【前回の記事を読む】「あなたはほんとロマンチストだね…」新聞社に勤める夫が、グランドピアノの美しさを聞いたことのない言葉で飾った二十三日のB型中古販売日は快晴だった。一番目の交渉権を確実に得るため、廉は築地のプレッソイン東銀座に前泊していた。夜勤明けに藤沢から出てくるのでは後悔する結果になりそうな予感がしたからだ。案の定、仕事から解放されたのは午前一時半だったので、宿を取って正解だった。熟睡こそ…
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小説『遥かな幻想曲[人気連載ピックアップ]』【第12回】尾島 聡
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エッセイ『毒親の彼方に[注目連載ピックアップ]』【最終回】袰岩 秀章
会社がつらいほど実家に帰りたくなる――帰っても母に罵られるだけなのに、恋しくてたまらない
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エッセイ『あなたがいたから[人気連載ピックアップ]』【第17回】坂本 りの
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エッセイ『ときめくイタリア紀行』【第9回】高橋 文子
最終日に『最後の晩餐』を観たかったのに、タクシー乗り場は長蛇の列。最前列にいた日本人に、「お願いだから同乗させて…」
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小説『しあわせについて』【第9回】杉野 六左衛門
小声で練習していると父に「変な歌だ」と言われた。父には分かるわけがないと放っておいたが、その日以来…
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評論『宇宙の成り立ちへの試論』【第9回】手島 浩光
「水が地球を守った」その真実とは?——成層圏の水蒸気不足がもたらす気象災害と人間の責任、未来を見据えた科学と地球の記録
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ビジネス『これからの「優秀」って、なんだろう?』【第25回】中村 隆紀
ケインズとハイエク、対立的な2人の経済学者には共通点がある? それぞれの思想を時代背景から考察する
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小説『雪女』【最終回】佳 英児
70代の男性。パンツを濡らしてしまい、慌てている様子。「あの歳になると困るな」と思ったが、私はあることに気が付き…
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実用『そうだったのか! 相続のトリセツ[注目連載ピックアップ]』【第5回】佐藤 良久・松村 茉里・竹内 宏明・森田 努・川端 ゆかり・高田 江身子・杉森 真哉・黒川 玲子・中村 剛・山田 隆之
『全部私がやってきたのに……』親を自宅で介護してきた人が相続で後悔する“見落としがちな落とし穴”
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小説『今のこのままの日本でいいのか』【第10回】一粒 野麦
「ただいま」「宏ちゃん、お帰り~」高校生になっても相変わらずの「ちゃんづけ」する母。しかも、部屋にも遠慮なく入ってくる。
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実用『海外百ヵ国以上一人旅で考えた事・実践 文庫増補改訂版』【第10回】高木 真
【海外旅行を加速させた円高】1980年頃、急に日本人観光客がニューヨークにどっと押し寄せ、アメリカ人は驚いた
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小説『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[「バツ恋」人気御礼!武きき作品ピックアップ]』【第25回】武 きき
「会いたかった、やり直したい」ホテルのロビーで夫と抱き合う女性は元カノだった。密着する女性の体越しに、夫と目が合い…
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小説『遥かな幻想曲[人気連載ピックアップ]』【第11回】尾島 聡
「あなたはほんとロマンチストだね…」新聞社に勤める夫が、グランドピアノの美しさを聞いたことのない言葉で飾った
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小説『兎角儚きこの世は』【第10回】白井 忠彦
「文学部に行くくらいなら就職しろ」と吐き捨てた父を、頭の中でぶちのめした。いざ大学に入学すると父は…
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健康・暮らし・子育て『北の国のトイレ日記』【第10回】岡安 俊明
朝起きると息子が「このおじさん、だれ?」——父親を指さし放った言葉。少しの間会わなかっただけで…
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エッセイ『毒親の彼方に[注目連載ピックアップ]』【第29回】袰岩 秀章
誰でも新人時代の失敗はある。だが彼女の場合は、自分の居場所まで否定された気がして心が折れてしまい――
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小説『仙一』【第10回】古川 晋次
「やっぱり大きかったわ」着物を巻き付けただけの姿で、背中に身体を預けてきて…耳元で囁いた。
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エッセイ『あなたがいたから[人気連載ピックアップ]』【第16回】坂本 りの
夫はあと2、3か月しか生きられないのか…入院する前にグループホームにいる彼のお母さんの所へ連れて行くと…