現王が父とともにこの国を平定し、二十年前に王位を継承した際、まだ十九だったアンリにシャン・ド・リオンの統治を任せたのは、身内の情からではない。アンリは、少し間延びしたような頬に、とろんとした目元、頬の広さから比べれば小さすぎるほどの口に薄い唇、表情に乏しく、まるで無愛想が服を着込んだような男だった。愚鈍そうにさえ見うけられるのだが、その見せかけの風貌は人を欺いている。何の面白みもない無表情の裏で…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第4回】中條 てい
十九歳という若さでシャン・ド・リオンの領主となったアンリ。愚鈍そうな風貌の裏で、したたかな計算をし、来るべき時を待っていた
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第3回】中條 てい
二百年もの間、誰に知られることもなくひっそり隠れていたギガロッシュの村。ある日突然、この村に八十騎もの兵がやってきて…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第2回】中條 てい
二百年閉ざされていた村に初めての訪問者が来た。この男が、どうしてこの村の存在を知っていたのかと村人の不安は膨れ上がり…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【新連載】中條 てい
仮死で生まれ、聡明さと比類な美貌を持つシルヴィア・ガブリエル。その彼が突然姿を消してから三か月。村にはある異変が起こった
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小説『光と闇の相剋 世界を巡る生命の旅—ツインレイと聖女たち』【新連載】髙嶋 郷二
「五人の聖女。この娘たちに、子を授けるのだ。」―!?酒を飲んでうたたねをしていると、誰かが語り掛けてくる声がして…
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小説『紅の脈絡』【第4回】水無月 慧子
「隙を見て逃げるおつもり?」「ご冗談を!あっしは診察を…」「では、どうして救護小屋で待っていらっしゃらないのかしら?」
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小説『春を呼ぶ少女』【第5回】桜小路 いをり
美しい衣装を身にまとった「春を呼ぶ少女」リリー。愛馬フルールとともに村の家々をひとつひとつ回り春を呼ぶ
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小説『ぽろもきの冒険』【第3回】エゾノ はやと
妹が僕との同居を嫌がり、父に不満を訴えた。そして、僕は父から古い小さな家へ一人で住むようすすめられ…
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小説『紅の脈絡』【第3回】水無月 慧子
「鈴木がよろしいわ、鈴の実る木だなんて、ステキだわ」一行は日本人に化け、地球に不時着することに。
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小説『春を呼ぶ少女』【第4回】桜小路 いをり
本当は、この日が来るのがほんの少しだけ怖い。春を呼ぶ仕事を終え、村が春を迎えてしまったら、「春を呼ぶ少女」としての私は…
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小説『ぽろもきの冒険』【第2回】エゾノ はやと
幼さが消えて少年になる頃に両親の元に返されたぽろもき。それは悲しい時間の幕開けだった
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小説『紅の脈絡』【第2回】水無月 慧子
気が付くと青白い光が目の前に現れた。気が付くと監視小屋の前には穏やかな顔の5つの死体が並べられていた
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小説『春を呼ぶ少女』【第3回】桜小路 いをり
フルールに乗って走っているときだけは、心に絡みつく重苦しい想いが遠くに行ってしまうような、晴れやかな気持ちになれた
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小説『ぽろもきの冒険』【新連載】エゾノ はやと
“別な地球”の住民が全てエリート階級である大都会島で生まれた「ぽろもき」。1歳で上位様と呼ばれる特別な権力を持った家庭に望まれて預けられるようになったものの、それは孤独な日々の始まりだった
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小説『紅の脈絡』【新連載】水無月 慧子
道路工事に当たった囚人のうち、211名が命を落とした。その中には鎖をつけられたまま脱走を試みたが捕まった者も…
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小説『春を呼ぶ少女』【第2回】桜小路 いをり
母に代わって役目を果たす彼女を、村の人々は「春を呼ぶ少女」と呼んだ
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小説『春を呼ぶ少女』【新連載】桜小路 いをり
少女が亡くなった母親から受け継いだある力。そしてこの村に伝わる物語とは?