翌日の午後になっても連絡すらなく、時が止まったような室内には寒さも空腹も存在しなかった。意を決して携帯電話を手に取ると、両手が小刻みに震え始めた。祈るような気持ちで発信ボタンを押す。電話はすぐに繋がった。「遅かったな。もっと早くかけてくると思った」拍子抜けするほどさっぱりとした、冬輝の声。ただでさえ捩(ね)じ切れそうな胸が、さらにきつく絞られていく。「できれば信じたかったけど、やっぱり無理だ。も…
[連載]赤い大河
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小説『赤い大河』【第4回】塚本 正巳
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小説『赤い大河』【新連載】塚本 正巳
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