このままでは気持ちでも病気に負けてしまう。今はどんなに考えても悩んでも腎臓は治らない。
それなら自分自身の「今!」を受け入れてできる事をしよう。まず、得体のしれないこの不安を払拭しなければならん。そうだ! 頭が暇だからいらん事ばかり考えてしまうのだ。
何かに集中しよう! 身体を安静にすれば頭は使ってもOKでしょうと考え、福祉住環境コーディネーターの資格を取ろうと、通信講座の資料を取り寄せて勉強を始めた。
何のためにこの資格を取るのかということより何かに集中できるものが欲しかった。そうでもしなければ不安で不安で押しつぶされてしまうと思ったからだ。
考えて腎臓が治るならいくらでも考えよう! しかし考えても解決できないどうしようもないことは、何とかして受け入れる自分になるしかない。
この勉強に集中することが長い安静期間のハリにもなると思った。勉強を始めると5か月後に資格試験があることを知り、挑戦すると決めた。毎日5時間、勉強の時間にした。
食事は1食は腎臓病食の宅配を利用したり、次男の食事は高校生だったので買い物や炊事を手伝ってもらって過ごした。この時に痛切に感じたことは、炊事が予想以上に体力を使うことだった。立っているだけでも辛かった。
2月から勉強を初めて7月にW大学の校舎で資格試験が行われた。どうしても試験を受けたかったので医者に内緒で電車でW大学まで行って、福祉住環境コーディネーター2級の試験を受けてしまった。この時32%くらいの合格率だったのを合格できた。
この資格を何かに活かせるわけではなかったけれど、『やればできる!!』と、病気を受け入れて、今後生きていくことに何かわからないが自信がついたような気がした。