善右衛門は恭しく跡部に酌をしながら、お知恵を拝借、と遜る。「俺が袖にしたからお主の所に参ったか、あの偽善者め。無論、断れ!」「せやけど、江戸より赴任されたばかりの跡部様はご存じおまへんやろが、大塩様はここ大坂では絶大な人気をお持ちの正義漢ですわ。厄介なことにならしまへんやろか」ここで大塩平八郎の与力時代に触れよう。そもそも与力とは、奉行というキャリアからの直接指揮と幕府からの報酬を受ける身分。職…
コンテスト特別賞受賞作品の記事一覧
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小説『鼠たちのカクメイ』【第6回】横山 由貴男
「拙者を捕らえれば、お主の上司も泥をかぶる…今から覚悟をしておけ」不正した役人の言葉。腐敗は幕閣まで浸透している…?
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小説『鼠たちのカクメイ』【第5回】横山 由貴男
天保の大飢饉…ノンキャリOB・大塩平八郎が、キャリア官僚に殴りかかる!「た、た、立場をわきまえよ!」「なんやとコラ」
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小説『鼠たちのカクメイ』【第4回】横山 由貴男
農村部では毎日200人以上、総人口の4%が餓死した天保の大飢饉。この日の淀川にも、餓死した民衆の死体が…
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小説『鼠たちのカクメイ』【第3回】横山 由貴男
【浪人×殺し屋少年】自分を殺そうとした少年の手に、拳銃を握らせた。「今日からおまえの雇い主は俺だ。」と…
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小説『鼠たちのカクメイ』【第2回】横山 由貴男
野良犬がたむろしている。何かを争って食っているようだ。犬たちを石で追い払うと、そこには真新しい遺体が…
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小説『鼠たちのカクメイ』【新連載】横山 由貴男
尾行の気配に追手をおびき寄せて始末しようと仕掛けさせると十代半ばの少年のようで…
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エッセイ『「彼」とのこと』【第4回】岡林 由希子
彼は旅立って行った。十三歳だった。私は生前、滅多に触らせてもらえなかったほっぺを撫で、彼に別れを告げた。
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エッセイ『「彼」とのこと』【第3回】岡林 由希子
右手に障碍のある愛犬。ある日、裂傷を負い、歩くことが難しくなった。右手が引っ掛かるような足の運びで…
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エッセイ『「彼」とのこと』【第2回】岡林 由希子
愛犬との騒がしいけれど愛しい日々。それは、永遠に続くかと思われた幸福だった… 。九年目の夏、彼は体調を崩した。
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エッセイ『「彼」とのこと』【新連載】岡林 由希子
血統書付きの血筋をもつ「彼」に心臓をブチ抜かれ、恋に落ち、夢中になった私