【前回記事を読む】隣をちらっと見ると若い美人な女性だった。高齢になっても、若い女性にはときめいてしまう。「こんにちは」と声をかけると…

羽田空港~ドバイ首長国・ドバイ国際空港~

スウェーデン・アーランダ空港

着陸時に墜落の事故が多いと顕治の脳裏に浮かんだが、今回は何故か不安を感じなかった。機内での異常な一夜と、たまたま隣り合わせた若い女性の存在がそう思わせたような気がした。その女性との別れも近づいてきた。この後乗り継ぎだが、もう一緒に近くにいることはないだろう。

ほんの短い時間の交流だったけれど、この人となら行動をともにできるかもしれないという思いになった女性との別れだ。

「それでは、スウェーデンには25日まで滞在しますからどこかで会えるかもしれないですね。さようなら」

「ありがとうございました。短い時間でしたが私も楽しかったわ」

なんと気持ちのよい女性だ。私みたいな高齢者にも親しみを感じてくれたことがうれしかった。もう一度会ってみたいと思う方に顕治は「遊びの名刺」を渡すことにしていた。

もちろんそこにはメールアドレスと電話番号、そして自分の趣味がわかるような情報を記載していた。なかなか相手の連絡先を知るということは気を遣わなければならない。しかも相手が女性の場合は特に気を遣っていた。

名刺を渡すことは、もし興味があれば連絡してほしいというメッセージのつもりだった。その女性は大切そうに名刺をしまってくれた。

ドバイ国際空港は人類(ホモ・サピエンス)の多様性を感じる空港だ。

顕治は特別に空港に興味があるので、ドバイ国際空港と羽田空港の特徴を比較してみた。

ちょっと疑問に思ったとき、何か気になることがあったときネットで情報を瞬時に得ることができる。羽田空港との比較でこんな記述があった。