5 家出「ほれとさっきから気いになんりょんじゃけんど、マッちゃんおまはん、口を手で押さえとるんは、歯がどなんぞしたんで」逸美叔母さんが母の口元を見ながら聞きました。「コケて折れたんよ。時間がのうてほのままにしとる」母は手で隠した口をもごつかせます。父に殴られて前歯を折られたのでした。「政夫はんにやられたんとちゃうん」「土間の敷居につまづいてコケただけじゃけん。ほこい石臼が置いちゃあって、まとも…
昭和の記事一覧
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小説『金の顔』【第29回】菊野 啓
このまま学校へ行かなくてすめばいいのに
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小説『金の顔』【第28回】菊野 啓
長女を百姓屋へやったことを、心底後悔していた
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小説『金の顔』【第27回】菊野 啓
どんな相手も母を超えることはできなかった
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小説『金の顔』【第26回】菊野 啓
大きな風呂敷包みが母の背中に乗っていました
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小説『金の顔』【第25回】菊野 啓
祖父はせせら笑い、祖母は無視を決め込みました
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小説『金の顔』【第24回】菊野 啓
血縁関係を疑うほど似ていません
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小説『金の顔』【第23回】菊野 啓
取って付けたような涙は偽物です
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小説『金の顔』【第22回】菊野 啓
痛くないのが死だと納得しました
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小説『金の顔』【第21回】菊野 啓
即席ラーメンは夢のような食べ物だった
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小説『金の顔』【第20回】菊野 啓
放射能は身体に良いとさえ思われていた
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小説『金の顔』【第19回】菊野 啓
歯医者が嫌いなので放置してありました
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小説『金の顔』【第18回】菊野 啓
阿呆の一つ覚えみたいに「救急車」を繰り返す
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小説『金の顔』【第17回】菊野 啓
百姓ほど辛いもんはないんでよ
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小説『金の顔』【第16回】菊野 啓
人間の保つ感情のうちで最も愚劣で厄介なもの
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小説『金の顔』【第15回】菊野 啓
その時、私は『金』が人間の害悪だと理解しました。
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小説『金の顔』【第14回】菊野 啓
大貧民しよってちょっと熱うなっただけじゃ
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小説『金の顔』【第13回】菊野 啓
ほな、ユウザイと思う方は手を上げてください
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小説『金の顔』【第12回】菊野 啓
ほんなことしてただですむと思うとんか
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小説『金の顔』【第11回】菊野 啓
化け猫が出たんとちゃう
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小説『金の顔』【第10回】菊野 啓
悪いことしとらんでも早死にの人もおる