万雷の喝采を一身に受け、光のシャワーを浴び続ける者がいる。それは僕ではないし、まして君でもない、もっと別の人。その人は、両手を高々と掲げるとこうべと共に振り下ろす。辺りには紙吹雪が舞い、観客全員が椅子から立ち上がって手を打っている。僕の夢。けれど、夢はいつか覚めるもの。……ピッ! ピピッ!目覚まし時計のけたたましい旋律が耳を刺激し、鉛のように重い瞼を開ける。「やっば……!」時計の針は、予定よりも…
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小説『Live on Stage!』【新連載】桜木 シン
何をやっても上手くいかない日々。そんなある日、僕は高校の先輩と再会した。先輩は僕の顔を見るなり泣き出したのだった……
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小説『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』【最終回】水木 三甫
買ったばかりの出刃包丁を手に、体重の全てをかけてぶつかった。倒れた体の薬指には、婚約指輪が…
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小説『カスバの女』【第13回】竹中 水前
初めてのパリ。“CHAMPS-ELYSEES”を“シャンゼリゼ”とは読めなかった。――そんな時に道路の端で女性が
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小説『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』【第13回】水木 三甫
不倫の末…頬はやつれ、目の下に濃い隈。何日も取り替えてない服はシワだらけでシミがつき、部屋は足の踏み場がないほど…
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小説『カスバの女』【第12回】竹中 水前
加藤清武、熊本県出身の二十九歳のエンジニアで一九七六年五月から家族と共にエジプトのカイロに駐在している
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小説『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』【第12回】水木 三甫
男の顔を見つめた。低い声の振動は耳だけでなく、胸の奥まで響いて…親友の旦那を奪える優越感は吹き飛んだ。
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小説『ナタリー』【新連載】福ゐ 行介
妻とは2年前に別れていた。所詮、写真だけを生業としながら家庭をもつことなど無謀としか言いようがなかった。
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小説『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』【第11回】水木 三甫
「謝礼はここに入っているから…」離婚届の提出を確認し、シャネルのバッグから銀行名の入った封筒を差し出した。
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小説『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』【第10回】水木 三甫
ホテルの入口、ためらいは一瞬で、後はただ身を任せていれば良かった。夫と同じことをしているだけだ。
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小説『Ore Joe! 俺たちの青春』【第3回】本村 雅寛
分隊は百三十人いたが、そのほとんどは...「かすかにしか残っていない生命の灯は、十メートル歩くごとに、物が落ちるような音を出して、地面に堕ちていった」
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小説『ザ・キュレーター』【第3回】そのこ+W
女は「トイレに行きたくなった、ちょっと荷物を見ていて」と有無を言わさず彼女の胸に押し付けて、ホールの奥に慌ただしく姿を消した。
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小説『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』【第9回】水木 三甫
硬直する体に構わず、若い桃のような頬に唇を当てる。首筋からさらに下へ、新鮮な匂い。しがみついていた力は抜け…
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小説『カスバの女』【第11回】竹中 水前
カフェのテラス席に陣取っている男たちは、通りを女性が通ると、食い入るように見つめながらその姿を追う。異様な光景だ
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小説『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』【第8回】水木 三甫
「好きな店でいいよ」と絶対に言わない。行く店は決めてくれるし、選ぶ店のセンスもいい。浮き彫りになる、夫の物足りなさ。
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小説『カスバの女』【第10回】竹中 水前
ブーメ大統領はフランスからの物資の輸入を禁止しようとしている。そこでフランソワタイヤに代わってニホンタイヤが…
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小説『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』【第7回】水木 三甫
「本当に食事だけですから、ね?...」ろくろを廻すことに飽き始めていた頃、強引な男性に話しかけられて…
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小説『カスバの女』【第9回】竹中 水前
「あそこのテーブルは日本大使館関係、こっちのテーブルはA商社だ。だからここでは仕事の話はあまり出来ない」
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小説『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』【第6回】水木 三甫
妻の親友の執拗な誘いを断れず、ずるずる肉体関係に。「浮気相手と後腐れなく別れたい」と、電話をかけた先は…
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小説『カスバの女』【第8回】竹中 水前
遠くからは美しく輝いて見えた街だが、中に入ると、通る人々や街に漂う匂いも含めてフランスとは違う空気が漂っている
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小説『マリファナ家族』【新連載】東 龍澄
「174番」これが、俺に与えられた新しい名だ。俺は、捕まったのだ。逮捕されたのだ