【前回の記事を読む】「いつまでも同じことを何べんも言うなーーーー!!!」腹の底からしぼり出すような大声で私は父に向かって怒鳴っていた父と母と三人で京都市内へ車で出かけた時のことである。京都は観光地だが、駐車場が充実しているとはいえず、いつも車を停める場所を探すのに苦労するのだが、この日も駐車するところに困っていた。突然、父はこの近くに銀行があるから、そこの駐車場に停めさせてもらうわと言い出した。…
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エッセイ『続・人災 子どもは親を選べない ~“毒親”は“家”を滅ぼす~』【第9回】深草 カオル
【毒親】高校生の貸し切り車両のど真ん中を陣取る父親。「何や、おまえ、恥ずかしいのか」何か言えばこう返されるに決まっている
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小説『ツワブキの咲く場所』【第17回】雨宮 福一
ペットのハムスターを庭に生き埋めにした。手のひらに、脈打つ小さな心臓。皆が私の方を見た。私を、見てくれたのだと思った。
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小説『迷いながら揺れ動く女のこころ[人気連載ピックアップ]』【第14回】松村 勝正
「あなたこそ最近色気が出てきたみたいよ」と意地悪した。「若返ったみたい。ご主人もびっくりなさいますよ」と言われたから…
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小説『スクリーン』【第6回】山田 健太郎
明日、突き落としたと話そう。そう思うと、留置所に入って初めて肩の力が抜けた。――無罪の男子高校生が自白を決意し…
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小説『揺れ動く女の「打算の行方」[人気連載ピックアップ]』【第3回】松村 勝正
母は三十五歳までには結婚してもらいたいらしい。今私たち三十三でしょう、後二年しかないよね、憂鬱だね…
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第15回】三上 ミカン
「彼氏欲しくない?」「うん! 私も彼氏作りたい」大学入学で憧れの東京、そしてモデルのように綺麗な女の子と渋谷のクラブへ
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エッセイ『良子という女[注目連載ピックアップ]』【第34回】野村 よし
妻の冴えない表情が、私の心を重くしていた。今回私の悪い予感はすべて当たった。それを考えるとぞっとした。
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エッセイ『Passengers[注目連載ピックアップ]』【新連載】桂 真風
出血、空気漏れ、再発の兆候等、外科医はいつも様々な不安を抱えている。これらの不安を解消するために…
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小説『真夜中の精霊たち』【第6回】新見 上
彼女の瞳の色を、彼は生涯、忘れられなかった。彼女にキスをしたいという堪え切れない衝動が同時にこみ上げてきて......
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小説『箱船へいらっしゃい』【第6回】葛西 雄一郎
赤い光がチラ、と目についた。あれはひょっとして…一攫千金を求めてスズキ青年がとった行動とは
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小説『海の梵鐘』【第6回】波方 遥
「あなたってそういう人だったのね」好きだった担任の先生からの一言は、千津の心に深く刺さった…
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評論『自然災害と大移住――前代未聞の防災プラン[注目連載ピックアップ]』【第25回】児井 正臣
現在は1兆円を下回る水準に。国の治水予算は2000年度頃までは年1.3兆円程度に達することもあったが…
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絵本・漫画『アリとかげろう』【最終回】日比 優彦,ポンヌフ 関
クヌギの木の下、西の空で太陽が沈むころに始まるアリとかげろうの出会い。一日中働いたアリは満足感に浸っていたが…
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小説『迷いながら揺れ動く女のこころ[人気連載ピックアップ]』【第13回】松村 勝正
終わった後、お隣にいたご婦人が声をかけてくれた。年齢も話も合いそうだが、一つだけひっかかった言葉があって…
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小説『ツワブキの咲く場所』【第16回】雨宮 福一
まだ幼い妹を憎み、重ね合わせた…見殺しにした女の子と。丸裸に剥かれ、ぷらぷら揺れる小さな足に、黄色の靴下。
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小説『ベースボールよ、新たな夢へ!』【第6回】村上 正
親に言われて仕方なく勉強していた僕。中学校の野球部と近所の女の子への思いを胸に、受験勉強に励み始める――
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小説『揺れ動く女の「打算の行方」[人気連載ピックアップ]』【第2回】松村 勝正
彼の母親の「私は認めませんよ」と言う言葉。マザコンだった元カレから言われた言葉に自尊心を砕かれ、今でもトラウマになっていた
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第14回】三上 ミカン
「受験が無事に終わるまでは見届けたくて……ごめんな」別れ話をした後、私たちは何時間も抱きしめ合って二人して泣いていた
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エッセイ『良子という女[注目連載ピックアップ]』【第33回】野村 よし
妻は明らかに好転していた。懸案はオナラである。まだ出ない。早く出てほしい。促すように私は見本を一発やった。
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エッセイ『保健師魂は眠らない[注目連載ピックアップ]』【最終回】真秀場 弥生
私の初仕事は新興宗教の信者の集まりに対しての健康教育。保健師は、「お祈りの前座の余興」のために呼ばれたようなものだった。