序文
この本を手に取ってくださった皆さまへ
数ある書籍の中、この本を手に取ってくださったことにまずは御礼申し上げます。この本は、まず、第1章で、遺産分割についてご説明いたします。
遺言書がないままどなたかが死亡された場合に、相続はどのような手続で行われるかを、まずイメージとして持っていただければと思っております。
そして、第1章をお読みいただいて、これは大変だ、このようなことにならないためにはどうしたらよいかと思われた方には、第2章にて、遺産分割に優先して遺産を配分できる遺言について、遺言とはどのようなものなのか、どのような遺言が適切なのかなど、複数の例を挙げてご説明いたします。
さらに、第2章で遺言があれば万全だと思われたとしても、遺言に対しては、遺留分という一定の権利は確保されています。
第3章では、その遺留分について、遺言がある場合に、遺留分という権利を持っている人はどうすればよいのか、遺留分を請求された人はどうすればよいのかについて、ご説明いたします。
第4章は付録のようなものですが、遺産分割のとき、遺言書作成のときなどに、常に考えておかなければならない成年後見や、相続放棄など、相続にまつわる重要な問題を網羅したいと思います。
それぞれの局面において、弁護士がどのような活動をするのか、どのようにして皆さまの権利を守っていくかが、この本のメインテーマです。弁護士をうまくお使いいただくために、この本をご利用いただければと思っております。