「今日はそらちゃんだけの日だよ」そう言って笑ったママちゃんの顔を今でも覚えている。三十歳を超えたころ、私は仕事で失敗し精神的にバランスを崩した。友人知人は潮を引くようにサーッと私の周りから去っていった。東京での一人暮らしを続けられず、埼玉の実家に帰ってきた。実家は経済的に厳しく、ママちゃんはパートを二つ掛け持って休みなく働いていた。大変だったと思う。けれどその時の私はママちゃんがどれほど大変だっ…
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エッセイ『エスケープ[コンテスト大賞特集]』【第5回】横山 空
高次脳機能障害の母と共に歩んだ14年。倒れるまで働いた母を、今度は私が支えたかった。
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エッセイ『山心は自粛できない[人気記事ピックアップ]』【第5回】吉田 賢憲
白山登山道砂防新道の延命水での出会い。彼の車に乗せてもらい白峰温泉で汗を流す。
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小説『標本室の男』【第15回】均埜 権兵衛
ウワサの骸骨、別れを告げる...あんな姿で、あんなに世間知らずで一体どこへ行くというのか。
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第4回】倉澤 兎
新人の郵便局員、夏祭りのカラオケ大会に郵便局の代表として出場することに……
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小説『岬 上巻』【第6回】まつはじめ
単なるリップサービスだった? 挨拶すると早くこの場を去りたいという態度の協調融資に参加している銀行の頭取
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エッセイ『続・人災 子どもは親を選べない ~“毒親”は“家”を滅ぼす~』【第4回】深草 カオル
父は妻や子どもに対して容赦なかった。子どもに対しても手のひらの跡がくっきり残る程の平手が頬に飛んできた。
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エッセイ『気がついたらこんなことに』【新連載】上田 ノッペ
「あなたの職業は何ですか?」学生の頃の私は今の私の職業を予想できるだろうか。
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小説『愛しき女性たちへ』【第8回】白金 かおる
酒に酔っては母を叩いていた父。襖の隙間からその恐ろしい光景を見て、耳を塞いで耐えていた姉と私。そして、突然父は死んだ
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小説『スクリーン』【新連載】山田 健太郎
「起きなさい」温かみのない冷たい声に起こされると、昨日までの生活はなくなっていた
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小説『千恵と僕の約束』【第5回】成田 たろう
「権力や地位があれば、早めに妻の手術をしてあげられたかもしれないのに…」自分の無力さを感じた
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エッセイ『エスケープ[コンテスト大賞特集]』【第4回】横山 空
母の介護から離れ、冬の海で煙草をふかす。日常と違う場所で母の重さから逃げ出したかった。
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エッセイ『山心は自粛できない[人気記事ピックアップ]』【第4回】吉田 賢憲
転落死亡事故も頻繁にある唐松岳の「不帰キレット」。山の実力はそれぞれ、自分の実力に合った山を登る。
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小説『オヤジのチャーハン』【第3回】道葉 いち
オヤジの生姜焼きの改良に試行錯誤。常連の舌を納得させる、絶妙な味付けを探る……
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評論『司馬遼太郎 啐啄の記』【新連載】辻本 康夫
司馬遼太郎の生誕100年。現存最古の作文を発見した著者が、彼の人生と美学を紐解く。
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小説『岬 上巻』【第5回】まつはじめ
農業、林業が盛んな宮崎県。常に政治の目は第一次産業に向けられ、その中での工業政策には限界を感じていて…
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絵本・漫画『漫画 渦巻いて 三河牧野一族の波瀾<古白編>』【新連載】岩瀬 崇典
室町時代、一色時家は叔父の一色直兼を犠牲にして敵襲からなんとか逃げ延びる...
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小説『愛しき女性たちへ』【第7回】白金 かおる
彼女と男女の関係になりたい…。でもこの銀座のクラブではボトルを入れると7、8万かかるし、いつまでお金が続くのやらと悩む日々
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小説『真夜中の精霊たち』【新連載】新見 上
「もし君が繋がりを求めるならば、七つの方角に向けて、聖なる煙を吹かすんだよ。」七つの方角とはこの世のすべての場所のこと。
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小説『箱船へいらっしゃい』【新連載】葛西 雄一郎
友人派遣所から派遣された友人と見ているテレビはくだらないプロパガンダを流す。スズキ青年は音量を下げようとするが...