地球上で、もっとも獰猛な動物は人間、そして、全生物のなかでもっとも絶滅の危機に瀕しているのは、人間の子、ことに、日本国に住む子どもたちである。
はじめに
地球は、太陽系のかけがえのない一惑星です。本著の目的は、その地球の日本に住む一人ひとりに貢献できる「ICF(=国際生活機能分類)に基づく健康福祉」の創造です。
これは、「2000年までに、否それ以降もすべての人に健康を」(アルマ・アタ宣言・WHO1978年)が 20世紀に果たせなかった夢でもあります。
平成時代の 30年間は、第2次世界大戦後の廃墟から構築してきた日本のサービス・制度・政策の抜本的改革が進まず、再構築が先送りされた 30 年であったと言えましょう。
2000(平成 12)年に初めて一人ひとりを対象とした40歳以上から介護保険料を払いながら65歳から受給する介護保険制度が成立しました。高齢化が30%に達しました。22年目の2023年に「2025(令和7)年度改正」が発表されました。
しかし、0歳(受生児)から39歳までの健康に関する社会保障制度は、世帯単位の原則を基本とした生活保護法と親や本人の医療保険に基づいています。そのため一人ひとりの子どもの受診は親の判断に委ねられることになり、状況によっては諸問題が起きています。
ICF の構造(= mechanism)と方法(= method)は、次のようになっています。
⚫かけがえのない地球の日本に住む地球人の叡智の結晶の中で、人類社会(= The human family)の進化過程で培われてきた人間の躰の構造・機能に基づいた「健康な生き方がある」
⚫すべての人間は、「各自の一生の過程で、自助(=他人に頼らず、自力で向上発展を図ること:日本語大辞典第二版・p933)のできない困難な時期を持つ直立二足歩行の社会的存在である」
⚫一人ひとりが「生を受けた受生時から健康な生き方を会得し、良いライフサイクルで生きる事は、次の世代への責務であること」を真摯に受け止め、尊厳ある死までの一生(=Life)の健康を維持できるように支援する個人と地域(=community:生活協働体)と国家の互恵性を持つ健康福祉のサービス・制度(=system)・政策を想像する学問である。
⚫地球環境の有限な諸資源や動植物など必要最小限に消費しながら、しかも、有限な諸資源や動植物の新生・再生力を高め、次の世代に緑豊かで住み良い地球環境を引き継ぐこと。
「約第13条教育権)」と戦争のない世界の平和の維持に貢献できる 21 世紀日本の社会制度の根幹をなすものである。