ユーはいつも本を片手に持って歩いていたけれども、もんじゃ焼きを食べるときだけはカホの言いなりになって、本をほったらかしにして、コテでもんじゃをつくっていた。「ちゃんと土手作ってくれないとお汁が逃げちゃうじゃない」そうカホに言われて、ユーは真っ赤になって眼鏡を曇らせながらも必死にもんじゃ焼きをつくっていた。僕とマコトは慣れていたので、もんじゃ焼きの作り方でカホに文句を言われたためしはない。天才とも…
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エッセイ『人生の住所教えて』【第5回】荻野 源吾
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「金井先生は、かたくなに退職届を書くことを拒否した。だから懲戒解雇にしてやったんだ」
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大学卒業後も定職に就かず海外旅行に勤しむ日々。街で偶然再開した友人に家に招かれ…
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エッセイ『おっぱいがウインクしてる』【第18回】牧 柚花
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エッセイ『WHAT A FANTASTIC RIDE ! せんべい屋さんの娘からアメリカの外交官になった私』【第9回】パーディ 恵美子
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小説『北満のシリウス』【第12回】鎌田 一正
「昨日、広島に原爆が落ちた」…部屋の空気が一瞬にして張り詰め男たちの表情は険しくなった
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「宇宙船が縮んだ形になったら、それはまともに飛ぶはずがない」。ではなぜものが縮む現象が支持されているのだろうか?
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小説『海渡るフォルトゥーナ』【第14回】鷹嶋 ちた
門をたたき30年、新たな境地を目指す千利休の茶道は行き詰まっていた…