(1)「僧形のままここへ来れば、そなたの、これまでの苦労が水の泡になってしまうではないか」寺に寄りつかなかった理由を、曇明(タンミン)師はちゃんと、察してくれていた。「よく、ここが、おわかりに……」「さがしたぞ。長いあいだ、行方をくらましていたな。もっとも、そなたは、幼少時から放浪していたから、慣れっこであったかな?」「すみませんでした」「あやまる必要はない。われわれに居所をかくしておくことが最…
[連載]花を、慕う
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小説『花を、慕う』【第47回】堀田 冀陸
めぐりあった花の記憶…生きていれば、またいつかどこかで
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小説『花を、慕う』【第46回】堀田 冀陸
「なぜ変装を?」太い眉の下で少年のような目が笑っている
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小説『花を、慕う』【第45回】堀田 冀陸
目の前に道が見えていれば、人はどんなことでも耐えられる
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小説『花を、慕う』【第44回】堀田 冀陸
私は、ただの屋台曳きにもどった。いよいよ消されるのか…?
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小説『花を、慕う』【第43回】堀田 冀陸
初めて酒を飲んだ夜「世界は美しいのかもしれない」と思えた
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小説『花を、慕う』【第42回】堀田 冀陸
内情は一切明かさぬ、常識ではかれぬ、不可思議な組織
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小説『花を、慕う』【第41回】堀田 冀陸
「妨害したのはアイツだ」さらに厳しくなる監視の目
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小説『花を、慕う』【第40回】堀田 冀陸
「できるはずもない。人助けなど」…自分の無力さが身にしみた
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小説『花を、慕う』【第39回】堀田 冀陸
「この宝を守らねば…」アザのある白い手をとり私は心に誓った
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小説『花を、慕う』【第38回】堀田 冀陸
絶句。……江南一の舞姫が、ぼろをまとって目の前に。
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小説『花を、慕う』【第37回】堀田 冀陸
少女の顔が曇った…「大丈夫、ここは人さらいが来ない場所だ」
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小説『花を、慕う』【第36回】堀田 冀陸
紫禁城の通用門に髪の乱れた少女が…「この子は私の身内です」
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小説『花を、慕う』【第35回】堀田 冀陸
この娘は売り飛ばされる…妹のおもかげが少女に重なって見えた
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小説『花を、慕う』【第34回】堀田 冀陸
手わたされる銀は、ひき裂かれた親子の、泪の結晶かもしれない
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小説『花を、慕う』【第33回】堀田 冀陸
あれは、人のやることじゃない。ひとでなしだ。
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小説『花を、慕う』【第32回】堀田 冀陸
ふつう男の子って、そこらじゅうをうろうろするもんじゃない?
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小説『花を、慕う』【第31回】堀田 冀陸
ここなら人生やりなおせるんじゃないかと思ってね。
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小説『花を、慕う』【第30回】堀田 冀陸
あるけば何十日かかるかわからない、僻遠の地である
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小説『花を、慕う』【第29回】堀田 冀陸
世の中をうまくわたろうというのなら、思ったままを言うものではない。
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小説『花を、慕う』【第28回】堀田 冀陸
自分たちにとって利用価値があるかどうか、それだけだ