それから一刻ほど眠って、起きた。曹端嬪(ツァオたんぴん)のことが気になり、となりでいびきをかいている牛順廉(ニウシュンリエン)を、揺りうごかした。「むにゃむにゃ……なんだ、いったい」「主子(チュツ)様は?」「おれに訊いたって、知らんよ。おれは下僕だ。主子様じゃない」「宦官たるもの、主子より早く目覚めて、朝じたくをせねばならんのではないか?」「心配せんでもええ。曹端嬪(ツァオたんぴん)は、大らかな…
[連載]花を、慕う
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小説『花を、慕う』【最終回】堀田 冀陸
あの人は雑用係。皇太后さまや皇后さまの前には出られないの。
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小説『花を、慕う』【第87回】堀田 冀陸
【小説】喉のおくから、得体のしれないかたまりが、突きあげて来た。
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小説『花を、慕う』【第86回】堀田 冀陸
覚悟といわれましても、宮中入りしたばかりで分かりませぬ…
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小説『花を、慕う』【第85回】堀田 冀陸
村長宅に集まって葬式の準備をしていると、当の本人が現れて…
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小説『花を、慕う』【第84回】堀田 冀陸
舞姫は皇帝の「寵愛」を受け…厳しすぎる現実と占い結果
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小説『花を、慕う』【第83回】堀田 冀陸
突然皇帝が訪問してきた…突きつけられた「厳しい現実」
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小説『花を、慕う』【第82回】堀田 冀陸
「いやなに、野暮用でな」…くわえタバコの怪しい同居人
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小説『花を、慕う』【第81回】堀田 冀陸
「ほら、ここよ、ここがあなたの部屋」どうやら相部屋らしい。
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小説『花を、慕う』【第80回】堀田 冀陸
「困ったわねえ。誰か!」「はい」聞いたことのある女の声が…
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小説『花を、慕う』【第79回】堀田 冀陸
宮廷名をもらうしきたり…新しい名前『春吉(チュンジー)』
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小説『花を、慕う』【第78回】堀田 冀陸
これぞ禁裏の力よ…生きている。私は、生きている!
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小説『花を、慕う』【第77回】堀田 冀陸
帝の命令とあらば、さからうわけにはいくまい。
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小説『花を、慕う』【第76回】堀田 冀陸
冗談か本気か……杓子定規ではかれる人物ではなさそうだ
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小説『花を、慕う』【第75回】堀田 冀陸
どうしてこうも男を魅了するのか…若い娘の笑顔は魔力だ
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小説『花を、慕う』【第74回】堀田 冀陸
人事異動…急転直下、私は思わず、あんぐりと口をあけた。
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小説『花を、慕う』【第73回】堀田 冀陸
こんなに早く再会できるとは…しかし、以前とは立場が違う
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小説『花を、慕う』【第72回】堀田 冀陸
いずれも、なみの娘よりは、よほど人目を引く美貌である。
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小説『花を、慕う』【第71回】堀田 冀陸
なくしかけていた希望の灯が、ようやくともった。
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小説『花を、慕う』【第70回】堀田 冀陸
のぞみ薄だと思っていたのだが…突如、舞い込んだ朗報
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小説『花を、慕う』【第69回】堀田 冀陸
どこかに頭を打ちつけたい気持ちを、抑えられなかった