はじめに

山伏が山岳修行をした飯道山の麓にある「とんとん山音楽教室」は、はじめ冒険遊び場としてオープンしました。その後、冒険遊び場の片隅で音楽教室とフリースクールを立ち上げ、現在事業を営んでいます。

そういう経緯もあって、冒険遊び場にあるピアノ教室は普通の教室とはちょっと違います。モンテッソーリ教育やシュタイナー教育の要素を盛り込んでいます。

私がモンテッソーリ教育やシュタイナー教育を知ったのは、わが子が幼稚園の時です。そしてその時に読んだシュタイナー教育の雑誌に冒険遊び場づくり協会のことが載っていました。

その活動に共感を覚えた私は、私自身もそのような環境を与えてもらっていたこともあって、近くにある小さな公園で冒険遊び場をオープンすることにしました。オープンから4年目に今の山の麓の自然あふれる環境に引っ越し、そこにあった小さな廃屋を改造してピアノ教室にすることにしました。

モンテッソーリ教育、シュタイナー教育の基本的な考え方は、子ども自身の持つ自己教育力で成長させることが大切で、保育者はその力が発揮出来る環境を整え成長する過程をサポートすること、とされています。

そうすることで自立したしっかりした大人になるそうです。モンテッソーリ教育は、子どもが今成長したいと思っていることを「~の敏感期」と呼び、それに没頭することを「集中現象」と呼びます。敏感期の集中現象を大切に、自分の力で成長することを促します。

そしてシュタイナー教育は、静かな時間と落ち着いた色、素材で環境を整え自分の世界に入る感覚を育てます。教育は感覚から入るべきとしていて、感覚を12に分けて注意深く取り扱います。

また生まれながらに持つ気質を4つに分けて考えるなど、細かく教育方法を述べています。シュタイナー教育は素敵な教育方法なのでたくさんの本が出ていますが、ずいぶん前の教育方法なので解釈の仕方がたくさんあります。

本によって内容が異なることもありますし、今の社会にそぐわないこともあります。私はモンテッソーリ教育、シュタイナー教育の要素を取り入れてはいますが、最近話題のイメージトレーニング、引き寄せの法則、心理学なども取り入れながら教室を運営しています。

ここに集まってくれる保育者の方々は優しい方ばかりです。しかし保育者の方の悩みに子どもが《怒りっぽくなる》ということがありました。優しいお母さんなのにとても悲しい話です。

私自身も子育て中、特に子どもが病気をした後など一生懸命看病したのに子どもが《怒りっぽくなる》ことで何度も困りました。優しく育てられた子どもは、してもらってあたりまえと感謝することがなく、自分勝手でしかも責任転嫁して《怒りっぽくなる》と気が付きました。