羽左衛門の油見世では『艶顔香』と名付けた髪油を売っていた。全く売れなかった。羽左衛門は顔に痘痕(あばた)があり、背の低い小男で、“魚のような顔だ”といわれた男である。とても「艶顔」ではなかった。誰も信用しなかったのである。羽左衛門には芸の力はあったが役者としての華がなかった。暗い。“油見世折ふしいてははやらせる”自分の見世に、役者が時々来て、客に挨拶して、見世を繁盛させるという川柳である。「どう…
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