二あの頃から、長年世阿弥と元雅の背中を追い続けてきて、その距離を少しは縮めることができたのか、氏信はいつまで経っても自信が持てないでいる。元能の書き物の理由を知ったのは、ずっと後になって、出家の決意を打ち明けられたときのことだった。能の芸において元重や元雅に遠く及ばず、能作の才も無い自分が何かの役に立てるのだろうかと悩んだ末に、元能なりに出した一つの結論であった。世阿弥が伝書に書き著したことども…
時代小説の記事一覧
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小説『遥かなる花』【第3回】佐々木 祐子
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