【前回の記事を読む】【四国お遍路巡礼】退職後に挑んだ1300キロ。ガイドブックでは語れない、人生を見つめ直す旅の記録
序章 修行の「四国辺路」から巡礼の「四国遍路」へ
四国八十八ヶ寺お遍路は、全行程が四つに分けられています。これは、修行を通して悟りに至る仏道を、四段階にまとめた「四門」(「発心・修行・菩提・涅槃」)という仏教用語に基づいています。
徳島県(阿波の国)にある1番札所霊山寺(りょうぜんじ)から23番札所薬王寺(やくおうじ)までは、「発心」(発菩提心)修行への志をかためる区間(約240キロ)。24番札所最御崎寺(ほつみさきじ)から高知県(土佐の国)に入り、39番札所延光寺(えんこうじ)までは、自らと向き合って苦闘する「修行」区間(約430キロ)。
40番札所観自在寺(かんじざいじ)から愛媛県(伊予の国)に入り、65番札所三角寺(さんかくじ)までは、迷いから解かれる「菩提」区間(約410キロ)。そして、66番札所雲辺寺(うんぺんじ)から香川県(讃岐の国)に入り、88番札所大窪寺(おおくぼじ)(結願の寺)までは、悟りに入る「涅槃」区間(約170キロ)。
このようにして、約1300キロを巡拝しながら修行を重ね結願に至る。これが四国八十八ヶ寺お遍路です。

苦楽をともにした菅笠