【前回の記事を読む】「余は朝廷にお味方しようと思う」十八歳の藩主は決然と口にした。それは彦根藩井伊家が徳川家に反旗を翻した瞬間だった母はすでに部屋で待っていた。「母上、ただ今戻りました」彼は両手をついて母に言った。「お帰りなさい。芳蔵には会いましたか」「はい、会いました」「では、芳蔵から聞いていますね」「いえ、何も聞いていません。母上からお聞きするようにと言っておりましたが、父上の身に何かあった…
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小説『岐路』【第4回】田中 建彦、田中 充恵
「徳三郎、十日後には江戸にお発ちなさい」父だけでなく十八の息子も手放すことは、母の表情をどことなく寂しくさせた――
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小説『鼠たちのカクメイ』【第24回】横山 由貴男
「抵抗すれば殲滅あるのみ」――バリバリッと音がして、塾生や農民たちの悲鳴が…やりよった。この時代に官僚が民衆を傷つけるなど…
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小説『今は令和と申すのか』【第7回】おおいわ 美紅
「その朝の寝息ってさあ、夜這いじゃないの?」彼は何を言いたかったのだろう。ずっと、ずーっと、と言ったその先。
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小説『みわがしろ』【新連載】長石 潔
物語は九州にある美しい城の伝承の謎に迫る若い侍が真相を知る語り部との出逢いから始まる
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小説『鼠たちのカクメイ』【第23回】横山 由貴男
「退がれ、さが…」大塩平八郎の声さえ飲まれていく。本隊はもはや烏合の衆。今攻撃されればひとたまりもない…と、その時突然!
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小説『タケル』【第7回】中村 東樹
厳しい母親に守られ、嫁に欲しいという申し込みもすべて拒絶。本人ももっぱら機織りに精を出していて…
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小説『鼠たちのカクメイ』【第22回】横山 由貴男
ああ、ぎりぎりの命のやりとり…俺はやはり、生まれる時代を間違えたな。――引き金を引くと、直後大男が倒れるのが見え…
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小説『義満と世阿弥』【第6回】貝塚 万里子
生きる意味を求める将軍義満の深夜の問い──星空下、義満と世阿弥が語る「前世の記憶」と「この世の意味」
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小説『鼠たちのカクメイ』【第21回】横山 由貴男
「米粒ひとつ残ってねえ!」…これが最初のほころびだった。大塩率いる一党は静まり返った。米や貴重品が運び去られていたのだ。
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小説『縁 或る武家のものがたり』【第8回】伊藤 真康
「もはやこれまで。殿…今わたくしも参ります」――大坂夏の陣、轟音が響く大坂城内。我が子をかかえて震えていると、夫の凶報が…
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小説『克己』【第2回】河﨑 浩
〝粗末な〟刀にしか見えないが、触った瞬間、忠賢は、マムシと呼ばれていた男の顔を〝まじまじ〟と眺めた。「血を吸うて、おるな?」
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小説『鼠たちのカクメイ』【第20回】横山 由貴男
(憎悪の色とは、このようなものか)…火矢が次々とあびせかけられ、界隈随一の大店が炎上。大坂の空が紅蓮に染まっていく。
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小説『鼠たちのカクメイ』【第19回】横山 由貴男
「米を買い占めて値を吊り上げ、飢える者横目に暴利を貪る悪徳商人…天誅!」けたたましい銃声のあと、ゴトン。看板が地に落ち…
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小説『岐路』【第3回】田中 建彦、田中 充恵
「余は朝廷にお味方しようと思う」十八歳の藩主は決然と口にした。それは彦根藩井伊家が徳川家に反旗を翻した瞬間だった
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小説『今は令和と申すのか』【第6回】おおいわ 美紅
私でも気づけるサインで教えてほしいと願った結迦。「……信長さまなの?」夜明け前に現れたのは
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小説『鼠たちのカクメイ』【第18回】横山 由貴男
大塩平八郎自ら邸に火矢を放ち退路を断つ。率いる一党二十五名が行列をなし天満橋を渡る
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小説『タケル』【第6回】中村 東樹
大王の宮殿の背後には神々が鎮座される三輪山が聳え、山の麓には箸墓と称される巨大な墳墓が建造されていた
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小説『鼠たちのカクメイ』【第17回】横山 由貴男
おふくろは捕まる前にオイラを肥溜めの中に隠してくれて、言ったんだ。「あんたは父親みたいになるな。」って
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小説『義満と世阿弥』【第5回】貝塚 万里子
足利義満と世阿弥、18歳の征夷大将軍と13歳の能役者。身分も姿も対照的な二人…いつ迄もこの仲が続く訳が無い。
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小説『鼠たちのカクメイ』【第16回】横山 由貴男
まさか、今のこの泰平の世に謀反の狼煙を上げようなどという者がいるのか? しかも聞けば首謀者はわれらの仲間…