骸骨は知らなかったのだが、鎮守の森を挟んで西側に一軒の割烹旅館があった。岬には国道から二手に分かれた道があり、右は骸骨のいる神社への小径、左は知る人ぞ知る割烹旅館すぎ乃への簡易舗装路となっていたのである。その夜すぎ乃では父親の源造が忙しく調理場で包丁を使っていた。妻の京子と姉娘の洋子は和服に身を包んでいそいそと客室に料理を運んでいた。和美は一人居間で楽器を玩んでいた。今夜も何組か客があり、彼女だ…
コンテスト大賞作品の記事一覧
タグ「コンテスト大賞作品」の中で、絞り込み検索が行なえます。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
-
小説『標本室の男』【第37回】均埜 権兵衛
骸骨は少女を信じたかった。すっかりいじけてしまった心で。人を信じるということは、疑うよりもずっと難しいことなのだということを知らないまま。
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【最終回】松本 竹馬
ひっくり返った輩と赤く擦りむいた拳。「やっと本物になったぞ」僕はポツリとそう呟いた。俺はもう永遠に走れるんだ。
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第37回】松本 竹馬
蕎麦屋にヤカラが入ってきた。干渉されたくないと必死に願うも、「なあ、乾杯の音頭とってや」と言ってきて......
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第36回】松本 竹馬
目の当たりにした"大学生"の現実。大学生活は全て自分に捧げたはずだったのに、「僕は……僕は一体何をしていたんだろう。」
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第35回】松本 竹馬
「もう一回、リベンジさせろよ」3年越しにとうとうこの時が来た。威勢よくケンカを吹っ掛けるも、彼の眼中に僕はおらず......
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第34回】松本 竹馬
ようやく分かった、僕にとっての「大学デビュー」 彼女との別れを経て迎える大学四回生、そこには新たなスタートがある。
-
小説『眠れる森の復讐鬼』【第14回】春山 大樹
「復讐のために人工呼吸器を外したって言いたいのか?」激しい熱傷に、植物状態の元同級生。その夜、出歩けるはずのない彼女が目撃されて...
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第33回】松本 竹馬
彼女に言われて初めて気が付く、自分がとらわれていたものの正体。器が小さく大人になり切れない、それが僕なんだ―
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第32回】松本 竹馬
僕はおかしくなっていた。僕は家を出る彼女の背中に「ごめん……」と小さく呟いたが、その声は多分届いていなかった。
-
小説『標本室の男』【第36回】均埜 権兵衛
初めて触れた人の手だった。あの時、白い杖を渡す時触れた温かくてやさしい手、その小振りな感触は確かなものだった。
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第31回】松本 竹馬
幾度となく彼女の不倫を突き詰めるように疑問をぶつける。彼女のあやふやな返答は妄想を加速させ、ついに口に出してしまった。
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第30回】松本 竹馬
最低で吐き気がする妄想が大学生を襲う。付きまとう妄想は彼を狂わせ、彼女と過ごす幸せな時間すらも自ら......
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第29回】松本 竹馬
彼女は17歳からの2年間、かけがえのない青春を39歳のオヤジに捧げていた。その理解しがたい事実を受け入れようとするも...
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第28回】松本 竹馬
彼女の過去を理解して先へ進みたい。そう思って不倫の顛末をたまらず聞いてしまった。「中学を卒業してスカウトされた東京の事務所に...」
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第27回】松本 竹馬
彼女の過去を詮索すると... 不倫した相手の写真と共に次々に浮かんでくる疑問と怒り。なんで、なんで、
-
小説『眠れる森の復讐鬼』【第13回】春山 大樹
「相談があるの…私見たのよ」―突然の医療事故で、元いじめ加害者が亡くなった。その騒ぎの直前、看護師が見たのは…!?
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第26回】松本 竹馬
「実は...」平静を装うも、どくどくとペースを上げて鼓動する心臓。泣き出す彼女、虫の鳴き声が聞こえる中、僕らは抱き合った。
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第25回】松本 竹馬
霧島温泉旅行中に旧友と遭遇!“彼女じゃなくてセフレ”発言に動揺を隠せない僕。もう友達ではなくなったんだろうなーとぼんやり思った。
-
小説『標本室の男』【第35回】均埜 権兵衛
行方を晦ました骸骨。代わりに別の骸骨を置くと患者たちが勝手にクリーニングに出していたと決めつけてしまい…
-
エッセイ『僕の大学デビュー天下取り物語』【第24回】松本 竹馬
テレビで見たあの子と付き合うことに!? しかし、これでいいのだろうか。しこりは残らないだろうか......