「走っちゃ駄目よ」と言うふくちゃんの声を聞いても我慢できず、全速力で駆け寄り、父の胸に飛び込んだ。父は僕のぬくもりを感じ取るように、ゆっくりと頭や背中を撫でながら肩を震わせていた。集中治療室にいる母の体には、たくさんの管が付けられ、見たことのない機械につながれていた。頭や腕にも包帯が巻かれている。ガラス越しに母を見ていた僕は、中に入りたくてしかたがなかった。でも病院の規則で、六歳以下の子供は入れ…
母の死の記事一覧
タグ「母の死」の中で、絞り込み検索が行なえます。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
探したいキーワード / 著者名 / 書籍名などを入力して検索してください。
複数キーワードで調べる場合は、単語ごとにスペースで区切って検索してください。
-
小説『虹色の魂』【第5回】青居 蒼空
5歳の誕生日を迎えてすぐ母が死んだ。棺の前で背中を丸めて泣いている父の後ろ姿が見えた。こんな父の姿を見るのは初めてだった…
-
小説『虹色の魂』【第4回】青居 蒼空
翌朝再び祖母と共に病院へ...「振り向いた父は目の下に隈ができ、一晩でげっそりと痩せこけて見えた。」
-
小説『虹色の魂』【第3回】青居 蒼空
「僕、イチゴがのってるケーキじゃなきゃ嫌だ!」地団太を踏んだクリスマスの日。母は駅前のケーキ屋に行き、そして…
-
小説『虹色の魂』【第2回】青居 蒼空
仲の良い母と父は僕が生まれてからもっとラブラブに。母が僕を抱きしめると「俺も俺も」と焼きもちを焼く父
-
小説『虹色の魂』【新連載】青居 蒼空
「光は俺に似て二枚目だなあ」「うん、お父さんも僕に似てかっこいいよ」