たろう
東京に引っ越しをしたい、一生のお願い――少しでも長く、家族で過ごしたい思いから東京に引っ越すことに
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小説『千恵と僕の約束[人気連載ピックアップ]』【第18回】成田 たろう
「三日間家を空けます」家族に内緒で四国遍路へ。妻のためにできることは、神に祈ることだけだと思った
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小説『千恵と僕の約束[人気連載ピックアップ]』【第17回】成田 たろう
久しぶりの家族旅行、テーマは"癒し"――ひとときでも現実を忘れ、楽しい時間を過ごしてほしかった
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小説『千恵と僕の約束[人気連載ピックアップ]』【第16回】成田 たろう
「必ず、元気になるから、絶対に治るから」気持ちの面で負けないようにして生きていこうと妻にも、自分自身に何度も言い聞かせた
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小説『千恵と僕の約束[人気連載ピックアップ]』【第15回】成田 たろう
手術後三カ月、「リンパへの転移が見つかりました」彼女は平静を装っているように見えたが、私は涙を抑えることができなかった
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小説『千恵と僕の約束[人気連載ピックアップ]』【第14回】成田 たろう
ニュースを見て、「私もああなるのかな?」――手術が無事成功。娘の入学式にも参加でき、期待に胸を膨らませていたはずだった