【前回記事を読む】彼女はおもむろにリリスの人差し指を噛みちぎった。第一関節を口の中で転がしながら吹き出す血を、そばにあったグラスに…
第1章 光の神が創った世界
2―5 ソフィアとは何者?
鮮血で真っ赤に染まったソフィアはルシフェルの腰にまたがり天を仰ぎ、あざ笑った。よがり声と高笑いは止むことはなく響き渡った。
「光の神よ!! 私は闇から生まれた者。そなたの創造物ではない! そなたの子、このルシフェルと交わり我らの子孫を作って、この地球に闇の王国を築く! 人間などに仕える気はない! この地球も、そなたの最愛の子ルシフェルも我が手中にあり! ハハハ」
ソフィアはルシフェルにそっと口づけをした。
「ルシフェル様、あなたは私だけのもの。あなたが今飲んだ果実酒には我が母が作った軽い毒を入れ、目覚めぬようにしている。リリスの血で穢(けが)れたあなたは、もはや天界には戻れぬ。この地球で永遠に私と過ごすのだ。私にあなたの子を授けよ。闇の帝国を築くのだ!」
ソフィアはルシフェルの身体についた血をおいしそうに舐め始めた。ソフィアの鼓動はしだいに高鳴り、身体が高揚し、ルシフェルを激しく求めた。欲望のおもむくままに何度も何度も……。
3―1 別の者と化したルシフェル
陽が昇り、宮殿は黄金色に輝いた。深い眠りについていたルシフェルがようやく目を覚ました。
そこは薄暗くじめじめした狭い部屋だった。衣服はすべて脱がされ、血まみれの身体を怪しい女神が草のようなもので拭いていた。
「ここはどこだ! そなたは何者だ! ここで何をしておる?」
女神は後ずさり、ひざまずいてルシフェルに頭を垂れた。
ルシフェルは辺りを見た。薄汚れた扉が目に入ったので開けてみると、見覚えのあるソフィアの寝室であった。ソフィアがベッドに横たわっていた。ルシフェルは背後からソフィアを優しく抱きしめた。
「お目覚めになられたのですね」
ソフィアは振り向き、ルシフェルに口づけを交わした。ソフィアの瞳が赤く輝いた。