家に帰ると揚げ物の油の良い香りがする。「お帰りなさい。今夜は海老フライにしたわ。たまにはちゃんと食べなさいよ。栞はちっとも太ってないじゃないの」綺麗に衣が付けられた海老がバットに並んでいる。「雑炊でいい」栞は言葉少なに言うと、海老の衣を水で洗い流してしまった。多恵子はあっけにとられてその様子を見ていたが、怒ったような困ったような多恵子の表情を栞はまともに見ることができなかった。せっかく用意してく…
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