【前回記事を読む】水が跳ねてびしょびしょのトイレの洗面台。保菌者が咳でもしたら水滴に菌が宿って2時間は生きるだろう…
二
トラドと飲みに出る。JR梅田駅、そこから阪急東通商店街に向かう。
どの店がいいかな、店を選びながらふと振り返ったら何と全員がついてきていた。さあ大変だ。
たまたま持ち合わせがあったので店長と交渉して店の半分をオールナイトの貸切にしてもらった。始発が出るまで。
向こうでは日本の刺身と鮨(すし)、ラーメン、鶏の唐揚げが大人気。舟盛りとマグロ赤身のにぎりを何鉢か取り寄せた。唐揚げも多めに揚げてもらった。酒のあてとしてこれらは見てくれもいい。
「現地でたらふく食べた、うまいのなんのって」となる。
あとは様子を見ながらの注文だ。焼酎の在庫が七本あった。とりあえずはこれで始めた。氷が便利だからみんなにはロックで飲んでもらう。
店の名刺の裏に一筆もらって、領収証は取らない。安い。流石は大阪の大学生御用達の歓楽街だ。
大宴会になった。佳境に入ると使節団のプロのカンツォーネ歌手が、二曲披露してくれた。馬頭琴とホーミーも始まっている。ホーミーは一回で同時に高音と低音を吹き分ける口笛。
次の日が祝日で日本の友人たちと奈良でゴルフをすることになっていた。ゴルフバッグは先に送ってあったのでその店からタクシーで直行することにした。
しこたま飲んで騒いだ。ぐでんぐでんのゴルフは散々。背広のズボンはそのままで何とか使えたが、シャツと靴は買った。
「糞ったれ、こんなところで買ったらなんぼ取られたって文句が言えねえじゃんかよう!」
昨夜からの分を入れると大変な出費になった。
これで済むわけがない。
宿泊するホテルはもぬけの殻で大騒ぎ。逃げたとは思わなかったにしろだ。
そこへ全員が大いに酔っ払って、のこのこと朝帰り。まだ領事館の方には連絡するにも何も分からないではどうしようもなく、していなかった。携帯電話は一般にはまだだ。
「あかんよ」
知人に叱られた。