◇

〈変わらないといけないことは、すごくよくわかってる。たーへの気持ちが変わっていないのなら、すぐに踏み出そうよ。たーが必要ないのなら捨てて行けばいい。今だって死ぬほど苦しいから、そうすればいいよ〉

               ◇

〈これから会おう、気分を変えて違うホテルで。×駅から徒歩五分の……〉

(――なんか晴香さんには、愛想をつかされかけているようやな……)

そしてふたたび心菜さんに……。

〈△駅近くのホテルを予約しよう〉

               *

午後二時頃、孝雄を最寄り駅へ送る。今日は晴香さんで、明日は心菜さん……。すべてをわかっていながら、「出張だ」と不機嫌そうに言い張る孝雄を駅まで送り届ける。私は何をやっているんだろうと思いながら……。

あんまりモヤモヤしていたので、家に戻ってから孝雄にメールを。

〈忙しいところすみません。さっき出かける時、何か腹を立てているようでしたが……私はこのまま、あなたの奥さんでいて構わないのですか? 鈍感ですみません。ちょっと気になったので……〉

それで返ってきたメールがこれだ。

〈しょっちゅう怒ったり、機嫌悪かったりしてごめんなさい。もっと話し合って仲良く暮らしたいといつも考えています。なかなかうまくいかなくて辛いです。夫婦というのは、信頼し合って過ごしていくことが一番大切だと思います。信頼を裏切らないように生きようと決めています。別れることなんか考えてもいないし、どんなことがあっても、景子と一生頑張っていこうと思っています。夫婦だから、それは当たり前のことだと思います。心労をかけてごめんなさい〉

七月二十五日(月)

孝雄から朝に届いたメール。

〈出張先からそのまま会社に向かっています。気苦労をかけてすみません。何かあったらメールをお願いします〉

そして深夜になり、電車を乗り過ごしてしまったので、隣駅まで迎えにきてほしいと電話が入った。

帰宅後にチェックした、心菜さんと孝雄のメールのやりとり。