写真を拡大草の上にごろりと横になり、手足を大きく広げて空を眺めているリョウの視線の先には、初夏の空が高く澄みわたっている。周りでのんびり草を食んでいる羊の群れを、そのまま天に映したかのような、丸くて白い雲がゆっくりと流れていた。ついふた月ほど前には、川も沼も氷で固く閉ざされていたのに、短い春はあっという間に過ぎ、これからの三ヶ月はリョウが最も好きな季節になる。陽は中天を過ぎてしばらく経っていたが…
歴史・地理
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『百名山心象風景』【第6回】平山 喜代志
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『嵌められた光秀』【第6回】根木 信孝
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『いにしえの散歩道』【第9回】大津 荒丸
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『テクテク琵琶湖渚を一周してみたら』【第3回】原田 道雄
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『タケル』【第9回】中村 東樹
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