今一度立ち止まって考えたい「戦争」とは何なのか

資源の争奪や政治的対立、独裁、そして国内の不安定さ――

戦争が起こる理由はさまざまです。

約80年前、日本もまた資源を求めて戦争に突き進んでいました。

今、自分に問いかけてみてください。

「戦争のことを、他人事のように考えていませんか?」

「それはもう、遠い過去の話だと感じていませんか?」

現代では、戦争を実際に体験した人々が少なくなり、その結果、戦争がどのようなものだったのか、 日本でどんな出来事があったのかを知らない人も増えてきているかもしれません。

「もし、自分があの時代を生きていたら…」

そんな思いが湧くことはありませんか?

今回は、事実を基に作られた小説から一部抜粋した記事をご紹介します。

戦争の過酷さ、そしてそこに生きた人々の想いが、少しでも感じ取れるかもしれません。

戦争時代を生きる物語

恐怖の空襲、両親が体験した"第二次世界大戦"

新婚生活をはじめたばかりのふたりに、アメリカ軍の無差別爆撃が襲いかかる。 暮らしていた神戸も三度の空襲に見舞われ、日常は一瞬で崩れ去ってしまい…

戦争は、ささやかな暮らしを容赦なく呑み込んでいった。

終戦から二年後に生まれた主人公は、著者自身。

両親が体験した戦中と戦後の記憶が、私小説として描かれています。

【戦争の惨状】その日、父親が初孫の顔を見に訪ねてくる約束だった――不安に駆られ母が実家を訪ねると辺り一帯の惨状に愕然となり…

戦争のさなか爆撃に怯える夫婦
 

悲劇の戦地となったパラオ諸島"ペリリューの戦い"

かつてパラオ諸島で繰り広げられた、壮絶を極めた戦い――ペリリューの戦い。

アメリカ軍は、フィリピン侵攻への足がかりとして飛行場を確保するため、ペリリュー島へと上陸しました。

それに対し日本軍は、本土決戦を少しでも有利に進めるため、時間を稼ぐ持久戦を選択。 約5万人のアメリカ兵に対し、島を守ろうと立ち向かったのはわずか1万人の日本兵――。

圧倒的な戦力差の中、命をかけて戦った兵士たちの姿が現地住民によって静かに語られています。

「私の住んでいる場所では、どんな戦いがあったのだろう」

読み終えたとき、そんな感情が芽生えるかもしれません。

【祖国に命を捧げる】この地で玉砕した日本兵が、日本へ最後に打電したのが「サクラサクラ」だった。私や子供たちがこのミドルネームを使っているのは…

戦争中アメリカ兵に果敢に攻める日本兵
 

戦争で妹を失った少年とアメリカ人少女の出会い

戦後の混乱が色濃く残る日本。

戦時中、主人公は最愛の妹を自らの目の前で失うという深い喪失を経験する。終戦後、暮らしていた家には立ち退き命令が下され、住み慣れた場所を離れざるを得なくなる。

ある日、ふと立ち退いた家を訪れると、そこには見知らぬアメリカ人の少女の姿があった――

敵国同士だった彼らは心を通わせることができるのか。戦後の混乱やアメリカとの関係が繊細に描かれ、当時の空気感が伝わってきます。

【消えない恐怖と後悔】昼休み、警戒警報。「下校せよ」の指示で、妹を連れて走るも…

戦争で妹を失った少年とアメリカ人少女が寄り添う図
 

戦争体験を後世に語り継ぐために

戦争の歴史を決して忘れてはいけません。その時代を生きた人々の声や実際の記録を、次世代に伝えることは、私たちの責任です。過去の教訓を生かし、同じ過ちを繰り返さないために、戦争の実態を知り続けなければならないのです。戦争の記憶を風化させず、常に心に留めておくことが大切です。

小説を通して、戦争の現実やその影響を学ぶことは、単なる知識にとどまらず、私たち一人ひとりの心に深く刻まれ、未来へとつながる道を示してくれます。戦争を過去の出来事として片付けてしまっては、平和の重要性を再認識することができません。

戦争の悲劇を忘れず、平和の大切さを再確認するために、今一度、過去の記憶に向き合い、そこから学ぶことの重要性を感じてみてください。それは単なる過去の出来事ではなく、私たちの未来に繋がる大切な教訓です。

平和の象徴の白いハト
 

<今回ご紹介した記事の書籍情報はこちら>

● 『乙女椿の咲くころ
  著者:倉田裕美

● 『哀瞳のレムリア
  著者:岩下 光由記

● 『鋲【文庫改訂版】
  著者:菜津川 久