バスが通っていき、空き地からタクシーが脱出した。あさみはひざの上の大きくかさばった荷物と胸の間のすき間で、小爪をいじっていた。いま結婚を前にして幸せではあるものの、娘時代への別れは涙なしにはできない。「あたしは忙しいの。母校を訪ねてる暇なんかないわよ」理緒子は現在、キー一つを一晩かけて考えるようなプログラミングの仕事をしている。そして、化粧品会社の総務部で働くあさみの倍近い高給を得ている。今はそ…
昭和の記事一覧
タグ「昭和」の中で、絞り込み検索が行なえます。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
-
小説『29歳、右折の週』【第5回】言田 みさこ
私の片耳をピッタリと両手で囲い、舌が上あごからピチャッと離れる音まで聞こえるいやらしいひそひそ声で、えげつない話をたくさん聞いた。
-
小説『海のように深く、大地のように温かい』【第8回】天馬 ときわ
「お父さんが死んでしもたんや。そろそろこっちに戻ってきたらどうやろう」葬式の日、北海道で就職した一人息子に本心を明かした
-
小説『29歳、右折の週』【第4回】言田 みさこ
淫乱な女は14、15歳で既に男を錯乱させる光を持つと言う。15歳の理緒子に対して、7つ上の兄は「男の目」になっていた。
-
小説『海のように深く、大地のように温かい』【第7回】天馬 ときわ
家族が営む鮮魚店。週末の宴会場は満員御礼の大忙し。厨房では、4歳の娘までもが大切な労働力!
-
小説『29歳、右折の週』【第3回】言田 みさこ
職員室に入り込み、めぼしい話を盗み聞きしようと、机がひしめく狭い通路を四つん這いになって這って歩いていた彼女…
-
小説『海のように深く、大地のように温かい』【第6回】天馬 ときわ
勝浦温泉まで新婚旅行。丸くふっくらしたゴマアザラシのような模様の貝を手渡した。
-
小説『29歳、右折の週』【第2回】言田 みさこ
世の中を笑っていた。笑うことが好きだ。そしてあたりを射抜くように見ている。
-
小説『海のように深く、大地のように温かい』【第5回】天馬 ときわ
宴会の片付けが終わった帰りの山道。月を見ながら好きな女の子への想いをつぶやきながら自転車を漕ぐ
-
小説『29歳、右折の週』【新連載】言田 みさこ
真面目で優しい彼と婚約。なのに、女子高時代からの気の強い友人からは妥協して選んだのではないかというようなことを言われ…
-
小説『海のように深く、大地のように温かい』【第4回】天馬 ときわ
磯吉商店は宴会で大忙し!夫を諦め家族、商店を支える妻の思い
-
小説『海のように深く、大地のように温かい』【第3回】天馬 ときわ
予約で大忙しの宴会当日に魚の配達に出たきり消えた夫に怒り心頭!
-
小説『海のように深く、大地のように温かい』【第2回】天馬 ときわ
喉がカラカラの暑い日に飲むキンキンに冷えたラムネは最高!
-
小説『海のように深く、大地のように温かい』【新連載】天馬 ときわ
古き良き時代の城下町、常磐町。この町の魚屋・磯吉商店の物語が今始まる
-
小説『金の顔』【最終回】菊野 啓
母と子の関係はあらぬ方向へ発展しつつあります。
-
小説『金の顔』【第33回】菊野 啓
何があろうと自分は一生亀を食わない
-
小説『金の顔』【第32回】菊野 啓
映画でも観に行かんで
-
小説『金の顔』【第31回】菊野 啓
タミちゃんはパパのお宝だよ
-
小説『金の顔』【第30回】菊野 啓
旅館はどこにでもあるけんど、偉人はめったにおらんもん
-
小説『金の顔』【第29回】菊野 啓
このまま学校へ行かなくてすめばいいのに
-
小説『金の顔』【第28回】菊野 啓
長女を百姓屋へやったことを、心底後悔していた