大坂夏の陣(一六一五年)が終わり、江戸の世が本格的に始まろうとしていた元和(げんな)年間の頃、武蔵の国のある小さな藩に、奥貫宗佐隆清(おくぬきそうざたかきよ)という名の若者がいました。父親の宗助は中堅の武士として藩主の高瀬氏に仕える傍ら、余技として篠笛をたしなむという一面を持っていました。その長子として生まれた宗佐は、幼い頃から聡明な上に武芸の才の片鱗も見え、両親も行く末を大いに恃(たの)んでい…
ミステリーの記事一覧
タグ「ミステリー」の中で、絞り込み検索が行なえます。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
-
小説『指切り宗佐 愛恋譚 』【新連載】星河 三郎
九の歳に重い疫病を患って両目を失明。息子の行く末を思いわずらっていたら、藩内でも有数の篠笛の吹き手に
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第8回】ホエラニア
「なぁ、何か言って」そっと肩に触れる。教えてくれよ、お前に何があったんだ? 何か言ってくれよ、泣くだけなんておかしいだろう、お前、お前。
-
小説『スクリーン』【第5回】山田 健太郎
天井をぼーっと見続ける。やっていない証拠、もしくは目撃者などいなかっただろうかと…
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第7回】ホエラニア
殺してやる...背中でもさすってやろうとした途端、お前の体が跳ね、僕の手が振り払われる。隻眼が僕の目を貫き、僕に襲いかかり、確かにこう言った。
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第6回】ホエラニア
そこから血と鼻を突く臭いがして、ゴミ袋を見やる。お前の服が死んだねずみの塊みたいに固まっている。
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第5回】ホエラニア
死に直面した人間が吐き出すような絶叫に、尋常でない様子の親友を訪ねる。扉が人一人分きっちりと開いて、僕の目の少し下辺り、お前の頭が揺れている。
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第4回】ホエラニア
ライブ配信中に親友が上げた叫声。どんなホラー実況よりも恐ろしい叫びに、一瞬にして実況画面は混乱に陥った。これは記憶の中の音で幻聴なのだろうか。いや、僕は知っている...
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第3回】ホエラニア
「いたあああああいいいいいいいいよおおおおお」錆びた釘束を血反吐と一緒に吐き出しているような悲鳴が、かろうじてお前とわかる声音で耳をつんざいた。
-
小説『眠れる森の復讐鬼』【第22回】春山 大樹
「糞したんだ。換えてくれ」と股間を指差しながら言われて絶望。何故私がこんな奴のオムツ交換をしないといけないの?
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【第2回】ホエラニア
予定の時間に来ず、電話に出ず、配信をすっぽかし、僕を無視する。この十数年間を共にした僕を。
-
小説『綻ぶ糸を手繰り寄せ[注目連載ピックアップ] 』【新連載】ホエラニア
玄関を覗いたが、物音一つ気配すらなかった。数通まとめてメッセージを送った。注意、怒り、心配、呼び掛け。だが、お前はいない。
-
小説『悪魔に下す鉄槌』【第2回】南 十士郎
僕はこの仕事をしていると頭が痛くなる。社会の端っこの隅っこで生きる僕たちの仕事――生きる資格がない者のものと自覚していた
-
小説『眠れる森の復讐鬼』【第21回】春山 大樹
「あなた、まさかあの患者が人工呼吸器を止めたと言いたいの?」全身火傷に昏睡状態だった彼女。でも確かにあの夜目撃したのは…
-
小説『約束のアンブレラ』【最終回】由野 寿和
彼はあんなずさんな殺人を犯す人間じゃなかったはずだ…。事件は解決したのに胸騒ぎがする。刑事の前に現れた少女は、真っ赤な傘を手渡して…
-
小説『白い陥落~看護学生あずみの事件簿 2~』【第7回】叶浦 みのり
運ばれた急患に嫌な予感がよぎる。まさか、そんなはずがない。そう思って、確かめにいくことに…
-
小説『ラーゴ 』【第7回】そのこ+W
コンサートと夜景の余韻に浸りながら幸せを噛みしめる。そんな中、後日出会ったペルー人に……?
-
小説『約束のアンブレラ』【第19回】由野 寿和
犯人が事もあろうか共に捜査をしていた警察官だった…パトカーを見送るなり、その場に膝をついて頭を下げた
-
小説『約束のアンブレラ』【第18回】由野 寿和
「なぜ殺す必要があった?」その問いに虚ろな目をした犯人は雨に打たれながら言葉を紡いでいく…
-
小説『シウカラ』【第6回】山田 光美
「彼は、死ぬ間際にあるコトバを残した。“ヒエタノアレモコロサレキ”」…ヒエタノアレ? 聞いたことがある、確か『古事記』の…
-
小説『約束のアンブレラ』【第17回】由野 寿和
嘘だ、嘘だ…。なぜ婚約者は死ななければならなかったのか。ことの発端は刑事の「交通事故」?