この頃の腎臓病の治療法は特効薬はなく、安静・食事療法・ステロイド治療だった。ステロイド療法のメリットとデメリットを医師から説明を受けた。
ステロイド治療は、今のところ若い人には効果が見えるが50代以降の人には効果が見えていないので、副作用だけが出てしまう可能性が高いと聞いて、多岐にわたる副作用の可能性の高いステロイド治療は選択肢から外した。
食事療法はたんぱく質と塩分の制限が厳しく、体重やクレアチニンの数値から、わたしの1日の摂取量は、タンパク質40g、塩分6gで足りないエネルギー源は油で摂るようにと言われていた。
栄養指導で教わったときのタンパク質一日40gの一食での量は、豚肉で言うと、薄く切って売っている1枚の二分の一くらいのひと口で終わってしまう量だった。
白米やパンは低たんぱく食のものを購入していた。低たんぱく食は正直美味しくなくて、食事の楽しみはいっさい諦めなければならなかった。それにいつもお腹が空いている状態だった。
このように大変な食事制限だったが資格の勉強に集中するようにしたため少しは気がまぎれた。
腎臓病の症状は痛みなどはなく、浮腫みと、とにかく怠い! 横になることが一番で、立っていることが苦痛だった。
キッチンに立って洗い物すら冷や汗が出るくらいになった。休職した最初の頃は椅子に座って何かに集中することは苦痛にはならなかったが、後半は横になる時間が増えていった。