「邪魔して悪かった。でも、課題に集中したいなら図書館に行けば? ここより冷房が効いてるし、静かだし、資料も山ほどある」今まさに去ろうとしていた邪魔者が、何を思ったか居座る気配を見せている。彼女にしてみれば、これほど迷惑な展開はないだろう。「私の、勝手。ここのほうが、頭が冴える。もう行って」女は再び背中を丸めて、鉛筆をきつく握り直した。聞こえよがしな荒い筆音。もはやここまでか。そのときふと、女の手…
[連載]赤い大河
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小説『赤い大河』【第9回】塚本 正巳
今の打ち解けた雰囲気なら冗談で済むかもしれない…。「ところでさ、スリーサイズいくつ?」と、さりげなく呟いてみたところ…
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小説『赤い大河』【第8回】塚本 正巳
一人で座る猫背の女。その女に「スリーサイズを訊いて来い」!? 声をかけてみると、尖った視線で白眼視されたが…
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小説『赤い大河』【第7回】塚本 正巳
「五円玉二枚と十円玉、交換してくれませんか」券売機の前に、殺気立った様子の変な女がいた。俺に気が付くと振り向いて…
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小説『赤い大河』【第6回】塚本 正巳
大学生活が名残惜しくなった学生最後の夏休み。「まさかこんな時期に、就職先の発掘?」と友人に横槍を入れられ…
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小説『赤い大河』【第5回】塚本 正巳
もしかして私と彼を別れさせた自称間男は、男ではなく、女かも?ある人物が思い浮かび…
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小説『赤い大河』【第4回】塚本 正巳
妊娠を報告した後、逃げるように家を出てしまった彼。意を決して連絡してみると…
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小説『赤い大河』【第3回】塚本 正巳
妊娠を報告した彼は何故か戸惑っていた。段々と帰りが遅くなり、そして…
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小説『赤い大河』【第2回】塚本 正巳
赤子の安らかな寝顔に、二度と会うことのない彼を思い出して…。
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小説『赤い大河』【新連載】塚本 正巳
カプセルホテルで産まれた命。泣き声を止めようと、その喉に…。