【前回の記事を読む】言葉で表せない苦しさ、さすがに死ぬかと思った――腎臓病の針検査のミスで水腎症に。膨れ上がったお腹はまさしくカエルのようで…

【腎臓病の悪化】

何とか退院したが仕事を止められ自宅療養を言われた。1年間の休職を会社にお願いして社会保険から休業手当を受けての生活になった。

給料はもちろん出ない。今までの給料の6割ほどが社会保険から出た。とうてい生活できない。あとは貯金を崩して生活をしのいだ。

次男が入学した私立高校が、親が病気や何かで働けなくなった場合に授業料のみだが半額になる制度があったので利用させてもらった。このことは本当に助かった。

8歳上の長女と11歳上の長男が就職をしていたことも功を奏した。長女は就職をして2年間で貯めた貯金で一人暮らしを始めていた。

休職して自宅療養に入り安静にしなければならない生活は精神的にも地獄だった。目の前が真っ暗になり、先の見えないトンネルに入り込んでしまったようだった。

この先どうなってしまうのだろか? もし仕事に復帰できなかったとしたら……。高校生の息子とどうやって生活して行こうか? 毎日が不安で胸が張り裂けそうになった。

いつかはこういう日が来るかもしれないとは思っていたが、いざその時になると覚悟のできていない自分がいた。数年も前から考える時間は山ほどあったのに、いざ目の前に迫ってくると想像と現実は断然別物だった。

そして考えはどんどん悪い方へと言ってしまう。子供たちが何歳になるまで生きられるのだろうか? せめて長女が結婚をして出産するときには元気で傍にいてあげたい……。

「いかん。いかん。」