「俺はお前の兄貴を知っているよ。この城に奉公に来たばかりの子どもの頃だったが、あの人には憧れたもんだ。俺だけじゃない、みんなそうさ。姿が美しいだけじゃなく、あの人から発せられる何もかもが潔く凜としていた。ジェローム様だって、話す機会があればきっと印象が違ったはずだよ。お前があの人の弟だなんてことが、俺には癪に障るくらい羨ましいことなんだ」こんなことを小姓が聞かせてくれるのは初めてだった。広間でジ…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第25回】中條 てい
マルゴには忘れられない記憶がある。それは、ガブリエルの腕に抱かれて馬を飛ばし、まだ誰にも明かされていなかった秘密の故郷へと…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第24回】中條 てい
才能を認められ、奥方からの贈り物である新しい机に胸躍らせるラフィール。しかし広間で待ち受けていたのは、兄への嫉妬に燃える…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第23回】中條 てい
夫を毒殺したという噂のあるイヨロンド。彼女から先日急死したゴルティエに贈ったものと同じという葡萄酒を贈られ…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第22回】中條 てい
アンリ王子に仕えるジェローム。10年の奉公に終止符を打ちたいと父に直訴するも受け入れられず…。彼の苦悩と王位継承の行方とは
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第21回】中條 てい
イヨロンドについて世間は悪者とばかり決めつけるが、本当にそうなのか……ジェロームはそんな思いを抱くようになってしまい…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第20回】中條 てい
因縁深いカザルスの息子ジェロームに忍び寄るイヨロンド。彼女からの執拗な誘いと不吉な予感…ジェロームを待ち受ける運命とは?
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第19回】中條 てい
「これからはシャン・ド・リオンの動きに十分注意しておけ。そろそろあの獅子が目を覚ますかもしれぬぞ」
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第18回】中條 てい
祖父の異変、床に広がる赤い染み…。「こちらへ来るでない」十歳の溺愛する孫娘に遺した酒豪の領主ゴルティエの最期の言葉
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第17回】中條 てい
シルヴィア・ガブリエルが一人でこそこそ動いている時は、何をする気なんだと不審に思ったもんだが…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第16回】中條 てい
出世をしたとマルセルが羨ましがっていたので、どれほど大きな工房を構えているのかと期待して訪ねたが…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第15回】中條 てい
同じ村で育ったマルセルと自分が、なぜ差別されていくのか…。その理屈が納得できず複雑な思いを抱いた
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第14回】中條 てい
「夫の両親がね、ヴァネッサの者とあたしが喋るのを快く思わないのよ」変わらぬ友情と変わる身分。ベネが胸に秘めた想いとは?
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第13回】中條 てい
ヴァネッサの民が開放されて3年半、プレノワールの領民として生まれ変わろうとしていた村人たち。ただ、扱いは人によって不平等で…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第12回】中條 てい
元々は奴隷の子だったバルタザールを、見どころのある子だと父が拾い上げた。父の息子が自分ではなくて彼であればよかったのかもと…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第11回】中條 てい
――弱気な! なぜ我らがいつまでも下手に回らねばならぬのか! 先ほど交わした父とのやり取りが頭を駆け巡っていたところ…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第10回】中條 てい
鳶色の髪に少し気難しそうな整った顔立ち、立派な身なりのその青年は、バルタザールの姿を見つけると何か物言いたげな様子を見せたが…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第9回】中條 てい
さっきの少年がシルヴィア・ガブリエルの弟か……。あれからもう何年も経ってしまったが、ガブリエルとの出会いを振り返りながら…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第8回】中條 てい
「あいつの血を分けた弟のラフィールですよ!」ああそうか……と頷いてイダがしげしげとラフィールを見つめ…
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小説『ぽろもきの冒険』【第4回】エゾノ はやと
「だからおまえはダメなんだ。人間のクズだな」夜になると父から言われた言葉が頭の中で再生されて自然と涙がこぼれ…
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小説『ヴァネッサの伝言 故郷』【第7回】中條 てい
兄ガブリエルの恩人である老医者イダのもとへ。扉を開け放つと、皺だらけの老人の顔が覗き「馬鹿たれが!」としゃがれた声で…