【前回の記事を読む】健康寿命を伸ばす究極の方策「テロメアが長寿を伸ばす方法の鍵であり、どのように老いるかを左右するのは、細胞の健康状態なのだ」

はじめに

第2次世界大戦後の日本の社会福祉と医療制度は、申請主義の事後医療・事後福祉で経過しています。

そのため、生活保護家庭は、生活保護法の世帯単位の原則のもとに、子どもたちの成長発達に応じた食費や被服費の全額支給は、世帯主へ支給するため、なかには両親の喫煙・飲酒・ギャンブル等に消えて、成長発達に応じた食事や清潔保持や季節の衣服が整えられない子の現状があります。

さらに、核家族や一人親の子どもたちは、離婚した夫からの養育費が滞るか来なくなり、シャカリキの母と子どもたちの我慢が続く状態です。

本著は、筆者自身の体験と学び得た知識と意味ある人生を生き続けたいと願って、21世紀の地球環境の悪化と地震災害の不可避な日本において、健康を願うすべての人(=受生時から)に対して、一人ひとりがQOL(=Quality of life:生活の質)を高めながら健康福祉(=The Health of Well-being)で安全(=許容されるリスクを考慮)に、安心して、住み慣れた地域で暮らすことのできる社会制度としての健康福祉のサービス・制度・政策の構築と「平和なくして福祉なし」(一番ケ瀬康子言)の世界に寄与する行動を誓うものです。

読後の皆様から、忌憚のないご意見をいただき、21世紀に「健康福祉学」が確立し、一人ひとりの健康が維持できて、安心で安全な生活のできる平和な日本が維持できる発端になれば幸いです。

第1章 健康福祉の原点

第1節 直立二足歩行の進化過程にある動物としての宿命

全動物のなかの人類は、地球環境のなかで唯一の直立二足歩行を進化させながら、脳を発達させ、上肢を自由に使えるようにしながら道具を使い、食料や物を持つ機能を獲得し、牙や尻尾を消失(今日でも先祖帰りの子が生まれる事もあるが…)させ、躰に動物の皮等をまとい体毛を薄くし、木から土に降りて海と川の傍でクリやドングリを育て定住をも可能にしました。

しかし、脳の発達が大きく(今日の重量は1,200~1,500g)なり、発達は目覚ましいが、脳を支える首は太くならず、頚部内は気管と食道が並列しているため、嚥下機能の未熟や老化による退行現象が起きると「誤嚥」の危険性が高くなります。

例えば節分が近づくと日本では、「5歳以下の幼児は豆を食べないように」と注意を呼びかける場合があります。また嚥下機能の低下した高齢者が誤嚥で死亡する事故も後を絶たない状態です。

脳の重量は、体重の約18%ですが、重量当たりのエネルギー消費量は、900Kcalですので、十分な栄養しかも朝の蛋白質・脂肪・たっぷり赤・白・黄・黒・緑の5色の野菜・海藻類の食事とたっぷりビタミン類の摂取が必須です。