【前回記事を読む】急いで危篤に駆け付けたのに、義母を看取ってあげられなかった。遅れてきたモラ夫に、開口一番「○○してこい」と言われたせいだ

ふざけんな

義母の四十九日の法要が終わって二週間ほど過ぎた七月の中旬、その日も朝帰りをした孝雄に、改めて浮気のことを聞いてみる。

「晴香さんとは、まだ続いてるの?」

「関係ないです」

「じゃあ、ほかに女の人がいるの?」

「いるわけがないだろう! 俺がそんなに信用できひんのか!」

でも……お義母さんが亡くなったあの日、朝に連絡が取れなくて会社に電話したら、終日外出予定で戻らないって言われたけど、その日も帰るのは翌朝になるってメールがきていて……どこに泊まるつもりだったの?

それから、お葬式が終わった夜も。仲間にお礼を言いに行くって言ってたけど……お葬式があった当日に、お礼を言いに来た喪主を朝まで引き留めるなんてことある?

(絶対おかしい!)

七月二十三日(土)

お昼の十二時頃、孝雄がシャワーを浴びていたので、その隙に携帯電話をチェックしてみると……晴香さんにメールを送信していた! しかも、ついさっき!

〈どうしても、たーとじゃダメなのか? たーは晴香がいないとダメなのに〉

と、もう一人! 心菜(ここな)さんという人にも。

〈明日は、東京で会議だから夜になるけど会いたい。金はその時でいいだろ〉

そしてまた晴香さんにメールを……。

〈晴香の気持ちは痛いほどわかる。ずっとホテル住まいにして悪いことをしたと思っている。だけど部屋に住めば、晴香が思ってる通りのことができるよ。住み方は、今すぐに変えられるよ。でも、たーの晴香への気持ちは、絶対どんなことがあっても変えられないから♥〉