十このたびの戦では、わたくしは勝った側にいる。戦場は遠く離れていて、片倉領は焼かれることも、打ち壊されることもなくて済んだ。阿梅は負けた側にいた。立場が逆だったら、わたくしは、まだ幼い娘は、どうなっていただろう。武家に戦はつきもの。明日は我が身と思えば、阿梅の辛さや悲しさは他人事ではない。わたくしは思わず阿梅の手をとった。「大八君のことは大丈夫です。心配はいりませぬ。お父上のご家来だった西村どの…
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小説『幸村のむすめ』【第10回】伊藤 清美
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小説『犬の三楽斎』【第3回】上泉 護
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小説『幸村のむすめ』【第7回】伊藤 清美
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小説『犬の三楽斎』【新連載】上泉 護
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小説『大江戸弘メ帖 第一編 東錦絵』【最終回】渋谷 松雄
「『時分の色で、自分の色』を作りましょう」誰も見たことがない色の着物を求めるワケは…
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小説『幸村のむすめ』【第5回】伊藤 清美
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小説『幸村のむすめ』【第4回】伊藤 清美
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小説『幸村のむすめ』【第3回】伊藤 清美
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小説『大江戸弘メ帖 第一編 東錦絵』【第8回】渋谷 松雄
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小説『幸村のむすめ』【第2回】伊藤 清美
雑兵と見えた少年は少女で、しかも、敵将の娘...? これは一体...
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小説『大江戸弘メ帖 第一編 東錦絵』【第7回】渋谷 松雄
上品な老武士の探し物「“江戸のしばやの土産”はないか?」
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小説『幸村のむすめ』【新連載】伊藤 清美
【小説】「目に鮮やかに焼き付いた」一人の小柄な雑兵の身のこなしとは
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小説『大江戸弘メ帖 第一編 東錦絵』【第6回】渋谷 松雄
“私しない”ことが一番大事...?僕がここで働くのは、“町”のため...!?
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小説『大江戸弘メ帖 第一編 東錦絵』【第5回】渋谷 松雄
【小説】「東都の名橋」の永代橋…欄干にもたれ、胸一杯に海の香りをかいだ